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戦艦薩摩  作者: 呉提督
23/65

想定外の事態

1942年 1月22日 ブルネイ


八谷第一護衛艦隊司令の前に座った

帝国海軍のブルネイ司令は辛辣な表情だ。


「先程連合艦隊司令部から入電がありました。

『空母『加賀』が撃沈された』と。」


八谷や天草は既に海原から聞いていたため、

別に驚きはしなかった。

ただ、情報が事実であったことを確認した。


「で、その時の話なんですが・・・・」


彼は八谷と天草、そして空井に話始めた。



・・・・


1月中旬。機動部隊に新たな命令が下された。

フィリピンのコレヒドール要塞に籠る

マッカーサーを震え上がらせることだった。


開戦からものすごい勢いで連合軍の基地を

制圧していった帝国陸軍だったが、

唯一フィリピンのコレヒドール要塞だけは

陥落させることができず、海軍の機動部隊に

援護を申し込んできた。


海軍は機動部隊でオーストラリアを攻撃する

予定があったので、そのついでとして

フィリピンの攻撃に入った。

参加したのは空母『赤城』、『加賀』、『蒼龍』、『飛龍』の

4隻である。



そんな中、フィリピン近海を航行中、『加賀』に

超高速の飛行物体が直撃し、燃料タンクを

誘爆。わずか10分ほどで轟沈したらしい。


・・・・


海上自衛隊の3人は顔を見合わせた。

最悪の事態が頭をよぎる。


「それで、その飛行物体を放った敵の正体を突き止めていただけませんか?

燃料はこちらでいくらでも用意しますので・・・・。」


ブルネイ司令は泣きそうな顔でお願いしてくる。

ただ、八谷は


「とりあえず、こちらで協議します。」


とあくまで慎重な姿勢を貫いた。



・・・・

同年 同日 『しょうかく』会議室


『やはぎ』『あがの』『さかわ』『のしろ』

『しょうかく』の各艦長と八谷の6人が会議室で

暗い表情を見せている。


「中国海軍の軍艦の仕業としか思えません。」


天草は冷静に分析した。


「それならまだましだが、問題はアメリカ軍艦

だった場合だ。」


今の時代では日本とアメリカは戦争状態とは

言え、八谷たちの現代ではアメリカは最大の

同盟国なのだ。海上自衛隊もアメリカの

伝統を受け継いでいることが多い。



会議室の重たい空気は消えそうになかった。

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