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woke  作者: 柿ノ木 野奇
3/9

美少女にあう2話。


 目の前に虎がいた。

 皆さんにこのことが分かるだろうか?

 なんか帰ろうと思ったら虎が居た。

 そう、つまり…


「幻覚か…」


 幻覚である。

 虎のうなり声?

 幻聴だろ?

 これは本格的にやばくなってきたな。

 救急車呼ばないとダメなくらい。

 最近疲れてるんだろうな~。

 きっとそうだ。

 でなければホワイトタイガーならぬブラックタイガーを見るだなんてありえない。


 いや、別に今現在俺の周りをぐるぐる回ったり臭いをがれているなんてことを気にしているわけではない。

 あ、正面に来た。


《ガウ》


 いや、ガウとか言われても。

 俺にどうしろと?

 いや、そんなことより…


「帰るか…」


 何、まともに取り合おうとしてるんだよ。

 幻覚だろ?

 そのはずだ。

 いや、そうだと信じたい。

 そうときまればUターン!

 家に帰ろう。

 そして病院にいこう。

 こういのは早めの対処が必要だ。

 もう、手遅れかもしれないが…

 HAHAHA!!

 帰ろう…
















 どうしよう…

 いや、なんかついてくるんだ。

 虎が。

 幻覚だとしても怖いものは怖い。

 …いや、ごめん。なんかそんなに怖くないんだ。

 何でだろうね。

 思えば昔から変な奴だった。

 いじめっ子たちの行動が面白すぎて本人の目の前で爆笑したり(ついでにボコボコにした)、友人と一緒にゴキブリに刺繍針をさして『標本!』とかいって遊んでたり(クラスの男子は爆笑してた)、カタツムリを大量に集めて道路を占領しようとしたり(五歳のとき)…俺、変人だな。

 も、もしかして最近そういうことをしてなくて禁断症状が!?

 んなわけないか…。


 さて、思考が空回りしている間に家に着いたのだが…

 なぜ家の前に美少女が居る!?

 赤い髪をツインテールにしている美少女だ。

 だが、小さい。

 身長は150無いぐらいか?

 強気な赤い目でこっちをガンミしている。

 そして驚いた表情で俺の後ろを指差して…


「虎…」


 とつぶやいた。


 …。

 ……。

 ………。

 …………。

 幻覚じゃなかったのか!?!?!?


「HAHAHAHA!何のことだろう?俺には何も見えないぞ?」


「いやいやいや!!そこに居るから!!現実から目を背けてるんじゃない!!!!」


「…まじでげんじつか」


 衝撃の事実が分かった。

 俺はおかしくなっていなかった。

 いや、ちょっとまて…


「なんで俺無事なわけ…?」


「少し、待ちなさい。確認を取るから……………もしもし。はい、そうです。それが…」


 少女はおもむろに携帯電話を取り出し話し始めた。

 いいなー携帯。

 いや、それよりも…


 ロリ巨乳って実在したんだね。

 いや、身長は低いのに一点だけすごいことになっている。

 すご過ぎるってわけじゃないけど、クラスの女子よりはあるのは一目見て分かるレベル。

 制服を見るにすぐ近くの高校の制服なのだが、いかせん…


「身長がな…(ボソ)」


「今、なんつった?ああん!?」


 まるで不良だ…。


「ごめんなさい…」 


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