柱島入港
遅れました。ごめんなさい。
1941年 12月17日 12:00 瀬戸内海
「タグボートより信号!『貴艦ノ所属ヲ上告シ、停船セヨ』です!」
どこまでも蒼い海が広がる瀬戸内海。そこに浮かぶ柱島の沖合を
赤い軍艦旗をなびかせ、4隻のイージス艦がきれいなウエーキを描く。4隻にはタグボートはおもちゃに見える。
「返信。『コチラ海上自衛隊第一護衛艦隊。我ラニ敵対ノ意思ハナイ。連合艦隊司令長官山本五十六トノ面会ヲモトム』だ。」
・・・・
艦長会議にて、意見はまっぷたつに割れた。
連合艦隊と共に戦うべき、という強行派と
連合艦隊には情報のみを提供し、補給をもらってどこかに隠れ、
戦わない、という常識派である。
「連合艦隊には情報のみを公開するべきだ。共に戦えば歴史が歪んで現代に帰れなくなる!」
と主張する常識派に対し、
「情報を公開しても歴史は歪む!ならば連合艦隊と共に早期講和を目指し、ひとりでも犠牲を減らすべきだ!」
と強行派も反論する。
議論をおさめたのは群司令の鶴の一声だった。
「共に戦うべきという意見にも一利ある。だが、我々海上自衛官が国民を守る以外で他国兵の生命を奪うことはあってはならん。」
群司令のこの一言によって、常識派の意見にまとまった。
・・・・
「タグボートより返信!『コチラ了解シタ。証拠トシテ
主砲ヲ上ゲ、停船セヨ。』」
「艦長、いかがなさいますか?」
『指示通りにしろ。』
艦橋からの指示を受け、海原は主砲を上げ、停船するように指示した。




