11話
「無駄口を叩くな。消すぞ。」
「この状況でできるのであればどうぞ。」
(・д・)チッ。
「色が濃くなりましたね。」
「感情に連結してるんだろう。」
運営側にいるのだがからむやみにユーザーを傷つけることはできない。そんなルールがあるのかな。
「悠木の姫じゃない方。ログアウトするんだ。」
ピンポイントで本名をさらしてくる白いピクトさん。
言ったことをそのまま受け取るならAIじゃなくて、生身? ユーザーデータ持っているから名前調べられるし。それかリアルの知り合いか。
僕がいなければ2人まとめて消すことも辞さない、と聞こえるのだが。運営としてそれでいいのか?
やろうと思えば運営特権でどうとでもできると思うのだが。運営にもルールがあるのかな。
「知りあ、うぉ。」
視線を上げると能面のような表情にびびった。
目が合う。
漫画でハイライトがない目を見る。いまの結さんの目はそれだ。
顔文字機能がついていたら、((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル、と出ていたかも。だって、怖いんだもん。
「あっ、ごめんなさい。先輩。」
目を瞑り、ふぅ、と息を吐いている。気持ちを切り替えたのかな。そうであってほしいな。
「誰ですか。もしかしてストーカーですか。社会的に消しますよ。」
攻撃の方にシフトを変えたか。できれば、平和的な交渉してほしかった。
そして君は僕がログアウトしたら白いピクトさんに物理的に消し飛ばされるのはスルーなのか。
えらいひとに喧嘩でも売ったのか。・・・・・・いま売ってた。
「ストーカー予備軍の予備軍にストーカー呼ばわりされた。」
冷たい言葉の精神攻撃。本人の存在も合わさり大ダメージを与えた。
_| ̄|○という顔文字が頭に映し出されている。白いピクトさんの格好がすでにそうなのでわざわざ映写?投影?する必要あったのかな。
依存度が高いから言いたいことはわかるが。ここで同意するとえらいことになりそうだからスルーするのが基本。
「現実時間で明日土曜12時に始まりの町で下水から小動物があふれ出す。それを討伐する。というイベントの最終確認の疲が出ただけですからお気になさらず。」
「いっちゃうんだそれ。」
ピクトさんAIがさらっとぶち込む。プレイヤーにいっては駄目な情報を自然と流す。この状況で参加したら、ダメだな。やめよう。動けなくても罠はったりできるはずだしズルになる。
「なんでそうなんだよ。親の顔が見てみたい。( ノД`)シクシク…。」
嘆く白いピクトさん。親はあなた方の内の誰かですよ。
そして顔文字のせいで本当に嘆いているのかわからない。
「ログアウトしてトイレに行けばいいのでは。それとも鏡だしますか。色違いですから顔上げればすぐですけど。」
親は目の前で項垂れていた。
「そういうのは自宅でやってください。立花の若君。」
こっちはこっちで誰かわかった様子。僕一人置いてけぼりなのだが。
ゲームなのにリアル感がすごい。さすがフルダイブ式ゲーム。リアルを追及している。HAHAHA。
「まさかこんなところで会うとは。いいのですか。機械関係の会社と聞いていたのですがゲーム会社でしたか。運営側がこんなことしてバレますよ。」
ちょいちょい棘があるセリフ。それに、バレますよ。じゃなくて、バラしますに聞こえる。
さっきまでつけていた能面を捨て笑顔に付け替えてた。形勢逆転?したから。勝手知ったる相手。強く出れる相手なのか。わからないが、生き生きしだしたぞ。
強く出れる相手か、いいな。
「この空間は問題あるプレイヤーを隔離するために特別に作った空間だ。たとえ街中であっても周りに影響なくかくりできる。他のプレイヤーにはログアウトしたように見えるから気づくことはない。ネットにも他の優秀なAIがいるから書き込んでもすぐに削除されるから問題ない。」
問題児扱いである。・・・・・・この状況で否定できずらいな。
「まるで私が優秀ではない、のように言わないでください。数値は姉妹一緒ですよ。私の性能に疑問を持つことは他の12体も疑問に持つということですよ。」
「そういうところだよ。なんでそんなふうに育った( `ー´)ノ!」
わざと重要性があるところを強調して怒られるピクトさんAI。
大声を出して訴えるぐらいなら、何故途中で修正しなかった? こうしているのだから手直しできる位置にいるのではないか。
「ベースにしたモデルに言ったらどうですか。家に帰ればいますよ。そもそもおまけだからといって叛逆性を付けたのはあなたですよ。」
「何それ。」
自然と声が出た。話を割りたくて出したわけではない。反逆性ってSF映画であるアレだろう。ゲーム飛び出して本当になったらどうするんだよ。この正確ならあり得るぞ。
家にいるって家族がベースなの。そっか。家族か。なんだろうかの既視感。急に親近感を白いピクトさんから感じる。
自然とピクトさんAIに目が行く。そして、立ち直り、手をはたいて埃と土を払う。シュールだな。
「ロボット映画とで人に変わってという設定のことですかね。大部分が彼女ならその可能性は心配ないと思います。面白くないとか言って実行しませんから。引っ掻き回すのが好きな方なのでもしかしたら中途半端な実行はするかもしれませんが、ひどいことにはならないはずです。」
「詳しいな。」
「付き合いだけは長いですから。さっき言った知り合いです。何度かあのロりとあってますけど覚えていませんか?」
「君ら親友だと思うよ。それとつけたのは反抗な。叛逆意識は、世界規約でつけられないでつけた時点でどんなセキュリティソフトを使って打ても削除される。ネットワークにつながった時点で消されるからな。そこ間違わないように。第一ゲームとしては成り立つが販売前の審査で通らないから。」
専門的なルールが細かく決まっているようだ。そういえば、ロボット映画のような世界にならないようにするためだろう。ロボットの日常での運用というテレビ番組でやっていた気がする。
企業なのだからセキュリティは必須だろうしそこはしっかりとしていた。ただ、反抗はよくて反逆はだめ。意味は似ているが・・・・・・。
ゲームによっては悪役がいるわけだし。必要悪?
悠木さんの親友で人を食ったような性格で何度かあっている仲のよさそうな。・・・・・・いたな1人。
「髪短い子?」
「今、長いですね。もっと身長とか、身長とか、性格の悪さとか、性格の悪さとか、身長とか思い出しやすい要素がありますよ。」
「本当に親友なんですか?」
聞くのは勿論、白いピクトさん。
初めて会った時悠木さんと同い歳でびっくりしたのを覚えている。同年代より二回りぐらい小さい。見ようによってはロリって言えなくはないけど。これからどうなるかわからないしな。
「事故後からだから。」
声のトーンを落としているがばっちりと聞こえた。
悠木さんで事故なら僕のやつだ。
「1年と半ぐらい。ん~、❔、夏過ぎてないからそれよりも少し短かい。❕。1年あるかどうか、かな。吹っ切れてからだな、あれとかみ合ったのは。おとなしいこだったのにな...( = =) トオイメ。」
白いピクトさん改め立花ピクトさんの頭の上にははてなマークが周回し、ひらめいたという様に消えて他のマーク。そこまで考えています、と主張しなくてもいいのだが。そして、最後のは必要がない。
「ごめんなさい。」
「先輩のせいじゃありません。」
「何故、君が謝る❔」
このやり取りで僕が事故の当事者だと気づきそうな気もするが。
ピクトさんAIをみて立花ピクトさんを見る。疲れているんだな。
「それより、こんなところで油売ってないで、土曜12時より下水道から小動物や虫があふれ出してくる初期装備でも十分に倒せる公式初イベントの準備したらどうですか。殺虫剤や除菌液がある薬の確認や森エリアにある薬草各種の確認、その後も病気だなんだかんだと公式イベントまでにするかどうかの調整とか、」
「お(ノ・ω・)ノオオオォォォ-い。」
「(∀`*ゞ)テヘッ。」
さらにぶち込んでくる。顔文字がうざいピクトさんAI。
すごい勢いで詰め寄られるが。どこ吹く風。私関係ないの空気をいている。しかもさっきより詳しい。
そっか、二段階イベントになるかもしれないのか。
「モンスター討伐を主とする冒険プレイヤーと生産を主とするプレイヤーを分けて考えてのことでしょうか。職業が決まっている人以外は、先輩のようにない方もいます。で出しの分岐点のような位置づけでしょうか。どう思いますか先輩。」
「やめてあげなよ。そういうの。」
多分、こういうの何十時間もかけて準備していると思う。それをちょっとした合間に暴露されるなんて・・・・・・。いままでの苦労は一体。
立花ピクトさんがまた_| ̄|○している。