表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/24

第19話 悪役令嬢、続く危機。


 時間は、ミースがレッド侯爵家(コウシャクケ)から抜け出した夕刻に戻る。


 レッド侯爵家にて、ミースを見送ったサヤは、簡単な偽装工作として、布団(フトン)に膨らみを作る。

 そして戻って来たミースが過ごしやすいように、内装(ナイソウ)をアイボリー家のミース部屋に合わせていた。


 "コンコン!"(扉のノック音)


 その時、部屋の扉が少し(ハゲ)しめにノックされた。


 サヤは、すぐに部屋を出て、対応する。


 「はい、どの様なご用でしょうか?」


 訪問者は、見れば、サヤと同じ年齢くらいの少年であり、

 スカーレット色のツンツンした特徴的(トクチョウテキ)な短い髪をしていた。

 

 レッド侯爵家の子供、"グラス・レッド"である。


 「お前が"ミース・アイボリー"の専属メイドだろ?」

 グラスは、確認を取った。


 「その通りでございます・・・。」

 サヤは、扉の前に立ち、慎重(シンチョウ)に返答する。

 

 「ミースに会いたいんだ、

  今、会えるか?」

 グラスは、ミースに会えないか確認を取って来た。


 予想していた要求に、サヤは胸を撫で下ろし、用意していた返答、嘘を口に出す。

 「申し訳ございません、

  ミース様は、お疲れでお休みになられています。

  明日の昼頃になら、ミース様は起きられているかと、」



 「それ、嘘だろ。」



 グラスは、サヤのその嘘を指摘する。


 "ドキッ"

 サヤの心臓が跳ね上り、一瞬、目を丸くした。


 「な、何の事でしょう?

  私はこれで失礼します。」

 サヤは、なんとかそう言い返し、

 部屋の中へ逃げようとする。


 「待てよ、実際に見たんだ。

  ミースが元気に走って行く姿をな、

  誤魔化(ゴマカ)せないぜ、」

 グラスは、サヤの手を(ツカ)み、逃がさない。


 「他人の空似(ソラニ)では、」

 サヤは、まだなんとか誤魔化(ゴマカ)そうとする。


 「へー、まだ誤魔化(ゴマカ)そうとするか、」

 グラスは、そんなサヤに(シビ)れを切らし、強硬(キョウコウ)手段(シュダン)に移った。


 「!?ッ、お止め下さい!入らないで!」

 

 グラスは、ミースの部屋へ侵入(シンニュウ)しようとする。


 サヤは、そのグラスの行動に対し、阻止(ソシ)しようとするが、予想出来ていなかった為、侵入(シンニュウ)を許してしまう。


 そしてグラスは、(フク)らみのあるベットの前まで(セマ)る。


 「やめてぇぇぇ!」

 サヤは、グラスがやろうとしている事に気付き懇願(コンガン)(サケ)びを上げる。


 しかし、そんな(サケ)びは届かず、ベットの布団(フトン)()がされ、偽装工作を白日(ハクジツ)(モト)(サラ)される。


 「やっぱり、いないじゃないか!

  これで言い訳は、もう出来ないだろ!」


 それは、ミースがこの場にいない事の証明であり、

 グラスは、勝ち誇ったように、そう宣言した。


 "ピシッ、"


 サヤは、それを受け、ミースから受ける信頼(シンライ)にヒビが入るのを感じる。

 「ッ、・・・」


 "ピシピシッ、"


 {だめ!、だめ!、だめ!、

  ミース様が離れてしまう!

  そんなのだめ!

  隠し通さなきゃ、何をしてでも!}



 「じゃあ、聞きたいんだけど、

  って、おい聞いているのか?」

 優位(ユウイ)を取ったグラスは、呆然(ボウゼン)としているサヤに、そう話しかけ続ける。


 しかし、追い詰められた(ハズ)のサヤは、笑みを浮かべ、口を開く。


 「先程から何を(オッシャ)っているのですか?

  女性の部屋に無許可(ムキョカ)で侵入するのは、

  失礼な事ですよ。



  ですよね、"ミース様"。」



 サヤは、話しを()らす。

 さらにグラスの後ろにいる"ミース"へ、視線を向け、話し掛けた。


 「は?、」

 グラスは、その視線(シセン)を追い、いない筈のミースを確認しようとする。



 だが当然、後ろを確認しても"ミース"の姿はいなかった。



 「おい!やっぱりいないじゃないか!」

 グラスは、からかわれた事に怒りながら、サヤへ振り返り、講義(コウギ)しようとする。


 「な!ッ」


 振り返ったそこには、花瓶(カビン)を振り上げたサヤがいた。



 「死ねぇぇええ!、」



 グラスは間一髪(カンイッパツ)でそれを()ける。

 「危ねぇ!

  おい!落ち着けって!

  聞きたい事があるだけだって!」

 もし、サヤの近場に花瓶(カビン)があったら、どうなっていたか分かったものじゃない。

 

 「あなたは、知ってはいけない事を知ったわ!

  だから消えて!」

 サヤは、もはや話しが通じず、

 再び花瓶(カビン)を振り上げて、グラスへ(セマ)った。


 「知りたい事を知れたら!

  秘密(ヒミツ)にするから!

  だから落ち着けって!」

 グラスはそんなサヤと組み合い、なんとか落ち着かせようとする。

 

 "バタンッ!"(ドアが開け放たれる音)


 「どうしたんだ!グラス!」


 そこに耳までかかる青髪を揺らす、ブルー侯爵家の子供、"ガブレス・ブルー"が飛び込んで来た。


 居ても立っても居られず、盗み聞きに来た所、彼らの争う声が聞こえたのだ。


 「丁度良い所に来た!

  こいつを取り押さえるのを手伝ってくれ!」

 グラスは助かったとガブレスへ手助けを要請(ヨウセイ)する。


 「わ、分かった!」

 ガブレスは、ただならない状況に驚きつつも、その要請に応える。



 「消えて、消えろ!消えろ!消えろぉぉぉお!!」

 サヤは、あらん限りの力を尽くし、彼らを排除(ハイジョ)しようと努めたのだった。




 そうして、グラスとガブレスは、なんとかサヤを取り押さえる事に成功する。



 「「はぁ、はぁ、はぁ、」」

 

 「〜!っ、〜!っ、〜!っ、」


 サヤは、カーテンを(マト)める(ヒモ)椅子(イス)に手足を(シバ)り付けられ、口も布で塞がれてしまっていた。


 (ハタ)から見ると、とんでも無い絵面(エズラ)である。


 「全く、なんて力だ、」

 「2人がかりで、精一杯(セイイッパイ)だなんて、」

 グラスとガブレスは、息を(トトノ)えながら、サヤに(アキ)れる。


 「さて、良い加減、話しを聞いてくれよ。」

 グラスが、疲れたように、

 「落ち着いて、危害(キガイ)を加えるつもりはないんだ。」

 ガブレスが、汗を浮かべながらも優しく、


             そうサヤに話しかける。


 「〜〜!!っ、〜!っ、」


 しかしサヤは、お構い無しに歯を立て、口の布を()みちぎろうとする。


 「「・・・、」」

 その尋常(ジンジョウ)じゃない様子に、グラスとガブレスは、ドン引く。


 「全く、こんなのを専属メイドにしている"ミース"は、どう言うつもりなんだ、」

 グラスは、ついそんな感想が漏れる。


 「あはは、」

 ガブレスも、(カワ)いた笑いを上げ、同意する。


 そのグラスの感想を聞き、

 サヤは、主人の評価が下がってしまう事に加え、

 自分の力でなんとかならない事をようやく認識(ニンシキ)し、大人しくなった。


 「・・・」

 

 「お、大人しくなったね。」

 ガブレスは、そんなサヤの様子の変化に気付く。


 「やっとか、話しは、聞けるか?」

 グラスは、やれやれとそう確認を取った。


 サヤは、(ウナズ)いてそれに答える。


 「じゃあ、口の布を外すけど、

  噛みつかないでね。」

 ガブレスは、そう言いながら、サヤの口の布を外す。

 

 口の布を外されたサヤは、静かに彼らに問いかける。

 「・・・さっきの話しは、本当ですか、

  知りたい事を知れたら黙ってて頂けるって、」


 「嗚呼(アア)、一応聞いていたのか、

  そうだ、黙っといてやる。」

 グラスは、その問いに肯定(コウテイ)で答える。


 「・・・わかりました、なんでも聞いて下さい。」

 サヤは、項垂(ウナダレ)れ、全てを(アキラ)めた様子で口を開く。


 「ようやく聞けるぜ、」

 「ああ、」

 

 グラスとガブレスは嬉しそうに(ウナズ)き合い、

 グラスが代表してサヤへ問いかける。


 「"ミース"が3階から飛び降りて、無事な秘密(ヒミツ)を教えろ。」

 

 「・・・」

 サヤは、その問いを聞き、少し考えてから話し始める。


 「はい、ミース様は、"天才"なのです。

  "天才"なので無事なのです。」

 サヤは、完結(カンケツ)にそう答えた。


 「「は?」」

 グラスとガブレスは、その答えを到底(トウテイ)受け入れる事は出来なかった。


 「もっと詳しくできないの?」

 ガブレスは、サヤにもっと詳細(ショウサイ)に説明する様に要求(ヨウキュウ)する。


 「はい、私も詳しい方法は、知りません。

  ですが、魔法を使用して、降りた事は確実です。」

 サヤは、出来る限り詳しく説明する。

 

 「魔法は、そんな事も出来るの?」

 「なるほど、魔法か。」

 

 グラスとガブレスは、お互いにその答えを検討(ケントウ)する。


 「これ以上は、"ミース"に直接教えて貰う他無いようだね。」

 ガブレスは、そう結論(ケツロン)()ける。

 

 「あぁ、そうだな、

  あっちには、"勝手に抜け出した"って言う弱味がある、

  それを利用すれば、教えてくれるだろ、」

 グラスも、そうまとめる。


 「・・・」

 サヤは、それを(クヤ)しげにそれを眺める事しか出来なかった。



 そこで、ふとグラスは、気になった事をサヤに聞く。


 「ちなみに、ミースは、なんで抜け出したんだ?」



 「ぐぅぅぅぅうう!!」


 サヤは、歯を食いしばり、拘束(コウソク)()こうとする。



 「あー!、待って待って!、やっぱ無し!、

  その事は聞かないから、頼むから大人しくしてくれ、」


 グラスは、また暴れようとするサヤを見て、急いでその質問を取り下げるのだった。







 時間軸は深夜に戻る。


 白聖教とブラック・ワスプの戦いが続いていた。

 そんな時のブラック・ワスプの拠点、地下5階の地下牢(チカロウ)にて、


 その地下牢(チカロウ)は暗く、湿(シメリ)り、不衛生(フエイセイ)な空間である。

 そんな空間に場違いな程、美しい長髪の黒髪を持つ、可憐(カレン)な少女が、閉じ込められていた。


 牢屋(ロウヤ)内に唯一あるベットに腰掛け、

 物憂(モノウ)げな表情で虚空(コクウ)見つめるその姿は、

 まだ幼いながらも、絶世の美をそこに作っており、

 そんな彼女が、静かに何を思うのか。


 

 {あぁ〜〜〜!

  やってしまったぁぁぁぁぁ!!

  めんどくさいぃぃぃいい!!}



 その内心は、とても愉快(ユカイ)であった。


 {臭いし、汚いし、未来の上司(ジョウシ)になんて対応なのよ!

  私、丁重(テイチョウ)に扱え、って言ったわよね!!

  もっと良い部屋を用意しなさいよ!

  あぁー!!、もう完全にやらかしたあぁぁぁ!!}

 ミースは、脳内(ノウナイ)で、現状の愚痴(グチ)を一通り()き出す。


 ミースの現状を説明しよう。


 彼女は今、閉じ込められ、悪趣味(アクシュミ)なチョーカーを付けられていた。

 そのチョーカーは、少し黒ずんだ透明(トウメイ)の立体なひし形をした結晶(ケッショウ)が埋め込まれ、首を囲っている。

 その見た目はまさに、地雷系(ジライケイ)が身に付ける様なトゲトゲのチョーカーだ。


 しかし、その結晶は外観(ガイカン)だけで無く、内側にも小さく立体となっており、ミースの首に痛々しく突き刺さっていた。


 それはただ痛い、嫌がらせの道具という訳でなく、このチョーカーを付けることによって、



 “魔法が使えなくなっていた。“



 厳密(ゲンミツ)に言うと、魔法の力が首輪に吸われて回復しないのだ。

 恐らく万全(バンゼン)の状態であれば(ヤブ)る事は、可能だが、今の彼女では不可能だった。

 


 魔法が無ければ、ミースはただの、前世の記憶を持つ、か弱い少女である。

 もう自分1人で、この状況を引っくり返すことは出来ない。


 そして、彼女が内面のみで暴れ回っていた理由は、監視(カンシ)の目もあるが、別の牢屋(ロウヤ)に閉じ込められている者の影響が大きかった。


 「ねぇー、返事してよー!、

  誰かいるんでしょー!

  ねぇ!、ねぇ!、ねぇ!、ねぇぇえ!」

 ミースから姿は見えなかったが、元気な女の子の様な声が永遠(エイエン)と響く。

 

 {うるさい!、鬱陶(ウットウ)しい事この上無いわ!}


 塩らしくしていたミースは、眉間(ミケン)にシワができ、声的に3つ程先の牢屋(ロウヤ)(ニク)む。


 意に関さないようにしていた彼女だが、収監(シュウカン)されてから1時間、ずっと話かけられ続け、とうとう折れる。

 


 「ねぇ!、ねぇ!、ねぇ!」


 「はぁ、」


 「お!」


 「・・・私は、作戦が失敗して傷心中(ショウシンチュウ)なの。

  話かけないで(モラ)えるかしら?」

 ミースは、疲れた声で答える。


 「やぁっと、答えてくれたね!

  同じ女性で良かったわ!

  私は“イノセス“!あなたは!なんて言うの?」

 ミースがようやく返事を返してくれたのが嬉しかったのか、

 "話かけ無いで"、と言う言葉を無視し、(タタ)()けて来る。


 「はぁ、私は"カーテン"。」

 ため息と共に、ミースは、偽名で自己紹介する。


 「カーテンね!よろしく!

  作戦って?どおしてここにいるの?」

 イノセスと言った人物は、重ねて質問する。

 

 「あなたが何者かも知らないのに、言う訳ないじゃん。」

 ミースは雑に、そうあしらう。


 「じゃあ、私の事を話せば、教えてくれるのね!」

 イノセスは、(アキラ)めない。


 「・・・聞くだけ聞いてあげる。」

 ミースは、うざがりながらも、イノセスに少し興味を持つ。

 白聖教の言う異端者、世間で言う犯罪者集団である、このブラック・ワスプに(ツカ)まりながらも、ここまで元気な理由に興味が()いたのだ。



 が、その話しを聞く事は出来なかった。



 「私はね!、ん?、あ!、こんにちは〜!それともこんばんは〜!、かな?」


 イノセスの方の牢屋(ロウヤ)の入り口に"誰か"が入って来た様である。

 

 「?」

 ミースも、突然の来訪者(ライホウシャ)に意識が向く。


 「イノセス様、たいへんお待たせ致しました。

  ここからは、お静かにお願い致します。

  "脱出の準備が整いました"。」

 その"誰か"は、イノセスに、まるで従者(ジュウシャ)のようにそう言った。


 "ガチャン"


 「あ、ごめんなさい、

  ここからは静かにしないとよね、」

 イノセスの牢屋(ロウヤ)の鍵が空いた様な音が響く。


 {は?、様?、これ外に出てない?どうして?}

 ミースは、状況についていけず、頭に疑問符(ギモンフ)がいくつも上がった。


 「ねぇ、もう1人子供がいるみたいなの、一緒に連れていけない?」

 イノセスはカーテン(ミース)も連れて行けないか、誰かに相談した。


 「もう1人の子供、ですか、」


 2人の足音が、ミースの牢屋の前に近づき、彼らは姿を現す。


 「やっと、顔が見えたよ〜、

  君もついて来るでしょ?」


 「!?ッ、黒!、」

 イノセスの隣いる男が、ミースを見て驚く。


 「!?ッ、」{白!}

 ミースがイノセスを見て驚く。



 イノセスの髪色は、"純白"、


 

 つまり、聖女であった。


 

 「綺麗(キレイ)な黒髪ね、私と友達になってくれる?」


 美しいショートボブの白髪を揺らし、天真爛漫(テンシンランマン)な笑顔がよく似合う、ミースと同年代くらいの少女、イノセスは、空気も読まず、そう言う。


 「イノセス様、この異、・・・子供は連れて行けません。」

 中年のやつれた姿をした男性である、"誰か"は、カーテン(ミース)の同伴(ドウハン)を断る。


 「え、そうなの、

  じゃあ仕方ないね。

  ごめんねー、連れて行けないみたい、」

 イノセスは、軽く聞き入れ、ミースに向かい軽く謝罪した。


 「・・・、」

 ミースは、状況分析(ジョウキョウブンセキ)に頭をフル回転させる。


 ミースの分析の結果、

 ・イノセスこそブラック・ワスプに捕まっていた聖女。

 ・"誰か"は白聖教のスパイ。

 ・"誰か"とイノセスは、現在脱出を図っている。

 と言う感じだろう。


 「じゃあね、また会える時を楽しみしているわ。」

 分析し、黙っているミースを肯定と(トラ)え、イノセスは、"誰か"と共にこの場を立ち去る。


 「私も、楽しみにしているわ。」

 ミースは、呼び止めず、彼女を送り出す。

 もし彼女の分析が当たっており、ここで助け出された場合、ミースは黒、異端者として扱われ、厄介な事となるだろう。



 なのでミースは、置いていかれてる状態で問題無いと判断した。



 2人の姿が見えなくなり、足音も遠ざかる。

  

 {しかし、どこもかしこもスパイだらけで嫌になるわね。

  あーやだやだ、これだから人間不信になるやつが後をたたないのよ。}

 ミースは彼らを見送りながら、内心でそう(ナゲ)く。



 「?、」


 そして数分後、1つ足音がミースの牢屋(ロウヤ)へ向かって来る。

 {見回りかしら?

  また、うるさくなるわね。}


 しかし、来たのはイノセスと出ていった筈の“誰か”である。

 「・・・」

 “誰か”はミースを見下しながら、冷徹(レイテツ)な表情で沈黙(チンモク)する。


 「・・・何か?、」


 ミースは、嫌な予感を感じ、そう口を開く。

 

 「人類の為だ、悪く思うな。」

 その言葉と共に、()っぱい独特な腐敗臭(フハイシュウ)のする液体を、ミースのいる牢屋内(ロウヤナイ)にばら撒かれる。


 「え、」

 {(クサ)っ!、これは、・・・油!?}


 「せめて来世は、黒以外の髪色になる事を(イノ)る。」

 “誰か”は、手の平に炎を作る。

 それをどうするかは、目に見えてわかった。


 {ちょ!ちょ!ちょ!ちょぉぉぉぉおお!!}


 ミースは、尋常(ジンジョウ)じゃない程、(アセ)り、立ち上がるが、

 間に合う距離、それを防ぐ手段は無かった。



※備考


ブラック・ワスプの地下牢(チカロウ)について、

 その使用の頻度(ヒンド)は、少ない。

 ・拉致(ラチ)した人間。

 ・失敗した仲間。

 ・裏切り者。

 ・よくわからない人間。

 といった者達に使われます。


また、ミースが捕まっている拠点の現在について、

 ブラック・ワスプと白聖教が地上で大規模の戦闘している為、かなり手薄(テウス)である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ