第11話「襲撃」
お待たせしました…
またしても時間が無くて、全然書けませんでした…すみません。この埋め合わせはいつか…
太陽が一番高く登る頃。
レルアは、ファルメオン王国の城まで来ていた。現在、魔法で姿を消しており、レルアの目の前をメイドが素通りしていく。
魔法がない世界で、最強だったスパイにとっては、イージーゲームにも程があった。
「さて。ここからだな」
潜入に成功したため、次なる段階へ移った。
場内で1番厳重に警備されている場所を調べる。魔法を使わず、気配を探っていく。
「見つけた」
最上階の中央の部屋。部屋の中に1人、外に4人いる場所がある。その4人の気配は、他の気配とは違い、濃い気配を放っている。手練のようだ。
十中八九そこが王の部屋であろう。
場所がわかったので、階段を探す。探す間にも、何人もの騎士やメイドとすれ違ったが、誰も気付いた様子はない。
「光と音を操作しただけなんだが…」
レルアは気づいていない。光や音を解明できていないこの世界では、操れること自体おかしいのだと。
それから階段を見つけ、最上階まで駆け上がった。
部屋の前には、4人の騎士がいる。
「あいつら、隙がないな」
360度すべてに警戒している。常人の集中力では、数分と持たないであろう。
おそらく、彼らはこの国で一番の戦力だろう。
しかし、それでもレルアには及ばない。
「やあやあ、王様に合わせてくれないか?」
急に現れたレルアに、咄嗟に剣を抜く騎士たち。
だが、声を出せるものは誰もいなかった。何せ、レルアの放つ殺気が、彼等を脅すほど強いものだったからだ。
「そこの部屋だろ?どかないと、殺すぞ?」
「くそっ!はぁぁぁーっ!!!」
青髪の騎士が切りかかってくる。一切の乱れがない。正にお手本とも言える剣筋だ。
しかし、速さだけではレルアには届かない。
肩を逸らし交わす。
「んじゃ、お前ら殺すわ」
刹那、騎士たちの腕がしたに落ちた。
何が起きたか分からない騎士たち。しかし、次の瞬間。
上半身がズレた。
「通らせてもらうよ」
騎士たちはその言葉を最後に、この世を去った。
中に入ると、サンタクロースみたいなおじさんがいた。
「はじめまして。ソフィール獣人国で王様をやらせてもらっているレルアだ。」
「そんな国、存在しないぞ?」
「そりゃそうさ。俺が昨日作ったからな。んで、ファルメオンにいる獣人たちを開放してくれないか?」
「そんなの、聞かずともわかるじゃろう?」
「開放しない、か」
あくまでも強気な国王。だが、彼からは殺気を感じない。見掛け倒しのおじさんということだ。
「そっか。なら、この国の住民を殺していく。騎士団全員で止めに来るがいいさ。」
「ははは!それは無駄じゃよ。彼らには首輪が付いているからな」
奴隷の首輪のことだ。それをつけられたら最後。死ぬまで主人のいうことを聞かなくてはならない。さらに、無理やり外そうとすれば、奴隷の魔力使い首輪が縮まる。最終的には、首がもげてしまうのだ。
「知ってるさ。でもな。所詮は首輪。簡単に外せる」
「やってみるが良い。じゃが、こちらとて、容赦するつもりは無い。」
「へぇ。外のあいつらより強い奴がいるのか。」
「楽しみにしとれ」
レルアは、ニヤリと笑いその場をあとにした。