酒のツマミ
儂は咲き誇る花々を酒のツマミとして観賞しながら、手酌で日本酒を飲んでいる。
花見と聞くと皆は公園や川沿いの桜並木を思い浮かべるだろうけど、儂がいるのは自宅の2階にある客間。
窓を大きく開け放って隣家の奥さんが手間暇かけて大事に育てた花々で埋まる庭を、無料で観賞させて貰っているのだ。
門の直ぐ傍の桜は散り始めているが、テラスの前には赤白黄色のチューリップや黄色にピンクやオレンジ色のラナンキュラス、白紫ピンク色のプリムラマラコイデス。
家を囲む格子状の柵に沿って植えられているのは、白赤黄色にピンク色の花を咲かせている牡丹。
その他にも沢山の花々が咲き乱れている。
ただチョットだけ不満に思うのは、梅や杏など酒のツマミになる実がなる木々も植えてくれないかなって事。
それらが植えられ実が成ったら、隣人が留守の時か夜にでもお邪魔して勝手に頂いてくるんだけどな。