山本五十六
1941年 12月17日 14:00 柱島
1隻の内火艇が『やはぎ』に接近してくる。
「連合艦隊司令部です!お迎えにあがりました!」
「ご苦労。第一護衛艦隊司令の八谷少将だ。出迎え感謝する。」
海原は艦長達と共に内火艇に乗り込み、『やはぎ』をあとに
した。
・・・・
目の前に迫る戦艦に海原は息を呑んだ。
「これが・・・・本物の戦艦大和・・・・!」
全長263m,満載排水量7万トンを超える巨艦。
そして、海原をはじめとする全軍艦オタクの憧れの船。
「こちらです。」
大和の美しい船体に海原は見とれてしまい、大和に乗ってからも
その主砲から目をそらすことができなかった。
・・・・
応接室に案内されてから20分。帝国海軍軍艦初のクーラーは
『やはぎ』ほどではないが、快適だった。
「お待たせした。連合艦隊司令長官山本五十六だ。」
部下を従えて入ってきた男、山本五十六。
若い頃には巡洋艦『日進』に乗って日本海海戦を戦い、名誉の負傷をおった。
その後アメリカに留学し、アメリカの国力を知り、最後まで開戦に反対した。
しかし、その戦艦無用主義はのちに日本海軍を戦闘機不足に陥れ、敗北の間接的要因をつくったとも言われている。
「まあ、おかけください。」
引き締まった体。ピンと伸びた背筋は実年齢よりもずっと若く見えた。
「で、ご用件は?」
「単刀直入に言います。私たちは未来から来ました。」
『ハハハハ!』
盛大に笑ったのは彼が連れてきた幕僚だ。
目付きの鋭い参謀長 宇垣纏
変人と呼ばれる先任参謀 黒島亀人
しかし、山本長官は笑わず、じっと八谷を見つめる。
「その証拠を見せていただきたい。」
「わかりました。」
歴史の歯車は静かに回り始めた。
前回レビューの方に指摘をくださった方、まことにありがとうございます。
うれしい限りです。
第一陣、第二陣とはミサイルのことです。
一回目の発射を第一陣、二回目の発射を第二陣、と書きました。
分かりにくくてすみません。
『薩摩』の砲撃距離については、『薩摩』についているカラクリのせいだと申しておきます。
それについてはこれから本編で詳しくやるのでお待ちください。
最後に、レビューだと返信ができないので、指摘は感想欄に
していただけると幸いです。




