狂いだす歴史
1941年 12月17日 17:00 柱島 戦艦大和艦内
「話は以上です。」
「バカな・・・・。神国日本が米英などに破れるのか!?」
黒島、宇垣、両参謀から
信じられんという声が上がる。
『やはぎ』幹部の話は連合艦隊司令部の面々を驚愕させた。
「そうですか。私の航空主義はのちの日本に戦闘機不足を生み出し、日本を敗北に導くのですか・・・・。」
山本長官だけは冷静に八谷を見つめた。
「そして日本はアメリカの同盟国となり、平和な世の中になりました。」
「わかりました。貴重な情報をありがとうございます。
燃料と食料の補給は必ず手配します。」
「感謝します。」
八谷以下『やはぎ』幹部は山本長官に一礼して大和を後にした。
・・・・
「今の話、君はどう思う?」
山本は近くにいた参謀に尋ねた。
「信用に値すると思います。
海上護衛の欠如。講和を急ぎすぎた結果、戦線が伸びすぎて
ミッドウェーで敗北。どれも危惧されていたことです。」
「ではいかがする?」
「彼らの話では、戦後アメリカとソ連は対立するそうです。
ならばそれを利用しましょう。アメリカに自分達を売り込むの
です。」
「何!?アメリカに売り込むだと!?貴様、ふざけるな!!」
純粋な帝国軍人である宇垣が声を荒らげた。
「いえ、日本が存続するにはそれしかありません。
それには彼らの協力も必要でしょう。
しかし、それだけでは足りません。
アメリカに価値ありと思わせるだけの力が必要です。」
その参謀___海原中佐は言った。
「この大和の2倍の戦艦です。 」




