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戦艦薩摩  作者: 呉提督
52/65

宣言

20XX年 1月11日 18:00



緊急対策本部に少しずつ情報が入り、

詳細が判明した。

まず、連合艦隊の放った主砲とそれに伴い発生した

オーロラについて、専門家の意見がまとまったそうだ。


「連合艦隊の放った主砲は、

空気中の電子を超高速で振動させ、その結果空気中の

電子がプラズマ化し、荷電子粒子と電磁場による

相互作用によって超高電圧の防御壁が発生、

それによってミサイルの弾道「まてまて!

わかるように説明しろ!」


たまらず竹本が制止する。

文系の彼には専門家の意見書を読み上げる

事務官がなにを言っているのかまったく

わからなかった。



「つまり、連合艦隊は空気中の電子をバリアに

変化させてミサイルを粉砕したわけか?」



「概ねそのとおりです。」



「そんなこと、できるわけがない・・・・」



理系出身の官房長は話を聞いて

驚嘆していた。

それは人類の科学を遥かに上回る力だった。




「機動部隊に向かったミサイルも同様の原理で

撃墜されたようです。」



もはやなにがなんだかわからない。

今この地球上にこの不可解な出来事を

理解している人がいるだろうか、いや、いるわけがない。


70年前に沈んだ戦艦が超巨大戦艦と共に現れた

ことだけでも物理法則を無視しているのに、

その戦艦が人類の遥か先を行く科学で弾道ミサイルを

撃墜したのだ。




そんな中、熊本地震の情報も入ってきた。

この地震はプレートのずれによるもので、連合艦隊とは

まったく関係ないらしい。

震源地に住む人々は北朝鮮のミサイルから避難していたため、震度6強の大地震にも関わらず、人的被害は皆無だった。


「そうか・・・・

やつらが助けてくれたのか。」



竹本はずっとつっかえていた。

なぜ連合艦隊は機動部隊を別の地点に後から

出現させたのか。

それも北朝鮮や中国に程遠い熊本沖に。


理由はひとつ。

連合艦隊が出現し、中国軍を血祭りにあげて北朝鮮を

不安にさせれば北朝鮮はミサイルを撃ってくる。

そうすれば熊本の人は避難せざるを得ない。


彼らは、連合艦隊はわかっていたのだ。

熊本で大地震が起きること、それによって多くの

命が失われることを。


「彼らの目的はなんなのだ・・・・?」



総理だけでなく、その周囲も沈黙する。

その沈黙を破る報告がまた飛び込んでくる。




「総理!連合艦隊から全世界に声明が出されました!


『我々ハ人類ハ核ヲ扱ウ二値セズトノ結論ヲ得リ。

コレヨリ全核兵器ヲ一週間以内二強制消滅セントス。』


です!」



それは、人類への死刑宣告だった。


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