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第四話「ひで vs 葛城」
戦闘が開始して約1分。
膠着状態が続いていた。
いや、正確にいえば両者手を出し合っているが、
ダメージを与えられていない。
超高速にて接近、攻撃、離脱を繰り返す葛城。
完璧なヒット&アウェイ。
故にひでの攻撃は全て空を切っている。
が、葛城の攻撃もひでの圧倒的防御力を突破できずにいた。
仮に、ひで以外のここにいるパーティー員であったら即殺されていたかもしれない。
決して、葛城の火力が低いわけではない。
そうした攻防が数百を超えた時、突如均衡が崩れた。
「あぁ・・・?」
状況が掴めていない葛城は困惑した声を上げた。
葛城は鼻血をふき出していた。
「おじさんやめちくり~」
ひでは裏拳を打ち終わった後のような構えを取っていた。
"反射ひで"
圧倒的防御力を頼りに相打ちをとりに行くいたって単純な戦法だが、
確実に葛城へダメージを負わせることに成功していた。
しかし、これを引き金に葛城は激昂した。
「誰が反撃していいっつったおいオラァァァ!!」
叫び声をあげた後、ひでの前から葛城が突如消えた。
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