戦闘 2
1942年 1月25日 09:00 フィリピン沖
「艦長、ハープーンの発射許可をください。」
あくまで冷静に状況を分析し、艦長に伝える
海原。
しかし、艦長はなかなかOKを出さない。
「ミサイルを落とすだけならまだいい。
だが、ハープーンを撃つとなると多数の
人間が死ぬことになる。
自衛隊は今まで1度も敵兵を殺さなかった
のだぞ。」
「それはわかっています。ですが・・・・。」
そんなやりとりの中、『ジョンストン』から
再び5発のトマホークが接近した。
「対空戦闘用意!」
「ECM起動!」
ECMとは電波妨害装置である。
ミサイルにも効果があり、敵ミサイルのレーダーを狂わすことができる。
しかし、
「ダメです!まるで効きません!」
「くそ、熱源探知か!」
ミサイルにはレーダー追尾と熱源追尾の
二種類があり、今回の場合は後者のようだ。
「SM2発射!」
『やはぎ』の前部VLSから5発のSM2が
轟音と共に飛び出す。
敵のミサイル4発にそれぞれ命中し、大爆発する。
「4基撃墜!」
「127mm砲、準備しろ!」
『やはぎ』の艦首についた127mm砲が
ミサイルに発砲した。
1回目は外したが、2回目の射撃は確実に
ミサイルを捉え、破壊した。
「やりました!撃墜です!」
「次がくるぞ!気を抜くな!」
CICが次のミサイルに向けて慌ただしく
準備する間に海原にハープーンの発射
許可が下りた。




