驚いた4話
「まあ、昨日までとは全然違う生活になることは確定ね」
「確定なの!?」
「あら、あなたに拒否権があると思ってたの?」
なかったのか…
「それで、俺はこれからどうすればいいんだ?」
「とりあえずコレ読んでサインして頂戴。
そうしたら組織に連れて行くから」
「組織…ああ、海外に息子一人置いていった母と父よ。
俺は中二な世界へ引きずり込まれたようです」
変な事を言いつつなぜかいきなり現れた紙に目を通す。
なになに…
「中二言うな!!」
あなたは覚醒者です。
なので組織《Woke》(以下W)に入っていただかなければ事故で死ぬことになります。
「怖っ!!!!!
脅しじゃねえか!!!!」
「仕方ないわよ。一般人にそんなすごい力使われたら困るじゃない。
ちなみに組織の意味は『目覚めた』だった気がするわ」
「た、たしかに…」
Wは一般には公開されていませんがようは会社です。
「会社!?つまり働けと!?」
「ええそうよ」
Wからはしっかりと給料が出ます。
Wに属していれば進学にはある程度融通が利くようになります。
Wに属していれば就職する必要もありません。(ただし働きたい人は働けばよい)
Wに対して憲法の一部が働きません(労働基準法など)
Wの仕事で死んだ場合には事故として処理されます。
「最後二つが怖いんですけど…」
「仕方ないじゃない。でも安心しなさい。
最初のうちはでしゃばらなければ死ぬことは少ないから」
「安心できねえ!!」
「そして神様居なくなったら時間止められないし、ごまかす必要なくなるから事故なのよ」
「たしかに!!」
衝撃の事実である。
てか、神様居なくなったらごまかせないのね…
「っと…これでいいか?」
「ええ、ありがとう。
それじゃあ、Wに行くからついてきて」
そう言って彼女は手をかざした。
すると…
「もう、いいや。Wがどこにあるかとかどうでもいいや」
「賢明な判断ね。ちなみにWは異次元に創られてるわ。どうやったかはしらないけど」
彼女が手をかざすと、黒い穴が開いた。
その穴に入っていく。
「俺もここに入るのか…」
「にゃん」
「ちょっ…」
俺のひざの上で寝ていた猫がそこに入っていく。
…俺も行くか。
「わお」
穴を抜けると町に出た。
見たこともない場所だ。
後ろを見てみるとデカイ青い玉が浮いている。
玉には10と書かれている。
「楠、さっさといくわよ」
「ああ」
「にゃん!」
「ちょっ」
猫が俺の肩に乗ってきた。
……………かわいいな~。
「そのこの名前付けときなさいよ?
多分一生を共にするでしょうし」
「名前ねえ…」
とりあえず彼女についていく。
てか、すぐソコの周りの建物よりもデカイ建物に入る。
あれか?
「社長にでも会いに行くのか?」
「違うわ。Wの社長は大統領で今、逢いに行くのはWのうちで最強といわれている人よ」
「さ、最強…」
イケメンな青年が浮かんでしまった俺は負け組み。
それか漫画の読みすぎ。
「っていっても二年前目覚めて半年前になったばかりな天才少女よ」
「女の子か」
「ええ、今年で14らしいわ…私より年下よ」
んな…。
俺よりも年下…ってか。
「失礼、ハル何歳?」
「………今年で17」
「二つ上!?」
「ええい、低くて悪かったわね!!出るとこ出ても上には伸びなかったのよ!!」
衝撃の事実であった。
正直、年下だと思ってたのにな…