薩摩VS人民開放軍 4
201X年 12月12日 07:30 魚釣島近海
5機一組で『薩摩』に30kmまで迫った中国空軍は、手始めに対艦ミサイル5発を発射した。
「中国空軍ミサイル発射!!『薩摩』に
真っ直ぐ向かっています!着弾まで10秒!」
『こんごう』CICの面々は固唾を飲んで
様子を見守る。
どんなに強力な装甲があろうと、ミサイルが
多数命中すれば、上部構造物が破壊され、
戦闘不能になるときが来るのは明らかだった。
だが、
「『薩摩』から強い電磁パルスが放たれました!
電子機器オールダウン!」
突如、『薩摩』から半径30kmに測定器が
一瞬で破壊されるほど強力な電磁パルスが
展開された。
現代の兵器はすべてレーダーやレーザーによって
目標をロックし、飛んでいく。
だが、今回『薩摩』から出された電磁パルスは
レーダーを狂わすなんてちゃちなものではなく、
周辺の全電子機器を破壊するほどの出力
だった。
「中国軍機、墜落します!」
『薩摩』の電磁パルスは中国軍機の飛行にも
影響を与えた。
現代の戦闘機はエンジンを回すことで発電し、その電気で飛行を制御している。
その発電機が磁場で狂って壊れたため、
中国軍機は飛ぶことができなくなり、
10機すべてが海面に突っ込んだ。
「パイロットの救助を急げ!!」
『こんごう』艦長は青ざめた顔で部下に命じた。




