壊滅
米軍好きはご注意ください。
批判覚悟です。
あと昭和3話、現代2話で終了予定です。
20XX年 1月17日 09:00
米軍の勝利に全世界が沸き立った。
ついに人類は異世界の力を撃ち破ったのである。
誰もがそう思っていた。
「強烈な磁場の乱れを探知!」
「場所は!?」
「ここ・・・艦隊のど真ん中です!!」
そのわずか1分後、
巨大なパゴダ艦橋に3基の51cm砲、
『大和』に酷似しつつもそれより遥かに大きい船体。
『薩摩』だった。
退避することも、攻撃することもできなかった。
『薩摩』はわずか2000m先の米空母『カールヴィンソン』に
主砲を向ける。
『合衆国は"世界の警察"とはほど遠い。
よって制裁する。』
それが『薩摩』の唯一の言葉だった。
『薩摩』は『カールヴィンソン』に全主砲を発射。
全弾が命中する。
「長官!『カールヴィンソン』が!!」
10万トンの米空母も
51cm砲の直撃には無力に等しかった。
艦全体から黒煙を吹き出し、
海中に消えていく。
「悪魔だ・・・
なぜ、なぜこんなことに・・・」
『薩摩』の主砲はゆっくりと旋回し、
その照準を『ロナルド・レーガン』へと向ける。
「お前たち、早く船を離れよ!急げ!」
だが、『薩摩』の主砲は無慈悲にも
『ロナルド・レーガン』を貫いた。
『ロナルド・レーガン』もまた、6000の命と
共に深海へと引きずりこまれていったのである。
旗艦となる空母を失い、第7艦隊は
ちりじりになって逃げ出した。
その上空に無数の航空機が出現する。
再出現した連合艦隊空母『信濃』『翔鶴』『瑞鶴』から
発進した航空機だった。
当然機体は海水で、レーダーに反応しない。
烈風、流星、彗星からなる
日本軍航空隊、その数500。
いかに鉄壁の防空能力を誇るイージス艦で
あっても、レーダーが使えないとどうすることもできない。
わずか20分で戦闘は終わった。
米第7艦隊は文字通り全滅。
連合艦隊は尖閣方面へと去っていった。
現場海域にはただ
硝煙の臭いと、虚しく生存者を探す
海自艦隊だけが残った。




