冒頭の呪い
冒頭ですべてが決まります。
たとえば暗い物語を書きたいのに、明るい調子で始めたらダメです。
反対にコメディタッチの物語にしたいのに、死体を転がしたらダメです。
人間同士でも初対面の印象と言うのは中々抜けないものです。
どんなに会話を交わしてその人となりがわかってきても、
無意識的に初対面時の印象でその人を判断してしまいます。
小説なり、シナリオでも一緒です。
初対面が一番大事なんです。
僕はこの初対面の印象を『呪い』と言っています。
ex1)
この街では人が連続で死んでいる。
今日もまた死人が出た。
~
必殺お茶請けマシンガンどどどど
やったぜ、敵を倒した!
もうタカシってばまた変な技使ってる。
でも、そんなところが……ぽっ。
冒頭で重苦しくしたなら、中盤も終盤も重苦しくしてください。
べつに箸休め程度ならいいんです。それにしても工夫が必要ですが。
冒頭で重くし過ぎないほうがいいかもしれないです。
少し前のアニメ『オカルティックナイン』がとても好きです。
あれは連続殺人という陰鬱なストーリーラインを、
ガモタンとりょーたすの掛け合いが打ち消して、
さらに見事な演出が呪いから目をそらしてくれています。
アニメだから使える手管かもしれませんが。
(冒頭の呪いにしても、フラッシュバックなどの緩急ある演出が使われていますね)
追記・
一番ダメな冒頭は何の変哲もない日常から始めること。
たとえば、目覚ましのシーンから始めること。
誰もが知っている、感想が「ふーん、それで」になるシーンを描写してしまうこと。
たとえば、朝の登校はつらいなー、とか。