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エピローグ Happy ever after(めでたしめでたし) カナリヤside

 ポンポンと肩を叩かれ、我に返った。


「カナリヤ、大丈夫?具合でも悪いのか?」


 心配そうに顔を覗き込むトーマス様に慌てる。


「違うんです!ちょっとウトウトしたみたいで夢を見ていて」


 言いながら自分の図太さに呆れる。こんな時に居眠りなんて。


「そうか、ずっと準備で慌ただしかったから疲れていたんだな」


 呆れられないかと不安になったが、トーマス様は微笑んでくれた。


「それで、どんな夢を見てたんだい?」


「ずっと先の未来です。私が子どもや孫たちに囲まれ、あなたに手を取られながら天国に旅立つ夢」


 あまりの気の早さに今度こそ呆れられたかと、トーマス様の表情を伺う。彼は困った顔をしていた。


「とても素敵な夢だけど、絶対に叶って欲しくないな」


 何故かわからず当惑する私に、彼は微笑みながら理由を教えてくれた。


「だって君が先に召されたら、僕は寂しくてどうにかなってしまうから」


 夢の中の彼と同じ言葉に、涙がこぼれそうになった。見せるわけにもいかず、手元の花束に顔をうずめる。


 そんなときに静寂を破る声がした。


「お時間ですよ!準備は出来ましたか~?」


 ノックもそこそこに控室に入ってきたのはスミス夫人だった。


「まあ!お綺麗ですよカナリヤ様。三国一の花嫁ですね。トーマス様は果報者でらっしゃいますね」


 ウエディングドレス作製を頼まれただけのはずのスミス夫人。しかし、いつの間にか私とトーマス様の結婚式の手配まで仕切っていた。


 どうやら、新作であるドレスのお披露目の為らしい。本当に逞しい方だ。憧れてしまう。


 スミス夫人の後に、もう二人控室に入室してきた。


 エドワード子爵とソフィア姐さんだ。トーマス様が手を回してくださり、ソフィア姐さんは有力貴族の縁戚となった。そして、半年前にエドワード子爵と正式な夫婦となった。

 今日は私とトーマス様との結婚式の介添え人をしてくれることになってる。


 ソフィア姐さん、いいえソフィア子爵夫人は私の手をとり、目に一杯の涙を浮かべながら言った。


「幸せになってね」


 私は最高であろう笑顔で返す。


「私はもう幸せよ。愛があるから」



次回のトーマスサイドでラストです。


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