「I hate you」
1、
ギラリと輝く少年のナイフがほぼ目前に迫ったところで、翔はほとんど死を覚悟していた。
もう駄目だ。どうしようもない。
そんな風にすべてを覚悟した。
『アイ…栞菜……、ごめん…』
内心で2人の少女に謝るも、そのどちらの少女にもこの声は届くことはない。
最後まで情けない奴だ、そんな風に思っていた翔を待っていたのは呆気ない命の終わりではなかった。
ぼんっ! と何かが爆発するかのような音が翔の耳に響く。
翔の視界が真っ赤に染まったとき、すべては終わったのかと思った。
しかし、どういうわけか翔には一切の痛みは感じられなかった。
「ずああっ!?」
何故か、痛がっているのは自分ではなくナイフを構えた状態で目前まで迫っていた少年だった。
彼が痛がっている…というより苦しんでいる理由は実に明確で、――彼の手には炎がついていたのだ。
なんで炎が…と思う翔だったが、これはチャンスだ。
少年が怯んでいる隙に、翔は力ずくで拘束をとくと、栞菜と向き合う。
栞菜は小柄だし、ましてや普通の少女だ。
そんなに強くないとはいえ、男子高生の翔が力ずくになればこれくらいはどうにでもできる。
「…栞菜…!」
栞菜の肩をつかんで名前を呼ぶが、栞菜からの反応はなかった。
彼女は相変わらず生気のない目でこちらを見ているだけだ。
「僕のせいでそうなってしまったっていうならごめん…謝るよ…」
それでも、ひるまずに翔は続ける。
目の前にいる少女は、操られていようがなんだろうが自分の大切な幼馴染だから。
その気持ちだけは絶対に変わらないから。
「謝るから…だから、僕と一緒に帰ろう、栞菜…!」
ふるふる、と彼女が首を振るのがわかった。
操られていて、怖い雰囲気をまとっているはずなのに、この時の彼女は凄く弱弱しく感じられた。
「栞菜、帰ろう」
もう一度、栞菜が首を振る。
そういえば昔もこんなことがあったな、と翔は思った。
栞菜が海外に行くことが決まったあの日。
あの時も、やっぱりここの川で、自分が彼女を説得しに来ていた。
それを思い出しながら、
「…帰ろう」
ぽん、と翔が栞菜の頭に手を乗せた。
小さい頃の自分もこうして、栞菜を説得した覚えがある。
あのころと変わらない綺麗な髪を持つ目の前の少女に。
あの時と同じように自分の温もりが伝わってくれれば。
そう思っていると、
「……おにい、ちゃん…?」
ふっ、と。
栞菜の目に生気がこもるのがわかった。
彼女は綺麗な紫色の瞳できょとんとしながら翔を見上げていた。
「……栞菜…! よかった…」
「へ? え? な、何が…?」
きょとんとしていることから推測するに、操られていた時の記憶はないのだろう。
となると、栞菜の認識的にはいつの間にこんなところにいて、いつの間に翔が目の前にいて、なぜか喜んでいる、といった状況か。
それならまぁきょとんとしてしまうのも無理はない。
「………待て」
と、手の痛みはおさまったのだろうか。
パートナーの少年が相変わらず操られた状態でこちらを見ている。
が、ほんのわずかではあるが彼の方も目に光が戻ってきているようにも見えた。
『リズさんが洗脳をとくとは思えない…。となると、リズさんはやっぱり今余裕がなくてこっちに意識をかけていられなくなってるのか…?』
それならやけに簡単に栞菜の洗脳をとけたのも納得がいく。
しかし、栞菜の洗脳が解けた以上翔としてはここに長居する理由はない。
「ちょっと、お兄ちゃん…あれ誰なの…」
栞菜が不安そうに、きゅっと翔の服の袖をつかむ。
そういえば小さい頃もよくこうして掴んでくるのが栞菜の癖だった気がする。
さて、なんて説明するべきだろうか。
翔は「えっとー…」と考え込んで、
「ま、まぁなんか変質者というか…」
「変質者!? なんでそんな奴が私たちの前にいるのよ!?」
「ナンデカナー」
ついさっきまで君が一緒にいたからねぇ、と思う翔だが口には出すまい。
栞菜が戻ってくれたのはいいがこのままでは状況がピンチであることに変わりはない。
それでも、なんとしてでもこの少女だけは守らなくては。
「…逃がさない、お前たち…」
再び、ナイフを握る手に力を込めるパートナーの少年。
翔に彼の洗脳を翔がとくことは流石にできないだろう。
でもだからって洗脳されている一般人をいきなり攻撃するのも躊躇されるわけで。…というかそもそも彼にそんな力はないわけで。
「…ずああっ!」
ナイフを手に、少年が再び翔めがけて突っ込んでくる。
今度こそ、本当にやばい。
そう思った時だった。
「………お兄ちゃんに何してくれてんのよ」
「え?」
ぎくっ、と何故か翔の背筋が凍る。
たんたん、と足でリズムを刻みながら水色の髪の少女がパートナーの少年の後ろで構えている。
明らかに怒気を含んだ声に思わず戦慄しながらも、翔はすぐさま栞菜を止める行動に出る。
いくらなんでもナイフを持っている男に食って掛かるなんて危険すぎ――、
「いっ!?」
と思ったのは杞憂だったのかもしれない。
栞菜は勢いよく飛び上がると、そのままぐるんっと空中で回転し、
「お兄ちゃんをいじめんじゃないわこのくそボケ―――――!」
ごんっ! と綺麗にパートナーの少年の顔に蹴りを炸裂させた。
いいっ!? と驚く間もなく、少年は地面にたたきつけられ、一方の少女は綺麗に着地を決める。
気絶したのだろうか。
動かなくなった少年を見ながら、そして今度は幼馴染を見ながら、翔は思わず震えてしまう。
「…えっと、栞菜さん」
「大丈夫っ? おにいちゃん?」
「あ、うん、大丈夫なんですけど……栞菜って…そんなに腕っぷし強かったっけ?」
恐る恐る少女に尋ねると、
彼女はにぱっと可愛らしく笑いながら、
「メイドさんとしてお兄ちゃんを守るために頑張ったにきまってるじゃない!」
「………あ、そうですか」
結局自分は女の子に守られる運命なのだろうか。
相変わらず情けないなぁ…と思いながらも、命の危機を回避したことに安堵する。
「まぁなんにせよありがとね、栞菜」
「それはいいんだけど…」
と、さっきまで勇ましかった栞菜が突如にしてしおらしくなってしまった。
どうしたのかな? と疑問符を浮かべていると、
「……お兄ちゃん…私ってやっぱり迷惑…?」
「え?」
「お兄ちゃんのためにって思って…色々頑張ったけど…、お兄ちゃんを困らせてるだけなのかなって…」
幼馴染だからこそ、らしくない発言だな、と思った。
けれど、こういう精神状態にあったから少女はいとも簡単に操られてしまったのだろう。
そのことに胸を痛めながら、翔はゆっくりと首を振った。
「困ってる、ってわけじゃないよ。…まぁメイドさんにはならなくていいけど…」
「でも…」
「それに迷惑ってこともあるわけないよ」
そう、迷惑であるはずがなかった。
先ほども思っていたことだが、そんなことは当り前なことだった。
「栞菜は大切な幼馴染なんだから、迷惑になんて思うはずないじゃない」
優しい笑顔を浮かべながら、翔はそういった。
彼的には至極当り前なことを言っただけのつもりだったのだが、何故か栞菜は少しぽかんとしてからふふっと笑みをこぼした。
「あーあ、やっぱお兄ちゃんって肝心なところ何もわかってないよね」
「……え?」
「ま、いいや! でも許してあげる!」
またあっけらかんとした笑顔を浮かべると、栞菜は翔の腰のあたりにぎゅっと抱き付いてきた。
ええっ!? と一瞬たじろぐ翔だが、すぐに気付いた。
栞菜の体が、小刻みに震えていることに。
『……そりゃ、怖くなかったわけないよなぁ…』
ごめんね、と想いながら翔は優しく栞菜の頭を撫でる。
次からは、
次こそは、
『僕にも…誰かを守る力を…』
2、
「……わかったよ」
静寂の後に、フウの落ち着いた声が響いた。
やけに素直な反応に、リズは目をぱちくりとさせる。
何がわかったのか。
そう問おうとすると、フウは膝に手を置いてゆっくり力を入れ始める。
あの体でまだ立とうとするその少年に驚愕の意を示しながら、リズはゆっくりと後ろへ後退した。
一度のジャンプで10m程後ろへ下がったところで、リズは彼を睨むが、今のところ特に攻撃してきそうにはなかった。
いきなり奇襲を仕掛けてくるかと思ったのだが杞憂だったようだ。
「………、」リズはふっと笑みを浮かべながら、「…何がわかったってわけ?」
冷静にそう問うと、フウは相変わらず全身に力をいれたまま、こちらをまっすぐに見据えて、
「リズ、俺を信じろ」
と。
そういった。
は、と思わず疑問の声を口にしてしまった。
こいつはもしかすると物凄い馬鹿なのではないだろうか?
今までの自分の話を聞いていて、何を思えばそんな言葉が出てくるのだろうか?
そう思ってフウの精神を読み解こうとするが、わからない。
答えはただ、わからないの一点張りだった。
「……お前、今までの話ちゃんと聞いてたか?」
「聞いてたよ」
「聞いてて何が信じろだ。…しかもよりにもよって大嫌いなお前を信じろって…」
「…今から俺はお前に、最後の攻撃を仕掛ける」
最後の力を振り絞った、全力の攻撃だ、とフウは言葉を続ける。
それもそうだ。彼にはもうほとんど力など残っていないのだから。
パーティーで勝利条件となる強制変換が可能な状態までダメージがいっているくらいなのだから。
「お前は全力で俺を迎え撃て」そして、と続け、「そのうえで俺が勝つと信じろ」
思わず笑みが零れた。
ふっ、と声に出てしまうくらい、馬鹿馬鹿しい提案だった。
「アンタ、それ本気で言ってる?」
「本気かどうかくらいテメェで勝手に読み取りやがれ。精神属性の十八番だろうが」
「ふふっ、なるほどねぇ。アンタがそうとうな馬鹿だってことは分かったわ」
この少年は、自分がそんなのにのるとでも思っているのだろうか。
この少年が勝つことを信じろ?
絶対的に優勢であるのは自分なのに?
そうとうなダメージで、今なら天使にすらやられてしまいそうな相手なのに?
「ふんっ、悪いがそんなのは信じないでおく」リズは真紅な瞳でまっすぐにフウをにらみつけながら、「勝つのは私だからな」
その言葉が合図となった。
風を司る神は、ほとんど力が入らない足でこちらへめがけて走ってくる。
今にも転びそうになりながら、それでもこちらへめがけて走ってくる。
「そんなのろのろスピードで私を倒そうだなんて、残念にも程があるぞ風を司る神!」
そういうと、
フウは走りながら、ゆっくりと自分の手に風を集め始めた。
とはいえ、やはり彼自身に体力が足りていなかった。
集めた風は本当に微弱なものであれでは到底攻撃に使用することなどできないだろう。
「おい、忠告させてもらうがその風で私を倒そうとしているなら無理だぞ」
忠告に貸す耳すらないのだろうか。
それでも彼はゆっくりと、手を構えて、
――その風を、自らの後ろへと放った。
「……なっ!?」
一瞬のことにリズは思わず目を丸くした。
彼はリズの方へ風を放つのではなく、自らの後ろへ向けて風を放ったのだ。
そして、その意図の意味が理解できた時には遅かった。
「しまった…!」
風で勢いをつけたフウはばさっ、と白色の翼をはやすと、今までには考えられないスピードでリズの方めがけて飛んでくる。
「…これで、終わりだぜ……!」
「なっ…!?」
咄嗟のことに反応ができない。
それも当然のことで、本来リズは戦闘向けの神ではないからだ。
ぐさり、と胸に剣が突き刺さったのがわかった。
自分の胸から鮮血が溢れ、お気に入りだった服が段々と朱に染まっていくのが感じられた。
『…ああ…私は…、』
意識が遠のいていくのと同時に、小さい頃の記憶が溢れてきた。
馬鹿みたいに人を信じて、馬鹿みたいに裏切られて、泣いていた日々の記憶が。
まだ純粋で、こんな自分じゃなかった時の日々が。
『…それでも私は…、』
俺を信じろ、というフウの言葉が脳内に響く。
ここにきて彼女は初めて認めることができた。
『…やっぱり、もう一度でいいから…誰かを信じたいんだ…くそったれ…』
「へっ、どんなもんよ」
地面に倒れているリズに向かってにかっと笑ってみせると、彼女はただ不愛想に「……ふんっ」とだけ返事をした。
歴代順位で考えても、今回のある種の下剋上的な要素を持っていたとフウは思う。
本来なら確実に勝てない相手だっただろう。
「結局、お前は自分の中の信じたい気持ちに負けたんだな」
は? とリズは睨みをきかせながら言うが、別に怯んだりはしない。
先ほどまでのとげとげしい雰囲気とは裏腹に、今の彼女にはさほどの恐怖は感じなかった。
「直前まで信じるか迷ってたはずだぜ。けど、結局最終的にお前は自分の中にある、昔の純粋な自分の信じていたいって気持ちに負けたんだ。お前の中で変な迷いが生じてなきゃさっきの攻撃は通らなかった」
彼女がもしも完全に信じる気持ちを失っていたとしたら。
なんの躊躇いもなくフウの攻撃を避けて反撃されて終わっていただろう。
しかし、彼女は結局のところ最後の最後で迷ってしまったのだ。
本当に自分はこのままでいいのだろうか、と。
本当は、自分を信じたいと願う――幼き彼女の願いが迷いとして生じていたのだろう。
「バーカ、そんなんじゃ…」
「迷ってなかったら俺を強制返還してたはずだぜ。…なのにしなかった。俺の勝負にのった。……本当は希望を持ってたんじゃねえのか」
そういわれると、リズは初めてそのことに気付いたのだろうか。
彼女は「ちっ」と舌打ちをしてそれ以上の反論はしてこなかった。
その様子にフウは思わず笑みを浮かべると、
「へっ、よかったなリズ。そういう気持ちがちゃんとお前に残ってたんだよ!」
「はっ、何フォローするようなこと言ってんだか…」
リズはすっかり萎えてしまったような表情で呆れたように呟く。
彼女は「ちなみに」とつけたし、
「…いいこと教えてやるけど、私は迷ってなかったとしても…今の攻撃ははじけなかったよ」
「…え?」
「………テメェ強くなったなっつってんだよくそったれが」
ふいっとフウから目線を外すリズ。
唐突に来た予想外な褒め言葉にフウは思わずうろたえてしまう。
すっかり敵意の消えてしまった彼女を見て、フウはゆっくりと目を伏せた。
「…リズ、お前に言っておきたいことがある」
倒れているリズへフウはゆっくり語り掛ける。
胸に剣を突き刺したままのリズは見るからに痛々しそうだが、彼女は「なんだよ」といいながら笑っていた。
「…確かにお前の言う通り、この世界の奴らはどうしようもない闇の感情を抱えているよ。それは俺も認める」
裏切られた経験の一度や二度、フウにだってある。
見かけはさておき彼とて1000年以上生きてきているのだ。
そりゃ、それくらいの経験は持ち合わせている。
「けどな、リズ。…それだけじゃないとも俺は思ってるんだ」
最近だけだって、いろんな人間を見てきた。
絶対に首を突っ込んでも良いことなんてないのに、パーティーに参加すると決意しアイを助けた翔。
特別な力を持たなかったのに、体育祭のあの時、ただ妹のために紛争したあの彼。
そして10年前、波音を助けるために、アイを守るために死んだ光。
その意思をついで、パーティーを止めるべく頑張っている波音。
はたまた、別に放っておけばいいのに、落ち込んでいる自分を慰めてくれたカレンとか。
勿論、そういった彼らの中にも少しは黒い感情などが眠っているはずなのだ。
にも関わらず、彼らはそうやって、少なくともその時は誰かのために努力し命を懸けたり心を込めて何かを成し遂げているのだ。
「確かに腹の中では何考えてるのかわからない。…けど、それで心閉ざしてたら勿体ないだろ。世の中面白いやつがたくさんいるんだぞ? …そんなの、精神属性のお前のほうがよっぽどわかってんだろうが」
だから、その…、といったところで、リズのため息が耳に入ってきた。
彼女はあきれたような顔でこちらを見ると、
「ばっかばかしい。どこまでお人よしなんだ。…そもそも精神属性の私に精神関連の説教なんざお前何様のつもりだよ」
「なんだよ可愛くねーな」
「可愛くなくて結構そんなの自分が一番知ってるっつの」
リズはゆっくりと上体だけ起こすと、
「あーあ、なんか今回のパーティーで完全に萎えたわ。しばらくは何もしたくないって感じだな」
「……あれ、それじゃあ…」
「お前の勝ちだよ。さっさと強制返還しろっつの」
急かされるように言われて、フウは「お、おう」と焦ったように返事をする。
これ以上何か言うとリズのことだ。
またどやされそうな気がするのでもう何も言わないでおこう。
フウはゆっくりとリズの前に立つと、
「…それじゃあいくぞ」
「前振りはいいからさっさとしろ。いつまで私を血だらけのままにしとく気だ」
「…テメェ…それを言ったら俺もだいぶお前に痛めつけられたけどな…」
改めて。
こほん、とフウは咳払いをしてから新緑の瞳でまっすぐリズを見据え、
「――精神を司る神、強制変換!」
その声と共に、光の球がリズに向かって集まってくる。
何度見ても慣れないこの光景に目をしかめていると、
「風を司る神。…消える前に、最後に一つ言っておく」
「あ? なんだよ?」
リズは、
精神を司る神は、
今までのにやりとした笑いではなく、今度は綺麗な笑みを浮かべると、
「…私、やっぱりお前のことが嫌いだわ」
その言葉に、フウは思わず面食らったような表情をする。
そして、フウはそれに対してやりと笑うと、
「気が合うな、俺もだよ」
と、軽快な声で返答した。
それが最後。ぱんっ! と光が包むのと同じタイミングでリズの姿は消えた。
「………ってー…」
終わったのと同時に、フウは地面に倒れる。
治癒力の高い神だが、これではしばらくは動けないだろう。
痛めつけてくれたな、と思いつつもフウの顔には爽快な笑顔が浮かんでいるのだった。
パーティー第三戦目、風を司る神 対 精神を司る神。
勝者、風を司る神。
4、
正直、空き地にいた洗脳された人々など神であるアイにとって敵ではなかった。
片づけ終えた後の彼女は、パートナーを心配して慌てて彼の元へと向かった。
認識疎外のせいで場所がわからなかったが、そこはカレンが来て教えてくれたので難なく向かうことができた。
翔がナイフに刺されそうになった時も、彼女は氷結で助けようとしたが、あの時は炎でなんとかなった。
その後も、翔がピンチになったら助けようとは決めつつもなんとか乗り越えられたために彼女は出ていくタイミングを見失ってしまっていた。
そして、それ故に彼女は一部始終を見てしまっていた。
具体的に説明するのならば、抱きしめた状態で、栞菜の頭をなでている翔の姿を。
「………、」
何故か胸がざわつく。
その不思議な感覚に、彼女はまた気づくことはなかった。
風編も残る一話…!
2014年も残るところあと5日? ですね!
とりあえず来年には安心して次の章に進めそうで、またリアルの忙しい行事も片付いて安心しております…!(*´ω`*)
なんにせよ残り一話も早めに更新しますのでお楽しみに…! それではまた次でお会いしましょう!




