帰れない少女
「君!帰るところがないなら私の家に来ない?」
私はこの子をゆうk………げふんげふん保護しようと思った。
「……え……?」
「だって君帰るところないんでしょ?たとえ私の誘い断っても今度はこの街に王族どもに連れ去られて研究されるかもされないよ?」
私がそういうと……
「研究………連れ去られる…………あ……あぁ……おか……おかあさん……助けて…怖いよ……たすけて……タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ」
んん〜………話題ミスったなぁ〜………とりあえず……
「落ち着こうね」
トンッ……っと私は彼女の頭を優しく叩いた
「タスケテタスケテたす……け……て………」
彼女には気絶してもらった。とりあえず一回精神の安定化はさせたけど融合した記憶は消えたわけじゃないからなぁ……別にここで介抱してもいいけど多分騎士団くるよなぁ……
「ってマジで来たし……とりあえず……名前聞いてなかったな……まぁとりあえず連れ帰るか。空間魔法 ディメンションゲート」
実際私も審査受けないでこの街入ってるからなぁ……一応王と面識はあるけどあの贅肉王に頼りたくもないし……まぁ帰ったら少しだけ彼女を調べてみるか……
「………!?」
彼女が飛び起きた
「あぁおはよう、ごめんね嫌な記憶思い出させてしまって……あの街の騎士団が来てたから匿うのも含めて私の家に連れてきたんだ」
私が状況を説明すると彼女は
「……そう……ですか……ありがとう…ございます……」
彼女がそういうと私は
「ねぇ君、ずっと君とかって言うのも悲しいし名前教えてくれない?私の名前はリアナ……リアナ・フローラまぁ植物や魔法の詳しいただのエルフだと思ってね」
「私は……ケラスス……」
「ケラススちゃんって言うんだね!いい名前だね」
私は彼女……ケラススに微笑みかける
「ありがとう……」
ケラススが少しだけ笑みを浮かべた。うーんかわいいね
「で、ケラススちゃん。これからどう生きるの?」
私が問いかけるとケラススは
「私は……ここでお世話になるのも悪いから出て行きます……それでは……」
ケラススがベッドから降りてドアを開ける
「えっちょっと待って!外には…!」
私がそう静止するもケラススは出て行ってしまった……
「はぁ……外には私の「子供」がいるのに……」
私がしばらく家でくつろいでいると玄関がノックされた。
「はーい…………あ〜………」
ドアをノックしていたのはケラススでもなく人間でもなく私の子供………キメラのフリズだった。
「………?……………!……………!」
キメラは人語を話すことはできないが意思疎通することはできる。でもそれはテイマーや私のようなキメラ関連のジョブならではだ。他のジョブや一般人では意思疎通することはできないのだ。
「えーっと?フリズはそこの女の子に魔物だと勘違いされて攻撃されたところを迎撃したんだね」
「……!……!」
「あはは……まぁ大丈夫だよ……伝えなかった私が悪かったし……」
私がフリズに謝りながら撫でてやるとフリズは喜んでいた。
「あっその女の子はこっちで引き取るから戻って大丈夫だよ」
「………!」
フリズは私にケラススを預けると元の場所に戻って行った。
「うーんまた気絶してるけど起きるの待つの面倒くさいなぁ………そうだ!」
私はケラススに向かって
「【下位水魔法】 アクアクリエイト」
私はケラススに向かって水をぶっかけた。
「うわっっっちゃぁ!?!?!?」
ケラススが飛び起きた
「おー起きた起きた………なんかすごい叫び声だったけど大丈夫?」
私がケラススに言葉を投げかけると
「大丈夫って……あなたがやったんじゃないですか………」
それもそうか
「あーごめんごめん……起きるの待つの面倒くさかったから………」
「だからと言って水をぶっかける人がどこにいるんですか……」
「こ こ ☆」
「はぁ………で?なんですかあの魔物は………出会った瞬間四肢凍結されたあと気絶させられたんですけど……」
「ふーん………あの子も結構慣れてきたのかな能力に………」
「あの子……?」
「あぁごめんごめん、君が魔物って言ってる子たちはみんな私が作り出したキメラなんだよ」
私がケラススにキメラ達について話すとケラススは驚いた顔で
「えっ……!?あの魔物たちってあなたが作ったキメラだったんですか……!?」
「じゃないとこんな森の奥に氷魔法使う魔物いないでしょ……にしてもフリズに気絶させられただけで済んだのは
君相当運がいいね〜他の子だったら怪我じゃ済まなかったよ……」
特に“あの子”と出会ったら……ね………
「一瞬で気絶させられたので運がいいんですか……?」
「そうだよ〜他の子に出会ったら腕ぐらいは無くなったかもね」
「え……………」
どうやら彼女を怯えさせてしまったようだ。こういう時は話題を変えよう。
「まぁキメラ達のことは置いといて君はこれからどうするの?さっきは離れるって言ってたけどキメラ達が大量にいるからこの森から出ることはできないし……まぁ私が一緒なら出られないことはないけど多分君フリズに攻撃したでしょ?あのフリズがいきなり襲うとは考えにくいし……」
「それは………」
「あぁ攻撃したことに責めたりはしないよ?でもフリズに攻撃したってことは他のキメラ達に敵と見なされちゃってると思うよ?」
「むむむ………」
彼女は苦悶の表情を浮かべながら悩んでいた。
どうしようかな………彼女がこの森から出るためには何個か方法はあるっちゃあるけど………
「ねぇ……この森から出られる方法があるなら……聞きたい?」