第9話「決意」
二日休んでしまったので、お詫びに9話書きました汗
五時があるかもしれないので、報告お願いします。
二人は現在、検問所で騎士たちに絡まれていた。
「貴様は捉えて死罪にしてやる!!」
そう言って剣を振るってきた騎士。レルアは難なくかわし、背中を肘で撃ち落とした。背中に響く痛みと、勢い良く地面に激突した痛みにより、騎士は気絶する。
「よ、良くもグリハをぉお!!」
またしても、真正面から剣を振り下ろしてくる。
「いい加減飽きた」
ブツブツ言いながら、半身を逸らして躱す。その際、右足を出して騎士をこけさせた。勢いよく転んだ騎士は、恥ずかしさのあまり立てなくなる。
「金ならやるから、早く通してくれ。」
そう言って金貨を弾き、偉そうな騎士に渡す。
受け取った騎士は、ダメだと言って金をポケットに入れた。
「おい!ダメなら返せよ!」
「罪人なら、金など必要なかろう。」
「お前…後悔させてやるよ」
そう言って、本日何度目かの戦闘モードに切り替えた。
そして、馬が鳴いたのを合図に、騎士たちとの戦闘が始まった。
(相手は6人。全員ロングソードか。)
横からの攻撃を躱しながら、敵を観察する。
(鎧は純度56%の鉄か。)
己の拳で割ると判断したレルアは、後ろから迫り来る剣を左手で掴み、遠心力を使って騎士の腹を殴った。ガラス細工のように鎧は割れ、殴られた騎士は驚きの表情のまま、吹き飛ばされた。
振り返ると、周りの騎士たちも驚いており、既に戦意は失せていた。
「さて。言うのが遅くなったが、俺はSランク冒険者だ。そのことを踏まえて、まだ俺とやり合うか?」
数秒の沈黙の後、金をくすねた騎士が前へ出た。
「いいや、貴様がSランク冒険者だというのであれば、多少の沙汰は見過ごされる。」
「そうか、つまり、金も返され国も出れるってわけか?」
「ああ。」
悔しそうに金貨をレルアに向かって弾く。
だが、直後彼の口元が歪んだのを、レルアは見逃さなかった。
「甘いよ」
そう言って、金貨を蹴り返した。
「なっ!くそぉぉ!!」
鎧にぶつかると共に、金貨は盛大な音を上げ爆発した。
「終わるまで表情に出すな。三流」
そう言ってレルア達は国を逃げるように出たのであった。
130キロという道のりを、僅か数十分で走破して、ファルメオン王国に到着した。そして、現在は検問所の列に並んでいる。
「やっぱり、獣人の差別は酷いな。」
列に並んでるのは殆どが人間。獣人も居るのだが、首輪がついており、全員奴隷のようだった。
そしてまた、レルア達に向けられる視線は、軽蔑する視線である。
流石に慣れてきてはいるが、ウザイものはうざい。
「なぁソフィア。俺達だけで国ってもの作るか?人間を敵にして。」
不意につぶやくレルアに、ソフィアは口が限界を突破して開いていた。
「ほ、本気で言ってるの!?」
「あぁ。世界を旅したかったが、ここまで来るとその気も失せるってもんだ。」
ソフィアは答えなかった。
しかし、決意の篭った目をしている。
つまりは、好きになった人についていく。そういうことだろう。
「そうか。俺についてきてくれるか。」
「まだ答え聞けてないからね!」
「そうだったな。なら、目標を達成したら…な」
「獣人族だけの国を作る…頑張ろうね!」
「もちろんだ。その前に、ここにいる獣人族を助けてからにしようか」
「え?どうやって?」
「まぁ、みてろって」
そう言って、レルアは魔力をばらまき始めた。自分の尻尾を顕にさせ、そして、声を張り上げ宣言する。
「獣人族の奴隷を開放しろ!さもなくば、お前ら全員、殺す!」
荒れ狂う魔力。そして、伝説の妖狐を見た人々は恐怖し、奴隷を開放していった。レルアは開放された奴隷たちに、暖かい言葉をかける。
「驚かせてごめんな。俺は獣人族の王となり、知能を持った猿に対して戦争を吹っかける。もう、退けられるのは嫌だろ?」
獣人達は、それぞれ頷く。
「なら、俺達とともについてきてくれるか?」
「ついていく!」
「俺もだ!もう退けられるのは懲り懲りだ!」
「よし!では、一旦引くぞ」
レルアは、獣人を連れ、森の中へ歩いていった。
急展開ですね(笑)
なるべく話がおかしくならないように頑張ります。
え?もう既におかしいって?安心してください。作者も戸惑ってますよ