ごろつき鯰
初コメディー作品。
とある高校の放課後。
教室にはまだたくさんの生徒たちが残っている。
教室で友達とおしゃべりをする生徒、部活動に参加するために準備をする生徒。帰宅を急ぐ生徒。さまざまである。
いつも通りの風景。
しかしそこへ突然、校内アナウンスが流れてきた。
「大変です!大変なことが起こりました。
東の空から雲に乗って巨大な一匹の鯰がこちらに向かってきています。この学校は危険です。校舎にいる生徒たちは速やかにグラウンドへ出てください。
繰り返します、鯰です!東の空から巨大鯰が
襲ってきました!逃げてください」
そのアナウンスが響くと学校中が騒然となる。
悲鳴を上げて我先にと逃げ惑う生徒たち。
先生たちは混乱する生徒たちを外へと誘導する。
東の空、雲に乗って体長が30メートルはあろうかという
巨大な鯰が一匹。口ひげの長さは10メートルはある。
グラウンドでは運動部の生徒たちがその信じられない大きな生き物を見て慌てふためいている。
「あれはなんだ?俺たちはどうしたらいいんだ?」
雲から飛び降りてきた巨大な鯰はその大きな口で、
なんと校舎にかぶりついた。そしてバリバリ、むしゃむしゃと学校の校舎を喰い始めている。
校舎の一部が窓ガラスごと鯰の口でかみ砕かれる。
先生たちは手に箒や定規、黒板けしなどを投げつけて
応戦している。
料理部顧問の会田先生は自分の目を疑った。
「私たちは生徒を守らなければいけない!」
すぐに弓道部を呼び、大量の弓が一斉に鯰めがけて放たれた。
鯰は一瞬ひるんだが、まだ校舎をバリバリと食べ続けている。
このままでは学校が喰われて無くなってしまう。
「ここは俺に任せてください!」
そういったのはサッカー部キャプテンの杉林君。
彼の右足から放たれるシュートは並大抵ではない破壊力がある。彼はサッカーボールを地面に置き、鯰の頭めがけて
思い切り足を振ってボールを蹴り上げた。
サッカーボールが風を切り裂いて弧を描き、鯰の頭に
直撃した。
あまりの衝撃でその場でのたうち回る鯰。
そして仰向けになり動かなくなる。
どうやら気絶したようだ。
間髪入れずに会田先生は出刃包丁を持ち出して駆けていく。
「トリャアアアアア!!」
会田先生は奇声を上げて飛び上がり、
「ズバッ!!!」
っと巨大な鯰を一刀両断してしまった。
勇敢な先生たちと生徒の活躍で学校を守り抜くことができた。