思考
感想おまちしています。
1941年 12月24日 11:00
恐ろしい顔で米内を睨み付ける海原参謀。
その表情からは並みならぬ覚悟がみてとれた。
「だが、そんな横暴を認めるわけにはいかん!」
それでも米内は頑として首を縦に振らない。
海原がさらに反論しようとしたその時だった。
「そんな説得ではいつまでも閣下を納得
させられんよ。」
海原にとって最高の援軍がきた。
連合艦隊参謀長の宇垣纏だった。
「宇垣中将、なぜここに?」
「閣下を説得するためです。
米内閣下、今回の戦艦建造は山本長官も了承して
おります。」
米内はひっくり返りそうになった。
あれだけ、戦艦無用、航空主義を唱えていた
山本がどうして。
「こうなった以上は閣下にも運命を共にして
もらいます。」
宇垣はすべてを話した。
海上自衛隊と名乗る未来から来た日本人。
彼らから聞いた屈辱の歴史のすべてをだ。
「山本長官はその話を聞いて考えを変えられました。」
山本のことは海軍省時代からよく知っている。
確かに柔軟な思考の持ち主で自分の考えに
固執する男ではない。
だが、やはり信じられない。
「ならば、これをみていただくしかありませんね。」
宇垣が出した山本名義の書類を見て米内は
うなだれるしかなかった。
・・・・
同刻『やはぎ』CIC
「砲雷長、水上レーダーに感あり!
反応2!内1隻は大型艦です!! 」
「艦長に報告!戦闘準備!」
戦闘準備とは、戦闘用意よりも1段階低い命令、
いわば、いつでも飛び出せるようにしろということである。
「艦橋より報告!戦闘体制解除!
友軍艦です!」
メインモニターに出されたその艦の姿をみとめて
海原は目を疑った。




