発射
20XX年 1月10日 17:00
北朝鮮は1日後の11日17:00に連合艦隊に対して
特殊弾頭ミサイルで攻撃すると宣言した。
竹本はただちに熊本県全域と長崎県、鹿児島県の
一部に避難指示を出し、連合艦隊機動部隊の半径200kmから
退避するように伝えた。
特別対策本部は混乱を極めた。
「北朝鮮はなぜこんなことを!?」
「頼みの中国があれだけの科学力を見せつけられて
壊滅したんだ!連合艦隊を恐れるのも当然だろう!」
「自衛隊はどうする!?迎撃させるのか!?」
「失敗した時の被害が大きすぎる!」
「なんのために血税を投入して自衛隊を
作ったのか!?このような事態に対処するためではないのか!!」
怒号飛び交う対策本部。
それを一喝したのは竹本だった。
「防衛大臣!海上自衛隊呉基地のミサイル護衛艦2隻を
緊急出港!関門海峡を通過して九州北西部に展開させろ!」
「は!」
「外務大臣、在日米軍ならびに米領事館との
連携を強化!どんなささいな情報もこちらに報告しろ!」
もはや一刻の猶予もない。
日本政府全体が事態の終息に向けて全力を尽くしていた。
・・・・
20XX年 1月11日 16:00
北朝鮮のミサイル発射予告まであと1時間。
なんとか熊本県民ほぼ全員を県外に退去させることに
成功した。
自衛隊の護衛艦も配置され、対策本部では総理を始め
全関係者が固唾を飲んで見守っている。
日本政府に対する各国の反応は
幾分マシになった。
フィリピンやシンガポール、インドネシアやトルコ、
バングラディッシュなどの親日国は
『日本政府の懸命な対応は評価できる』との
声明を発表。
だが、アメリカやロシアなどの大国は
表向きは『日本政府の対応を尊重する』と
しながらも、
得体のしれない連合艦隊を信用しておらず、
攻撃の機会をうかがっている状況だ。
実際、米第7艦隊は横須賀を出港し、沖縄近海に
展開していた。
そして17:00。
ついにその時が来た。
「防衛省より報告!
本日17:00、平壌近郊より飛行物体5発の発射を
確認!」
世界は歩きだした。
それが希望に向けてなのか、絶望に向けてなのか、
それは誰にもわからなかった。




