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エピローグ〜そして人生はつづく〜

ヒロユキと鬼山とバレンタインとナイチンゲール。四人の人間が礼拝堂の中で目を覚ました。

彼等はレオナルドの死体とノーボディの置き手紙から自分達が死んでいるうちに何があったのかを知

ることとなった。

ノーボディ(手紙)「・・・というわけで色々あったがネクロマンサーの討伐は結果的には成功した

          あと余計なことかもしれんがお前達全員に反魂の法を施しておいた

          幸い“脳”が無事だったからな。

          一度は死んだ命だ、好きなようにつかってくれ        

                                      ノーボディ 」

彼等はまだフラフラする頭で事の顛末を把握するとそれぞれの道へと返っていった・・・・。


後日談その一

王「この度の討伐誠に大儀であった!ヒロユキよ、そなたには金鵄勲章を授け大将軍の地位に昇進

  させよう」

片膝をついて跪くヒロユキは頭を上げるとこう言った。

ヒロユキ「畏れながら・・私はそのような栄光を得るほどの立派な人間ではありません。この国を守

     るためとはいえ数多くの無辜の者達を犠牲にしてきました・・・・」

ヒロユキは敬礼のポーズをとると王に向き直った。

ヒロユキ「ですが、その者達の為にも私はこの身体尽きるまで我がシャンパーニを護り通していきた

     い所存です!」

王「うむ、よくぞ言った。もう退がってよいぞ・・・・」

ヒロユキは恭しく一礼すると王室から出ていった。回廊でヒロユキは軍服を捲り自分の腕を見た。

一度はバラバラにされた肉体がつぎはぎだらけで縫い合わされてある。

ヒロユキ「・・・・まるでフランケンシュタインだな」彼は自嘲した。

ヒロユキ・ソードマスター

その後彼は誓い通りシャンパーニの国を数々の侵略者から護りその躯が朽ち果てて尚ヤスクニ神殿へ

と奉納され、軍神としてこの国を見守り続けた・・・。


後日談その二

盗賊A「お頭だ!!お頭が帰ってきた!!」

盗賊B「すげえ・・やっぱお頭は不死身だ・・・!」

盗賊団のアジトに戻った鬼山は仲間達に出迎えられた。

鬼山「不死身か・・・・フフッ・・」

鬼山は意味ありげな含み笑いを浮かべると部下達に檄を飛ばした。

鬼山「あたぼうよ野郎共!!!さあもうひと暴れもふた暴れもしてやるぜ!!!!!」

盗賊達の鬨の声が上がった。

鬼山鉄舟斎

その後部下三千人の大盗賊団の頭領となった彼は国家転覆クーデターを起こすも捕らえられ、13回

の死刑執行の後、頭を砕かれてこの世を去った。


後日談その三

と或る豪邸の一室・・蜂の巣になった死体を何人もの黒服が見下ろしていた。

黒服「へへへ・・・やっとくたばったか・・・・・」

醜悪な老人が黒檀の机に座ってその様を見つめていた。暗黒街の首領ドンと呼ばれる男。

彼の富は暴力と夥しいまでの弱者の血で築き上げられたものだった。・・・だが、

死んだと思っていたその躯が跳ね起き、閃光の速さで取り巻きの黒服達にナイフを突き立てると黒檀

の机の上から老人に向かって銃を突きつけた。

首領「・・・・何故・・」返答の代わりに銃声が鳴り響いた。

バレンタイン「訳ありでな・・・チィとばっかし死ににくい身体になっちまったんだ・・・・・」

バレンタインは顔の上半分を無くした首領に説明した。

バレンタイン=フェアリー・ランド

復讐を果たした彼はその後不死身の殺し屋として恐れられ、裏社会にその名を鳴り響かせる事となる。


後日談その四

海の見える小さな療養所。のどかな田園風景が地平線まで続いている・・・

ラベンダーの咲き誇る庭先で、女性が一人の男の前ですすり泣いていた。

ナイチンゲール「・・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・・・でも・・もう私は貴男と一緒にはな

        れない・・・私は・・貴男とはもう違う人間になってしまったの

        不死の肉体を持ってしまった私が・・・貴男を幸せになんかできっこない・・・」

男は何も言わずに泣きじゃくる彼女を見つめていた。

ナイチンゲール「もう私のことは忘れて!貴男にはもっと相応しい人が・・・」

突然男はナイチンゲールの唇を奪った。

ナイチンゲール「・・・・・・・・・・・!?」

男「綺麗だよ・・どんな姿になろうとも君は君だ・・・・いつまでも・・僕の傍にいてくれ・・・・」

ナイチンゲールの瞳に再び涙が溢れた。だがそれは先程までの流した涙とは明らかに別のものだった。

男「僕は・・君の全てを受け入れる。君の全てを・・・・愛すると誓う・・・・!」

高原に一陣の風が吹き、2人は抱擁をいつまでも続けていた。

セント・エンフィル=ナイチンゲール

その後彼女は3人の子供と7人の孫25人の曾孫と65人の曾曾孫と189人の曾曾曾孫に囲まれ末

永く幸福な人生を全うしていった・・・・。


そして・・・地の果ての深淵にて

何処かの魔王「おのれぇ・・・口惜しや・・・・・再び封印を解いてこの世を地獄に変えてやろうと思

       うた矢先、たかが人間如きに我が倒されるとは・・・・・・・」

ノーボディ「あのー・・地獄に変えるのは勝手だけど、それより宝玉の在処教えてくんない?

      てか、なんで道聞いただけにこんなに苦労しなくちゃいけないの、アンタだって

      素直に教えてくれれば余計な手間とらせないで済んだんでしょう」

何処かの魔王「・・・だが、これで勝ったと思うなよ・・・・・

       愚かな人間共の欲望がある限り我は再び黄泉がえり・・・」

ノーボディ「そんなこと聞いてんじゃないって!別にお前のものじゃないんだから教えてくれたって

      いいだろ!!!」

我鳴りながらのノーボディの前で、79人目に出会った魔王(その内32人は何らかの理由で葬ってきた)

は息を引き取り、その存在自体が消滅した。

ノーボディ「・・・・・・また外れかよ」ぼやくとノーボディは更なる魔界の深みへと消えていった。



                          ・・・・・そして人生は続く <END>

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