第2話「対決」
書いてて楽しいです(笑)
文章がおかしかったら、感想にてお願いします
主人公の身長は135cmです。2歳でこの身長はいろいろとやばいですが、そもそも狐族なので…ご了承ください。
1時間ほど探すと、書庫が見つかった。
(さて、辞書みたいなものはないかな?)
文字がわからないので、片っ端から開いて確認する。
(それにしても、ここの狐族たちはカラフルだったな)
ここに来るまで、三種類の狐族とすれ違った。
髪の毛と尻尾、そして、目の色がすべて統一されているようであり、赤、青、緑の3色の人々を見た。
(色によって力加減が違うのか?それとも…お、あった)
辞書が見つかった。
そして、数分にらめっこし、元の場所に戻す。
「よし、これで言語は完璧だな」
彼の特技でもある言語習得。数分で習得し、その言葉は絶対に忘れない。
そのため、100近くの言語を話すことが出来る。
「さて、次は情報収集かな」
そう言って、狐族について載っている本を手に取った。
そこに書いてあったのは、驚きの事実だった。
狐族は、火狐、水狐、木狐に分かれており、それぞれ得意な魔法がある。
火狐は火属性
水狐は水属性
木狐は風属性
そして、さきほど見た狐族たちのように、色が分かれているらしい。
そして、尻尾の数によって力が違うみたいだ。
1本が平均的に生まれ、増えるにつれて希少性が高まる。九本は1000年に1度と言われているらしい。
そして、三種族の狐族以外に、妖狐というのがいるらしい。髪の毛としっぽの色が金色で、目は紫らしい。
希少性は三属性の比ではなく、300年に一度産まれるらしい。
「って、俺妖狐の九尾なんだけど?」
尻尾は9本全て金色。
恐らく、目は紫色だろう。
続きを読んでいると、妖狐の九尾が暴れだし、世界を滅ぼしかけたという事件があったらしい。
通りで封印されてるわけだ。
言語も習得し、封印されてたことに納得したので、村長の元へ向かうことにした。
1つ村人の比ではない、でかい気配がある。恐らく、それが村長だろう。
そこへ向かうのだった。
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狐族の長、フリュールは、妖狐であるレルアが逃げ出したと言う事を聞いた。
「あの結界が破られるとは…」
彼が張った結界は、物理攻撃や魔法を無効化、成長を止めるという効果があった。
いくら妖狐の九尾だろうと、破られない自信があったので、同様を隠せない。
フリュール自身、火狐の七尾という存在であり、現在の狐族でトップの実力を保持している。
彼が全力で張った結界がダメなのであれば、狐族で彼より強い結界を張ることは不可能だ。
「フリュール様、先程からレルア様を捜索しておりますが、匂いすら残っておりません。」
家臣であるネルノアが悔しそうに報告する。
「そうか、何としてでも、我が息子(....)を、レルアを。始末してくれ」
「はっ!」
ネルノアは、返事をすると音を立てずに出ていった。
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「そうか、何としてでも、我が息子を、レルアを…始末してくれ」
(俺の名前はレルアって言うのか…ってか、あいつが俺の父親か。なのに、あいつは俺を殺す気なのか?)
名前と親を聞きに来たのだが、いきなり両方が判明してしまった。それに、狐族は俺と敵対するみたいだ。それなら、容赦はしない。
気配を露にする。
「な、お前は…っ!」
急に現れたレルアに驚きを隠せないフリュール。
「はじめまして、お父様」
ニッコリと微笑んで挨拶する。しかし、目には殺気を含んでいる。
そんな冷えた目に、フリュールが萎縮してしまう。
「んで、お父様。俺をどうする…?」
「ど、どうもしないさ…我が子を手にかけるようなことは。」
苦虫を潰したような顔になるフリュール。恐らく、いつ殺されるかと怯えているのだろう。
「手にかけない…ねぇ。言ってることとやってることが違う気がするんだが?」
無表情になり、相手を見据える。
それだけで、フリュールは汗をかき、唇が震えていた。
「す、すまない!」
「へたくそ。殺気を抑えろよ。」
「なに…を?」
問題を指摘され、それが間違いでなかったため、ますます余裕がなくなるフリュール。
「ほれ、プレゼントだ。」
フリュールの前に投げられたのは、袖と靴に仕込む暗器だ。
「ほら、お前の暗器だよ。こんな物で俺を殺す事なんて出来ないから、返しておくよ。」
フリュールは恐怖、屈辱、怒りが混じったような、なんとも言えない表情をしていた。
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急に現れたのは、息子のレルアだった。
金色で綺麗な耳や髪に、紫色の瞳。そして、9本の美しい尻尾。存在感抜群で自慢の息子である。
しかし、彼は妖狐という種族で、九尾となると、恐怖の対象であった。
村のみんなのため、殺すことになったのだが、私がそれを拒否。私の結界の中に封印するということになった。
しかし、それが仇となる。
息子が結界を破り、抜け出したという。
そして、こんなに目立つのに、誰にも見つからずここまでやってきたのだ。
世界で見てもトップクラスの隠形術だろう。現に、私ですら認識できていなかった。
そして何より、レルアは二歳児とは思えぬ目つきをしている。何千人もの人を殺してきた目をしている。
見つめられただけで、ナイフを首に突きつけられている感覚に陥る。
世界を壊しかけることが出来る力を持つと言われる妖狐の九尾。
私はその力を侮っていたことに後悔した。
しかし、レルアを殺さなくては、私や彼を追っている狐族のみんなが殺されてしまうだろう。
親として、族長としてそれだけは阻止しなくてはならない。
なので、レルアの隙を伺う。
「へたくそ。殺気を抑えろよ。」
見抜かれていた。
そして、目の前に出されたのは、私の仕込んでいた暗器。
レルアは私に「お前じゃ殺せない」と言い放った。
その言葉に、怒りを覚える。
それは、村長のとして、狐族は最強としてのプライドからだった。
暗器手にし、レルアの首をねらう。
しかし、レルアの人差し指が暗器を持った右手首を抑えており、首には届かなかった。さらに、私が反応できない速度で右脇腹を殴られた。
「ぐはぁっ…!」
思わず空気が漏れてしまう。
私は、暗器を落とし、反対の手で受け取りレルアの心臓を狙った。防がれてしまったが、引いていた右手で顔を殴る。
そらすようにかわされ、左手で心臓を貫かれた。
レルアはフリュールを一瞥して、風呂場へ行くのであった。