確かめる事
次こそ早めに書きます!書きますから許してください!
「とは言っても・・・・・・」
「何をどうすればいいかな・・・」
鳴もABも苦しい表情をしている。
先程まで校庭にいた3人のうちの2人は既にいなくなっていた。
恐らく、ブリュンヒルデの攻撃にビビったのだろう。
「とりあえずあの石の近くに行こう」
「そうだね。私も状態が知りたいよ」
六瀬の案で魔石の近くに1度向かうことにした。
「改めて見ると・・・・・・」
「でっけぇな・・・」
「校庭一面の土地を裏返すレベルだからな。正直こんなの運んでたブリュンヒルデも怖いよ」
「亜人はこの程度なら持ち上げられるよ?正直これは小さいほうなんだよね」
「亜人ってなんなんだよ本当」
亜人、それについてはまだよくわからない。
1つ、六瀬が思ったことを聞いてみた。
「なあ、亜人はみんな能力を持ってるのか?」
「そりゃね。魔石が普通に転がってる世界だから」
「じゃあ、俺らの能力とは何か違うのか?」
「んー・・・そうだね・・・まず根本的な強さが違うと思うよ」
「まあ、そうですよね」
「それと・・・亜人は別に能力を1つしか持たないわけじゃない」
「あー・・・怖い」
「因みに私は火を扱う火陣、水を扱う水陣、闇を扱う闇陣の3つを使えるよ」
「み、3つ・・・・・・?」
「まあ、これについては後で詳しく話すよ」
「後で?今じゃ駄目なのか?」
「まあ・・・問題は無いけど、色々とあるんだよね」
「はぁ・・・」
周りを見ると、いつの間にか鳴もABもいなかった。
「って、あいつらどこいったんだよ!」
「ん?呼んだか?」
2人は、六瀬のいる方の裏側にいた。
あまりに魔石が大きかったので、気づかなかったのだ。
「なんだよ・・・おどろかせやがって」
「・・・・・・ていうか、この後どうすんの?」
「おい!鳴!六瀬!こっち来てみろ!」
ABの大声で名前を呼ばれた2人は、ABの方へ向かった。
「なんじゃこりゃ・・・」
「出れない、な」
目の前には何も無いのに、とても硬いものがあるようだ。
「ごめんね、能力を手に入れた人は出れなくさせてもらった」
「なぬ!?」
「ここはもう荒れてる。能力者が外に出ると厄介なんだ」
「まあ、コンビニとかで能力使われたら社会問題だな」
「犯罪なんてもんじゃねーぜ」
「・・・・・・緊急下校指示か。このタイミングで[ふるい]にかけるわけね」
「よくわかったねAB君!その通りだよ!」
「ちょっと前にもそれ聞いた気がする」
「さて、私たちはどこかに隠れるよ!」
「え?隠れんの?」
「鳴・・・・・・俺らだけ普通に校庭で見てるわけに行かないだろ」
「バカかお前」
「・・・・・・すんません」
〜10分後〜
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・なあ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・何?」
「狭くない!?」
俺達は、よく校庭にあるはずの外トイレにいた。
「でもここが1番見やすいし」
「近いし」
「窓あるし」
「お前らどうしたんだよ・・・」
六瀬はかなり気疲れしていた。
「あ、来たよ」
「第一生徒、発見!」
「どっかの笑っ○こらえ○!みたいなこと言ってんじゃねぇ!」
「怒られるから!鳴!怒られる!」
来たのは二人組の女子だった。
「あれ、1年か」
「だな。さあどうなるか」
2人が問題の地点を通ろうとした瞬間────!
バチィッ!
「キャッ!?」
「マジかよ・・・2人ともかよ」
「てかあいつらは石の方来てなかったよな」
「既に魔石の効果は広がってるのか・・・」
「さっきの噛ませ犬が殺した人は本当は0だからね」
「殺せてなかったんだな」
「まだ誰も死んでないよ。一応」
〜待つこと30分〜
「そろそろ終わりだな」
「うん。まさか先生までとは思わなかった」
結局、全校生徒の大半が帰られず、能力者ということが明らかになった。
「問題はここからだな」
「一応このことは先生に話したけど信用されてない」
「あっ!見ろ!1人暴れだしたぞ!」
「マジかよ!」
「行くよ!」
ブリュンヒルデは飛び出し、暴れだした生徒を止めに入った。
だが、たくさんの生徒でごった返し、なかなか入れなかった。
「おい、俺らも行くぞ!」
「おっけ」
「了解っと」
暴れた生徒は千石嶺耶。なにやら石やら土やらを投げているらしい。
「おいやめろ!怪我人が出る!」
「どういう事だよこれは!帰らせろ!」
「みんなどいて!」
「ブリュンヒルデ・・・?」
「水陣・・・・・・フリーズドライ!」
すると千石は一瞬で動かなくなった。
「・・・な、何をしたんだ?」
「この子の周りに薄い氷の膜をはったんだよ」
「固めた、いや、凍らせたのか」
「そういうこと」
そのうちにもABは
「みんな落ち着いて聞いてくれ!今俺達は緊急事態に置かれている!少し、少しでいいんだ!待っててくれ!」
ABは友人が多く、信頼されている。ほとんどの人はそれで何かを察してくれた。
しかし・・・・・・
「てめぇ調子乗ってんじゃねぇぞ!待てって言われて待てっかよカス!」
「なんだと・・・・・・?」
「ABやめろ!今はそれが目的じゃねぇ!」
慌てて鳴が2人を引き離そうとする。しかし・・・
「んだてめぇ!邪魔すんな!」
バキッ!
その男は、茶色を纏った腕で、鳴を殴った。
鳴は殴られはしたが、痛そうに顔を歪めただけだった。
「くっ・・・・・・ってぇ・・・」
鳴も目的は理解しているのだろう。手を出しはしなかった。
だが六瀬は黙っていなかった。
「おい・・・・・・」
「あ?なんだよてめぇも殴られてぇのか!?」
「殴れよ」
「あんだと・・・・・・?」
「殴ってみろよ」
「生意気な奴だな!そんなにお望みなら殴ってやるよ!」
ドゴッ!!!
鳴に殴った時よりも明らかに威力が出ていた。しかし・・・
「その程度か?じゃあ次は俺だな」
「やめろ!六瀬!殴るな!」
「六瀬!落ち着いて!」
「・・・止めてくれるな」
バキャッと鈍い音がした。
「あ・・・が・・・」
男は倒れ伏し、意識を失った。
「あちゃー・・・・・・出ちゃったかー・・・」
「え?出たって・・・何が?」
「あいつの本気だよ。昔からキレた時の六瀬はやばかった」
「・・・余程のことがないとキレないけどな」
ABと鳴は懐かしそうにそう言った。
「ま、そのお陰でみんな黙ってくれたか」
「さて、ブリュンヒルデは皆には見えてないみたいだな」
「さっきの攻撃の時のリアクションがな」
「・・・俺らが話そうか」
正気を取り戻した六瀬は唐突にそう言った。
「そうだなー・・・説明できるかな・・・」
「あれを使えばいいだろ。あれ」
そういうと六瀬は、壁に出来た大穴を指さす。
「そっか、ブリュンヒルデがやったあれか」
「あの中にいるやつを引っ張り出して、実際にやってもらおう」
「よし、俺が行ってくる」
「気をつけろよ!」
鳴は穴に向かって走り出した。
「さて、後は・・・」
「信じてくれるか、だな」
空は、壊れた日常とは無関係のように、いつもと同じ青だった。
六瀬「キレてごめんなさい」
AB 「本当にさ。お前がキレたら本当手がつけられない」
六瀬「てか、鳴何やってるの?」
AB 「穴が高すぎるんじゃね?」
鳴 「これ・・・・・・よじ登るしかないじゃんかよ!クッソ!こんなことならあいつらに任せればよかった!」
六瀬「よじ登り始めたな・・・」
AB 「これ、時間かかりそうだな・・・」