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第十話 平和な休日


 五課の中にある、とある一室。

「アルスさん!アルスさん!起きて下さい!!」

 キルに揺さぶられ、ゆっくり起きあがるアルス。

「もう九時ですよ!」

 寝ぼけたまま顔を洗いに行く。

「なんでそんなに、テンション高いんだよ!」

 ちよっと不機嫌そうなアルスと違って、朝からテンションの高いキル。

「だって今日は遊びに出掛けるんですよ!マイカさんとリーナさんも一緒に!」


 昨日の事が終わってから、四人は、せっかく貰った休日なんだから街に遊びに行こう!ということになったのだ。

 濡れている顔をタオルで拭きながら戻ってきたアルスは、

「また、視線が飛んできたらどうするんだよ!」

 という問いに、

「そんなこと気にせずいきましょう!」

 という答えで、早くも解決する。

 それ以降も、テンションの高いキルは、今日着ていく服で迷っていた。

「お前は女か!」

 と突っ込むアルス。

「じゃあ、アルスさんはなに着て行くんですか?」

 と、聞く。

「んなもん、いつもと一緒でいいんだよ!」

「何を言ってるんですか!せっかくのダブルデートですよ!」

「ああ?それは、どっちがどっちで、どっちがどっちだ!?」

「とにかく!僕らもオシャレしていくべきです!」

 と、答えになっていない答えを返すキル。

 それからも二人は、あーだ、こーだ言いながら、約束の時間を過ぎていることに気づき、マッハで準備をし、部屋を飛び出る。


 一階のロビーに着いた時には、すでに二人は着いており、ロビーの隅にあるカフェで待っていた。

 アルスとキルは、結局いつもの格好できたが、マイカとリーナはオシャレな格好をしていた。

「わりぃ…、遅れた!」

「申し訳ないです!」


 アルスとキルは、誤りながら駆け寄った。

「遅いよ!二人共!」

「レディを待たせるなんて、最低だよ。」

 マイカとリーナの怒りの声に、二人はヤバイッと思う。が、

「いやぁ、そんなことより二人共綺麗!かわいい!もう天使みたいだ!なあキル?」

「ええ、それはもう。今の二人を見れば、世界中の女性がゴミに見えます!」

 マイカとリーナの私服姿を見て、嘘は言っていないものの、褒め殺し作戦にでたアルスとキル。

「えっ、そうかな。」

 マイカが掛かった。

「二人にそう言って貰えるとは思わなかったな。」

 リーナも落ちた。

 二人の嬉しそうな顔を見て、アルスとキルはナイス作戦!というように拳を合わせる。


「リーナ隊長ぉ、マイカ隊長ぉ!すごい素敵ですぅ」

 後ろから十二、三才ぐらいの女の子が、そう叫びながら走ってきた。

「フフフ、ありがとう。ミナ!」

 リーナは、椅子から立ち上がると、ミナの頭を優しく撫でた。ミナは嬉しそうに微笑む。

「こんな小さい子も五課にいるのか?」

 アルスがマイカに聞く。

「うん。この子はミナ。まだ訓練生だけど、魔力は高いよ。」

 へぇ、とアルスとキルがミナを見つめると、ミナも顔を赤くして見つめ返してくる。

「あ、あの…。握手して貰っていいですか!?」

 ミナが、アルスとキルにお願いする。二人が笑顔で握手してあげると、満面の笑みで、ありがとう、というと、嬉しそうに走り出して行った。それを笑顔で見つめるリーナが、

「ミナ、ブラックリベラルの大ファンなんだって!」

「なんであんな小さい子が、僕らのファンなんですかねぇ?」

 キルが首をかしげる。

 それにマイカが答える。

「ミナはね、家族全員をある組織に殺されたのよ。私達でも証拠が掴めなくてどうしようもなかった時に、あなた達がその組織を潰したって訳!」


「そうだったのか…。」

「その時の依頼、引き受けてて良かったですね。」


「さあ!もう行きましょう」

 そうリーナが言うと、四人は街へと繰り出した。



 とある店の前にあるベンチ。

「なんでこんなに買い物の時間が長いんだよ!」

「女性とショッピングは疲れますねぇ。」

『ハァ』

 と、同時に溜め息を出す二人。街に出てからずっとショッピングなのだが、二人は、三軒目でギブアップ。こうして前のベンチに座っている訳である。


(そういや、この辺は…)

 アルスが周りを見ながらふと思った。


「キル。すぐもどるからお前は待っててくれ!」

 そう言うと、アルスはその場を離れた。



――カランカラン――

「ん?珍しいじゃないか!お前が一人で来るなんて。」

「ちょっとカーフに話して起きたい事があったんでな!」

 アルスは、カーフに今までの事を話した。

「なるほどな!お前等も大変だったな。それで、今の件に関して別に俺は構わないよ。」

「そうか!そんじゃあそん時は宜しくな!じゃあ行くわ。あいつら待たせるとうるさいからな!」

 そう言って、店をでようとするアルスをカーフが引き止める。

「アルス!……じゃあな。」

「…ああ。」

 アルスは出ていった。

 カーフは良からぬ胸騒ぎを感じていた。



 時は昼過ぎになり、四人はファミレスへ来ていた。すでに食べ終わり、キルはチョコレートパフェ、三人はコーヒーを頼み、休憩していた。

「そういえばさ、ランティスさんの誘いはどうするの?バルパレスに入るの?」

 マイカがアルスとキルに聞く。

「そうだな…、キル。お前はどうしたい?」

「僕は、どっちにしろアルスさんについて行きますよ!…でも、どっちかというと入ってみたいですね。」

 キルは、パフェを頬張りながら言う。

「じゃあ入るか!お前にとってもそっちの方がいいと思うしな。」


「??…でも、そうなるとブラックリベラルは解散…ですかね?」

 キルがパフェを食べる手を止め、寂しそうに呟く。

「その事なんだけどな、二代目っていうのを考えてるんだ。現に、バルパレスにはそう簡単に闇組織を潰す事は難しいだろ!?ミナの件もあるし、二代目という形でブラックリベラルを継続させたほうがいいと思ってな。」

 キルのテンションが上がる。

「それいいですね!そうしましょうよ!!そうすると僕らが初代ってことになりますよね。なんか、カッコイイですね!」

「でも、二代目が簡単に殺された、とかなると、凄くカッコ悪いわよ。あなた達ぐらいの強さをもっている人達を探さないと…」

 リーナが的確な意見をぶつける。

「ああ、そうだな。それは少し時間が掛かりそうだが、…キル!二代目はお前が捜してくれ。お前の方が、人を見る目があるからな。それに、カーフにももう言ってあるから。」

「わかりました!僕等より優秀な人を見つけますよ!」

 キルは、任してください!というふうな感じだ。それにマイカが付け加える。

「今度は、バルパレスに侵入しない人にしてよ!」



 楽しそうな笑い声で、一日だけの平和な休日が終わる。

 こんにちは。ついに十話まで来ました!いかがだったでしょうか?この話は今までの中で一番、楽に書くことが出来ました。次の話からは、一気に展開が変わっていきます。苦手な戦闘シーンも出て来始めます。(先が思いやられます)では!

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