第八話
「あの、それゾンビですよね?」
「うん、ゾンビだけどいいゾンビみたいだから入れてあげた」
確かに見た目はゾンビだが、襲ってくる様子はない。それにちょっぴりイケメンゾンビだ。私は話しかけてみた。
「そこのゾンビ?」
「うん?」
「なんで襲ってこないの?」
「うゔぁぁぁぁー」
イケメンゾンビは襲う仕草をしてきた。
「何やってるの?てかそれメイク?」
「うっ!うゔぁぁぁぁぁー」
「もういいから」
イケメンゾンビの顔をよく見ると、メイクをしているようだった。
「先生、これメイクですよ」
「君ゾンビじゃなかったの?!」
少し残念そうにする先生。
「本当にゾンビだったら私たち今頃食べられてますよ」
「その時は焼き豚を人質にする、あっ豚質にする」
「一生懸命作ったのに酷いですよ」
「冗談だよ、少し意地悪をしてみたくなってしまった」
私たちがいちゃついているところを遮るようにイケメンゾンビが割って入った。
「ごめんなさい、許してください」
先生と私は何のことか分からなかった。
「君、なんで謝るの?というか、君どっかで見た事あるような」
先生がイケメンゾンビの顔をまじまじと見て言った。
「あっ」