第一話「決戦前夜」
初投稿です。
是非、いい小説、期待してますんで。
――――――これから死ぬかもしれない。
そう思いながら一歩一歩階段を踏みしめる。
現在、神の城の最上部。
度重なる罠をくぐり抜け、14万3000の敵を打ち倒して来た。
事前に入手した神の城の地図によれば、この階段を抜ければ神の幹部の宿泊室。
その先は第一の四天王の部屋だ。
・・・・宿泊室に罠があるかもしれない。気をつけていこう。
と、思っていた矢先、我々のリーダー【カーリー】が無防備に
宿泊室のドアをあけた。
「おおー、ええやん。ベッドついてんねや」
私はきっと目が点になっていただろう。
これまで散々即死級の罠を見てきたというのにこの無用心さ。
あきれて物が言えない。
さらにカーリーは何の警戒もなくベッドへ腰掛ける始末。
「カーリーさんッ!?ちょっと、まずいですよ!!」
焦って静止に入ったが特に意味はないだろう。
道中の罠を鑑みるに罠があったとしたらもう手遅れだ。
意味がないと思いつつも、その後もくどくどとここで休むことの危険性を伝えつづけた。
「はぁ~、 あ ほ く さ 」
「アホとはなんですか。カーリーさんは勇者でリーダーなんですよ。
神の城の宿泊室で休むなんて正気ですか!?」
「とかなんとか遠乃がほざいとるで。トール、神の城の宿泊室で休むのはなんかまずいんか?」
私の話をことごとく却下し、突っ立っている筋肉質の男、【ホリ・トール】に声をかけた。
「え、そんなん関係ないでしょ」
豪胆過ぎぃ!!
え?本当に?何考えてんのこの人たち。
しかし、私たちは5人パーティーだ。
残りの2人が私と同意見なら民主主義で私の勝ち!
やーい!カーリーさんのバーカバーカ!
「ヤ・ジウ先輩もそうおm」
「ぬああああああああああんつかれたあああああんもおおおおおおん」
ヤ・ジウと呼ばれた小柄な女性は女性らしくない声を上げながら、
ベッドへ倒れこんだ。
この時点で私の民主主義は敗北を決したようだ。
「あ、ジウ姉さんずるにょ。ぼくもしゅる~」
若干鬱陶しい語尾の小柄な男の子もヤ・ジウの真似をしながら、
ベッドへ倒れこむ。
うちのパーティーのメイン盾、【ひで】だ。
まぁ、それはおいて置いて、私以外は休むつもりのようだ。
え、なんで?私の主張間違ってないよね?
ほっぺたを膨らましながら不服を主張してみるとする。
「まぁまぁ、この先は四天王の部屋やろ?」
「そうですね。プクー」
「ここで休まんかったらもう休憩ポイントはないんやで?分かる?この瞬間の重さ」
確かにカーリーの言うことは一理ある。
神の城の攻略で皆なんだかんだ消耗しているのだ。
そして、この先に回復できるようなポイントがあるとは思えない。
だがしかし、私たちにはあまり時間がない。
残り24時間以内に神を倒さなければ、私たち(正確には勇者カーリー)を派遣した
王様が神の呪いで絶命するとかそんな感じだ。(んにゃぴなので適当)
「う~ぅ、もう!!」
不服を口にしながら私は休憩をとることにした。
方針が決定したなら従うのがパーティー員の勤めだ。
「お、ええやん。遠乃。見張りを一人、外につけとくから安心しとき」
カーリーはそう言うとトールにアゴで合図をした。
トールはコクリとうなずき、外へ向かった。
その時にベッドに転がるひでの首根っこをつかみ、外へ放り投げた。
そして、バタンとドアをしめた。
「助けて、入れて!ねぇ寒い入れてよ!入れて……あ^~」
トールは鍵までかけたあと、カーテンをしめた。
カーテンを閉めた瞬間ひでの声が全く聞こえなくなった。
え?もしかして:即死
「ちょ、ひ、ひで!!大丈夫ですか!?」
カーテンをあけると意外にもキリッとした顔で見張りをこなすひでがいた。
なんとも、頼もしくなったものだ。
「ほんじゃまぁ、2時間くらい寝たら作戦会議や。分かったらさっさと寝えや」
作戦会議に備えて、私も眠りに落ちた。
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