第1話「封印から始まる物語」
前の2作は、途中で放り出してしまい。言ったことも守れないようなみえゆうです。
この作品も、文章力共に期待しないでください。
はい。期待しないでください。
目が覚めた。そこは、今まで見てきた天井とは違うものだった。間違いない。
そして、自分の体が思い通りに動かず、視界がぼやけていることから、自分が赤ん坊になっているのだと悟る。
(なるほど。一から鍛えられるのか。面白い。)
そうして、眠りにつくのだった。
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この日は嵐だった。
雨が強く、地を削り、少し離れたところに雷が落ちる。
そんな日に、男は森の中へ来ていた。
「あそこか。」
彼の視線の先にあったのは、古びれた廃屋だった。
「こちらフォックス、位置についた。これから作戦を開始する。」
その問に、無線から了解の合図が聞こえた。
廃屋にはいくつもの赤外線カメラと、赤外線センサーが張り巡らされ、蟻1匹通さないほど厳重に守られていた。
そして、さらに囲うように男達が銃を構えながら見張っている。その数13人。
どう見ても死角などなかった。
(なるほど。しかし、俺の気配を悟れるものはいないか。)
彼は、気配を偽り、男達の元へ歩いていく。
しかし、男達は彼に気づかない。
そうして、この組織は彼によって、誰にも気づかれずに消えていった。
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二度目の覚醒。
どうやら前世の夢を見ていたようだ。
前世では、フォックスというコードネームで諜報班に所属していた。
チームの名前は「セガドラ」。スペイン語で死神という意味だ。彼らに関わると必ず死ぬことから、この名前が付けられた。
彼らは、世間にこそ出ないが、裏の世界で、知らない者はいないほど恐れられていた。
しかし、最強の諜報班に所属していた彼も、寿命には勝てず、息を引き取った。
(しかし、なぜ記憶は残っているのに、個人名が思い出せない…?)
周囲の人の名前や、自分の名前すら思い出せない。しかし、この記憶は自分の物だということはわかる。
(それに、なぜ誰もいない。建物内に人の気配が感じられない。)
手を挙げて見たところ、赤ん坊の手だということがわかり、自分が赤ん坊だということを確信した。
しかし、気配が全くない。
(ふむ。どうした事か。)
完全に詰んだ。
核爆発や深海2000mに沈められても死ななかった彼だが、不慣れで自由に動かせない身体になり、完璧に詰み状態になった。
(寿命以外で死ぬのはプライドが許さんな…しかし、どうするか…ん?)
考えていると、ふさっ、と当たる感覚があった。
その方向を見てみる。
なんと、自分のお尻から、9本の尻尾が生えていた。
(このしっぽの形からして…狐か?)
どうやら狐に転生してしまったらしい。それなら、すぐに一人で狩りに出れるであろう。人間でないと言っても、人間の知恵がある。簡単に食べ物は見つかるだろう。
(ん?皮膚は人間のもの。しかし、尻尾が生えている…?)
生えている尻尾が、猿のものならまだ分かる。しかし、自分に生えているのは狐のものだ。
必死に考える。なにせ、今出来ることはそれぐらいしかないからだ。
数分後
(もしかして、ここは所謂異世界というところか?それで、俺は狐族になったと。)
考えがまとまった。
ここが異世界であるなら、尻尾が生えていることも、空気中に異質な物質(.....)が入っていることも納得できる。
ふと思った。
(この物質は、魔力とやら何じゃないか?)
そう思い、この物質について調べることにした。
すると、この物質が体内にもあることが判明。
心臓とは反対の場所に違和感があり、空気中の何万倍にも濃くなったものがある。
もう少し調べると、物質は任意に動かせるようだ。物質が通ると、その場所は麻酔が掛かったようにじんわりと熱くなる。
最後に、指先に集まるように集中して、火をつけるイメージをした。
ぶぉっ
(おおっ!火が出た!これは魔法なんだよな?つまり、この物質は魔力だな)
何年ぶりに素直に驚けただろうか。最後に驚いたのは敵が3キロもの狙撃を成功させてきたことだ。あのままの体制だったら、脳幹をぶち抜かれていた。その腕前を賞賛して、ハンドガンで脳幹を打ち抜いてやった。飛距離?遠心力や風を利用すれば3キロ程度の精密狙撃なんて簡単だ。
それはさておき、魔力と断定し、さらに魔法について調べてみる。
次は、魔法で作った物を飛ばしてみることにした。
流石に、火だと火事になり、逃げれず死ぬ可能性があるので、水にする。
(こういうのは、イメージが大切なんだよな。)
空気中の水蒸気を集め、水の塊になるようにイメージする。
すると、辺りが幾分か乾燥し、指の先にソフトボール程の水の塊ができた。
それを、ピストルの要領で飛ばす。
(回転を加えて、いけ!)
放つイメージをした瞬間、ピストルと変わらない速度で飛び、壁を突き破ることができた。
(これは…ここまで前世の考えた魔法の使い方と同じとは…)
この間で一緒だと、気味が悪い。
しかし、ここで生まれた以上、人生をまっとうする。
前世の記憶があれば、多少違うところはあるだろうが、ほとんど同じ理論で魔法が使える。それがどれだけ有利なことか。
(まずは世界を旅してみたいな。その前に、まず食料を探さなくては。)
身体に力を入れるが、思うように動かない。
なので、細胞単位で強化する。
そこまでして、なんとか立つことが出来た。
(ふう。結構辛いな。)
このままだと数分で魔力が切れるだろう。
(ウルトラの人みたいだ)
我ながらうまい喩えをしたと思ったが、残念ながらそんな暇はない。
急いで扉の前へきた。
(ん?扉があかない。これは、外に魔力の壁があるな。結界みたいなものか?)
どうやら、封印されてるみたいだ。
通りで外の気配がわからないわけだ。
(壊せるか試すか。)
部屋の反対側まで来てる、自分の周りに結界を張る。柔らかく、丈夫な結界と、固くて、分厚い2重のものだ。そう簡単には破れないだろう。ちなみに、中けら外に出れるが、外からなかには入れない一方通行だ。
(これでよし。まずは、RPGロケット弾かな)
魔力を固め、イメージして組み上げていく。
(…発射)
どごぉぉんっっ!!
爆音と爆風によって、視界が歪む。
(思ったように使えたけどさ。これ、赤ちゃんがやってるって考えると、すごいシュールだよね)
視界が晴れると、見事に穴があいていた。
(おお、よかったよかった。…ん?)
外に見えたのは、狐族と思わしき男性2人。しかも、倒れている。
(今ので吹き飛ばされたのか?)
とりあえず、足を怪我している左側の男性の元へ行こうと、部屋を出る。
(ん?体が軽くなった。それに、魔力がすごい勢いで回復してる。)
外に出た瞬間に、強化が必要なくなった。それに、部屋の中より数十倍空気中の魔力が濃い。
(もしかして、封印されてたんじゃね?)
男性の元へ向かうと、ひどく怯えられたので、あながち間違いではないのかもしれない。
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それから、男性を水と火の魔法を使い男性の怪我を治癒し、鏡のある部屋を探した。
散策中は気配を偽りながら歩いていたので、誰ひとりとして気づく者はいなかった。
しばらく探していると、一つの結論にたどり着いた。
(うん。ここに鏡はないな)
もしかすると、この世界では鏡は貴重なものなのかもしれない。
そうなると、作るしかない。
しかし、魔法を使うと、魔力に敏感な者が気づくかもしれない。
流石に空気中の魔力まで操る自身はなかった。
(自分の姿を確認するのはあとにしよう。それに、なんか少しずつ身長が高くなってるし)
手や足を見ると、二歳児程の皮膚になっていた。服もきつくなり、今はパンツしか履いていない。
急に来た成長期に、体が悲鳴を上げている。
(封印って、成長まで止めるのか…んにしても、魔法がなかったら、今頃痛みで動けなくなってただろうな…)
今は痛むところを全力で治癒しながら行動しているため、痛みは避けることが出来ている。
しかし、数年分の成長痛が体を襲っているので、いくら痛みに強いと言っても、動けなくなるのは目に見えていた。
(それじゃ、ここの言葉を調べましょうか。)
新たな目標を立て、書庫を探すのであった。
最後まで見ていただき有難うございますた