プロローグ「オンラインゲームの中に入ってしまったら、女の子になってしまった件」
挿絵:ユキマル
〜プロローグ〜
「ううっ。どうしてこんなことに…」
ボクは泣きそうになっていた。
華奢になってしまった自分の体を抱きしめながら、途方にくれてしまう。
ふっくらと膨らんだ胸の膨らみ。
丸みを帯びたお尻。
スカートから伸びる白い脚。
長い黒髪が風に揺れて、優雅になびく。
その度に、女の子特有の甘い香りがして、どうしようもなくドキドキする。意識しているせいか、触れている場所の全部が柔らかく感じる。その感触がどうしようもなく恥ずかしい。たぶん、顔は真っ赤になっているに違いない。
「…それに、なんでこんな格好をしているんだよ」
ボクは泣きそうになりながら、自分の姿を見下ろした。
黒のプリーツスカートに、肩が大きく開いた黒のノースリーブ。脚には白と黒の縞々模様のニーソックスをはいている。スカートとニーソックスの間から見える生足、通称・絶対領域がこれ以上にないくらい強調されていた。
「うぅ、恥ずかしい。それに、足元がスースーする」
思わず両足をもじもじさせてしまう。スカートの丈が短いせいで、どうも足元が頼りない。何もしていなくても、折り目のついたスカートがひらひらと揺れ動く。ちょっとした風でも、中が見えてしまいそうだった。
そんなことを考えているところに、少し強めの風が吹く。スカートが舞い上がり、真っ白な太ももが露になる。
「きゃっ!」
女の子みたいな声が出てしまい、スカートの裾を必死に押さえる。
そんな仕草が自然とできてしまったことが、すごく恥ずかしい。
顔を赤くさせながら周りを見てみると、町の住人が心配そうにボクのことを見ていた。
「うぅ…」
ボクはスカートの裾を押さえながら、その場を動けなくなってしまった。
問題はスカートが揺れることではない。
スカートの中が問題だった。
大問題だった。
「…なんで、…下着まで女の子のものなんだよぉ」
自分で言ってて、顔を真っ赤にさせる。胸を締め付ける感覚が少しだけ息苦しく、女の子の下着をつけている現実を押し付けてくる。
「…ど、どうしたらいいの」
ボクはオンラインゲームの世界に入ってしまったら、…女の子になってしまった。
一日に2〜3話くらい、さくさくと更新していきます。
よかったら見てやってください。




