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戦艦薩摩  作者: 呉提督
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レイテ最終決戦 2

皆さま、お待たせしました!

残りは現代2〜3話、昭和1話です。

1944年 10月18日 11:48 レイテ沖



遂に日本海軍連合艦隊はレイテ湾の入り口に

迫った。

しかし、そこで待ち構えていたのは…



「長官!米戦艦です!レイテ沖の入り口を

横一列になってふさいでいます!」


アメリカの最新鋭戦艦群。

『アイオワ』『ニュージャージー』『ミズーリ』

『ウィスコンシン』『ノースカロライナ』『ワシントン』

『サウスタコダ』『マサチューセッツ』『インディアナ』

『アラバマ』の10隻。

その10隻を守るのは60隻以上の駆逐艦と20隻の

巡洋艦、18隻の護衛空母。


「これを撃破しなければ日本に勝利はない!

総員、覚悟を決め、突撃せよ!!」


ここに、連合艦隊と米軍の最終決戦が勃発した。


『薩摩』の主砲が『アラバマ』を

海の藻屑に変える。そのお返しとばかりに

『サウスタコダ』『インディアナ』が

反撃するが、『薩摩』はなくなくこの攻撃を

弾き返した。

22kmでの砲戦は『薩摩』が一番得意とするところだ。


『大和』『武蔵』も砲撃を開始する。

狙いはノースカロライナ級の2隻だ。

『大和』にヴァイタルパートを貫通された

『ノースカロライナ』は艦の中央から

真っ赤な炎を吐き出し、海中に消えていく。


『鈴谷』『熊野』『伊吹』『鞍馬』などの

巡洋艦は米巡洋艦群に伝家の宝刀である

酸素魚雷を発射した。

酸素魚雷は海中から米軍に忍び寄り、

駆逐艦を一撃で粉砕した。


護衛空母は航空機を発進させている。

米軍の主力F6Fヘルキャットより一世代古い

F4Fワイルドキャットだ。

一隻20機しか積めないような護衛空母だが、

18隻も集まればかなりの航空兵力になる。


「敵襲!敵襲!」


「構わん!それよりも戦艦を沈めることに集中せよ!」


豊田の激が飛ぶ。

海原は黙って敵戦艦を見つめる。

『薩摩』より遥かに小さい。

『薩摩』と比べればアメリカの戦艦など

玩具にも等しい。


重巡同士の本格的な砲撃戦も開始された。

レーダーを持つアメリカと

魚雷、火力で勝る日本。

戦力は互角に見えたが、

アメリカ側にはひとつ、誤算があった。


『金剛』、『榛名』の2隻が米重巡部隊の

攻撃に加わったのだ。

長門型や大和型と比較すれば確かに劣る2隻だが、

それでも35.6cm砲8門を保持する立派な戦艦である。


旧式である分、兵隊は熟練者ばかりであり、

米重巡に正確な砲撃をお見舞いした。


日米最新鋭戦艦の戦いも最高潮に達した。

『薩摩』は実に40発以上の41cm砲を浴びたが、

それでもなお、速度は衰えず、その主砲は

米戦艦を脅かした。


「長官!『ニュージャージー』が沈みます!」


戦艦『ニュージャージー』には『薩摩』の51cm砲が

直撃し、わずか一撃で轟沈した。

ほんの一瞬の出来事である。


「天は我らに味方した!全艦、レイテ湾に突き進め!」



『ノースカロライナ』『アラバマ』『ウィスコンシン』

『インディアナ』は既に波間に消え、

『マサチューセッツ』『サウスタコダ』は

『大和』『武蔵』にめった撃ちにされ、

戦艦としての能力を完全に喪失している。


交戦開始からおよそ1時間半。

『アイオワ』が『薩摩』に一番、二番砲塔を

吹き飛ばされ、米軍は総崩れになった。


日本の駆逐艦も半分以上が撃沈破している。

それでもその損害は米軍の受けた損害の

1/3にも満たなかった。


米軍の残存艦は撤退を開始。

レイテ湾内に取り残された護衛空母部隊と

F4Fは最後まで抵抗を続けたが、

日本の巡洋艦『愛宕』と『筑摩』を撃沈するに

とどまり、日本海軍の進撃をとめることは

できなかった。


護衛空母は12隻が沈没。

6隻は日本軍に降伏した。


その後、米上陸部隊を載せていた輸送船団も

白旗を掲げた。

日本航空隊の特攻まがいの攻撃で物資の荷揚げが

遅延していたため、船内にはまだ大量の武器弾薬が

残っていた。

こうなると、鼻息の荒いマッカーサーも

どうしようもなかった。


ハルゼーの空母艦隊は日本空母『赤城』『飛龍』を

沈没に追い込んだものの、

台湾基地航空隊の攻撃で正規空母1隻を

新たに撃破され、使用可能正規空母は4隻に

なってしまい、撤退。


ハルゼーは旗艦の艦橋で最後まで


「Kill ジャップ!!」


を叫び続けていたと言う。





こうして日本はフィリピンをめぐる一連の戦い、

フィリピン沖海戦に勝利した。

1944年10月20日のことだった。

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