戦艦大和 3
20XX年 12月23日 首相官邸
中国軍の連合艦隊への攻撃まであと3時間。
日本政府は世界各国政府への対応、情報収集などに
追われていた。
「首相!アメリカのロバート大統領より
ホットラインが来ております。」
「すぐに繋げ!」
竹本は緊急対策本部を後にして首相室へ向かった。
・・・・
「Hello.Mr.竹本。大変そうだね。」
アメリカ大統領ロバートが優しく口を開いた。
「ご無沙汰しております大統領。今日はなんのご用件
でしょうか?」
「無論。東シナ海に現れたの『Imperial Japanese Navy』を
名乗るbattleshipsのことだよ。」
「大統領、あの船は我が国の船ではなく・・・・。」
「そんなことはわかっているさ。日本のことは
我々が一番よくわかっている。」
日本政府の機密などお見通しだ言わんばかりの口調である。
「それで先程横須賀にいる第7艦隊に出撃命令を下した。
中国軍と連合艦隊の戦闘が終わり次第攻撃を命じる
つもりだ。日本の船じゃないなら沈めてもよかろう?」
「それは・・・・。」
個人的にはNOだった。だが政治家として、日本の代表
としてYESを言う以外の道はない。
「そうか。日本政府の懸命な判断に感謝する。
それで集団的自衛権に基づき自衛隊にも第7艦隊の
偵察と護衛をしてもらいたいのだが?」
「わかりました・・・・。」
最悪の展開だった。アメリカはこれを狙っていたのだ。
竹本は通話の後、猛烈な吐き気と頭痛に教われた。
・・・・
『全世界へ告ぐ。
我々は大日本帝国海軍連合艦隊。本艦は旗艦『薩摩』
我々は世界をあるべき姿へ導くために来た。
これから我々は人類に3つの要求をする。
1、海洋隣国平和条約を国連で決議すること。
2、各国政府より独立した国連軍をつくること。
3、全核兵器の廃絶。
この要求がのまれない場合、我々は目的を遂行するためにいかなる手段でもとる用意がある。
以上。人類の賢明な判断を祈る。
連合艦隊旗艦『薩摩』 』
この文章が全世界同時に発信されたのは中国軍の攻撃の
1時間前だった。




