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最終話「会長からの手紙」

――◇――◇――◇――◇――◇――◇―― 


 会長からの手紙。


『前略。火薬の匂いが恋しくて仕方ない。試しにトマホークを10発ほどブッ放してみたら気分がすっきりした。山が一つなくなったが、必要な犠牲だったと割り切ることにしよう。


 さて、ここまでの文言でわかると思うが、私もこっちの世界に来ている。今は戦闘ヘリのハインドや戦艦武蔵、あと戦闘機のF16とかティガー戦車とか乗り回して世界を回っている。


 どうして世界を回っているかというと、色々と確認しなければいけないのだ。一段落ついたら、そちらに合流するつもりだ。そのときは滑走路かヘリポートを用意してくれると助かる。


 まぁ、世間話は置いておいて。本題に移ろうか。

 私がこの世界に来る前に、キミと同じように九人の人間がゲーム中に意識を失っている。いわずも知れた、十人委員会のキミ達だ。つまり、この世界には私を含めた十人の人間がいるというわけだ。


 いいかい。

 まずは他のメンバーを捜せ。


 ジン、ミク、コトリ、ゲンジ。この辺りは楽だろう。他のセイシロウ、アリス、ウスイ、カイジ。こいつらは癖があるから何ともいえない。

 特にアリス。こいつは一筋縄じゃいかないだろう。撃滅する覚悟で望め。


 十人集まらないと始まらないんだ。

 何がって?

 それは私にもわからんよ。


 はっはっは。

 とりあえず、健闘を祈る。肩の力を抜いて頑張ってくれ。

 

 私が溺愛している御影優紀へ 』



――◇――◇――◇――◇――◇――◇―― 



 会長からの手紙2


『前略とか書かないぞ。本題に入る。


 私は今、空路にて日本を目指している。

 ヴィクトリアがヨーロッパのとある都市を題材に作られたことは貴様も知っているな。私は上空から確認することで、この世界が我々と同じような地形をしていることを知った。


 この世界の日本に何か手がかりがあるとは思ってはいない。だが、それでも確認する必要はあるだろう。何かあれば、通信兵を使って連絡しよう。


 いいか?

 知っていると思うが時間がないんだ。


 オンラインゲームである《カナル・グランデ》のサポート終了まで、あと半年を切っている。こっちと向こうの世界が、同じ時間で流れているかはわからない。だが、最悪の事態を想定して我々は動くべきだ。


 サポート終了とともにこの世界が崩壊し、私達も死んでしまう。

 そんなことに成りかねないんだ。


 いや、私はいい。

 だけど、優紀だけは助けなくちゃいけない。


 私の身代わりとなって死んだ優紀の姉、優奈に誓って、あの子だけは何があっても助けるんだ。


 わかったな。

 なるべく急げ。

 だが、焦るなよ。

 優紀に不穏な空気を悟らせるな。

 あの子が今の現状を知ってしまうと、簡単に心が折れてしまうぞ。


 もし、そうなったら私はお前を許さない。

 貴様を魚雷発射管にくくりつけて三百キロの爆薬と共に射出してやるからな。優奈と天皇陛下と八百万の神々に誓って、貴様を八つ裂きにするからな。覚悟しておけ!

 

 私の大嫌いなクソ生意気な後輩、陣ノ内暁人へ』

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