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戦艦薩摩  作者: 呉提督
55/65

秩序 1

明けましておめでとうございます。

今年も当作品をよろしくお願いいたします。

20XX年 1月16日 10:00



連合艦隊の全核兵器消滅宣言から5日。

世界中から核兵器が次々と消滅していた。

原因は一切不明。

原子力潜水艦や原子力空母、原子力発電所などは

消滅を免れたが、核弾頭はどんどん消えている。

アメリカの調査によれば、あと3日で

人類は全核兵器を失うという。


当然、その反動は恐ろしいものだった。


まず、北朝鮮で内戦が勃発。

さらに一部の北朝鮮軍が韓国に侵攻し、

朝鮮半島は混乱と憎しみに支配された。


中国国内でも陸軍と海軍、軍閥による闘争が

起こり、多くの死傷者がでていた。

核兵器によって威厳を保ってきた国のほとんどが

崩壊に向かっているのである。


インドは核兵器保有国だが、核兵器に

頼っているわけではないので

特に変化はなく、軍関係者が対応に苦慮している

程度だ。



中東、ヨーロッパ方面も地獄と化していた。

イスラエル付近でも紛争が多発。

シリアでは、過激派が息を吹き返し、

ウクライナにはロシア軍がなだれ込んだ。

さらにロシアはヨーロッパにも軍を進め、

EU諸国と一触即発の状態だ。


経済協力によってある程度良好だったロシアとEUの

関係がいかに脆かったかを全世界が

知った。


日本政府は、

北朝鮮、中国の動向に注意しつつ、世界各国への

経済支援を約束していたが、

総理大臣の竹本のイライラは頂点に達していた。



「連合艦隊はなにがしたいのだ!

世界平和のために核兵器を消しているつもり

なのだろうが、その強引なやり方の結末がこれだ!

だから我が国は核兵器は段階を踏んで減らすべきだと

主張してきたのだ!!」



周囲の大臣や政府高官たちも同じ気持ちだった。

全核兵器撤廃条約を棄権し、段階的に核兵器を

削減するやり方が正しかったのだと改めて認識した。

もっとも、それはもはや手遅れだったが。



「総理!大統領からです!

明日08:00より、米太平洋軍全兵力をもって

連合艦隊を攻撃するとのことです!!」


総理は力なく頷いた。

世界情勢を見ても、連合艦隊が掲げる平和とは

ほど遠い。

賛成とまではいかなくても承認するには十分な理由が

揃っていた。




「なぜだ・・・・

なぜこの世界に、こちらのやり方に干渉するのだ!」


彼らがどのような考えでどこから来たのかはわからない。

ただ、彼らが異世界から来たのは明らかで、

こちらの事情を無視して勝手なことをするのは、

竹本には許せなかった。

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