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幸せということ  作者:
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新しい関係

「ただいま。」

 長い様で短い一日。

 和臣君の事を考え、お母さんの事を考え・・・家に俊介さんの気配をほんの少し感じながら、掃除、洗濯、料理をゆっくりとこなして過ごした。


「おかえりなさい。」

 私はリビングに入ってきた和臣君に緊張しながらもそう返事を返した。

「ちょっと早いけど、支度しておいで。」

 部屋着の私に、和臣君は優しく微笑む。

 

 気持ちの整理は付けたはず。

 

 私は和臣君を見つめて、大きく頷いて見せた。




 


「真央と結婚を前提にお付き合いさせて下さい。」

 病院に着くと、お母さんは病室をナースセンターの隣に移動されていた。

 集中治療室から出たけど、目を離せない状況だからと伝えられたけど、集中治療室から出られたことに、とりあえずホッとした。

 病室のお母さんは少し悲しげに私達を迎え入れ、『心配かけてごめんね』とまだ元気のない声でそう言った。

 

 そんなお母さんに、私は大きく首を振って、精一杯柔らかく微笑んで見せた。

 そんな私達のやり取りを見ながら、和臣君は私の直ぐ隣にぴったりと立ち、お母さんの視界に入った。

 そしてはっきりとそう言い切った。

 

 一瞬驚いた表情を見せたお母さんに、和臣君は私に告白した時と同じように、真剣に。私への想いを伝えた。

「真央からもいい返事をもらいました。

 これからは堂々と真央を支えて幸せにしていけると思っています。

 美代子さん、俺の気持ち気づいてたでしょ?真央とのこと、認めてくれますか?」

 ゆっくりと、ゆっくりと、和臣君の想いが私と・・・きっとお母さんの心に流れこむ。

 思わず視界が滲んだ涙で揺れる。

 その視界の中のお母さんの瞳にも涙が膨らみ、頬をスッと伝った。

「ありがとう。和臣君。

 認めるも何も、本人たちの気持ちが一番大事だと私は思っているわ。

 真央のこと、これからもよろしくお願いします。」

「勿論です。

 だから、美代子さんは自分の体のことだけ考えて。」

 和臣君の言葉に、お母さんは『ありがとう』と嬉しそうに答えていた。





「今日はありがとう。」

 夕食は二人で外で食べることになった。

 少し早かったけど、その分お店はすいていて、ゆったりとした気持ちで和臣君と向き合えた。

 飲み物が運ばれて、私は目の前の和臣君をまっすぐ見つめてそう言った。

「こちらこそ、俺の気持ちに答えてくれてありがとう。

 これからもよろしくな。」

 優しい微笑み。

 その中にある甘い雰囲気。

 告白されてから、時々感じるその甘さに、私はまだなれなくって・・・。

「耳まで赤いね。」

 そう指摘してくる和臣君を軽くにらんでしまった。




感想等いただけたら、とっても励みになります。       -陽-

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