プロローグ
私はずっと幸せだった。
お父さんは私が産まれる前に亡くなっていて、思い出の一つもなかったけれど、それでも私には優しいお母さんが私を大切に育ててくれたし、それに、お隣ので3歳年上の和臣くんが大学に入るまで本当の私のお兄ちゃんの様に、色々面倒を見てくれて。
本当に寂しくなかった。
そんな私の生活はお母さんの入院でガラッと変わってしまった。
高校の卒業式の帰り道、お母さんは急に胸を押さえてうずくまって。
一緒に卒業式に出てくれていた和臣君がすぐに救急車を呼んで。
和臣君は驚きを見せながらも、お母さんのカバンから薬を取り出し、お母さんの口へ運んだ。
そして、お母さんは真っ白な顔色で、和臣君の胸にもたれかかって。
救急車がすぐに到着して、和臣君は救急隊の人に状況を説明して。
何故かわからなかったけど、和臣君から、お母さんは狭心症で今薬を飲ませた、なんて説明をしていて。
事態に全く付いていけなかった私は、和臣君が私の肩をギュッと抱き寄せた事で、現実に一気に引き戻されて、急に体の底から震えが沸き起こり、そんな私を和臣君は救急車に一緒に乗せてくれた。
そして、お母さんが病院の処置室へ移された時に、私は和臣君から、お母さんの病気の話、そしてこういう状況になった場合について前もってお母さんと話し合っていた私の今後の生活について話を聞いた。
震える体を、和臣君はずっと支えてくれていた。
お立ち寄りありがとうございました。
久しぶりの投稿です。
相変わらず拙い文章ですが、最後までおつきあいいただけたら嬉しいです。
感想等いただけたら、とっても励みになります。 -陽-




