第34話 暴露
結局色々あって明日出発することになり今日は休むことになった。
だが白刃は町から少し離れた森に来ていた。ラルは宿で寝ている。
「魔法の練習をするにも町の中じゃできないからなぁ、また失敗してバカでかい炎は出ても困るし、」
そう独り言を言ったつもりだった。だった、というのは後ろから声を掛けられたからだ。
「おい、待てよ!今お前魔法って言ったか!?」
ソラスだった、どうやら白刃の後をついて来たらしい。
「なんでついて来てるんだよ、そうだよ魔法だよそれがどうした?」
白刃は心底疲れた声を出した。
「どうしたってお前、魔法を使える奴なんて300年前の大戦でほとんどいないんだぞ、あんた何者だ?」
「300年前の大戦?」
白刃が疑問の声を上げた。白刃はこの世界に来てそんなに時は経っていない。そんな白刃が300年前の大戦のことなんて知る由もない。
「逆になんで知らないんだよ、300年前の大戦ってのは悪魔との戦争だ、悪魔は魔界とか言う所からいきなり来て人間に戦争を仕掛けたらしい、そんときはまだ魔法使いはいっぱい居たらしいが、その戦争でほとんどが死んで、血筋もなくなったし知識もほとんど失われたんだよ、それでなんであんたは魔法が使えるんだよ!!」
「長いなぁ、説明するのが面倒なので、簡単に言うと俺はこの世界の人間ではありません!!」
はっきりと言った白刃は説明するのがとても面倒な人間で、これから弟子になるソラスになら話てもいいだろ、という答えを出した。
「俺はよくわからない電波系少女によってこの世界に来た、非日常信仰者の黒宮白刃17歳です!!」
ソラスの口が開きっぱなしで話が進まないと思った白刃は自分から話を進めた。
「いやー突然だったね、いきなりトラックに轢かれそうになって、いきなり電波女来て、いきなりこの世界に連れてこられたんだよ。まあそれに関しては怒ってないけど。」
「ちょ、ちょっと待て、とらっく?連れてこられた?なに言ってんだ?あんた」
「まぁ混乱するかもしんないけど、これから俺の弟子になるんだから、そんなことで驚いてたら体が持たないかもしんないぞ。」
白刃は諭すようにソラスに語っていた。
「まぁ、大剣をあんだけ振り回してんだから、ただの人間じゃないとは思ってたけど、あんたの弟子か~なぁ今から稽古してくれよ。」
「また今度な、俺は今自分の稽古に来てるんだ、それに今日戦ったばっかだろ、やだねそれに稽古なら依頼中でもできるだろ。」
そう言って白刃は歩いて行く。だが白刃は一旦止まりソラスに言った。
「お前今金どのくらい持ってる?」
「は?少しなら持ってるけど・・・」
「じゃあ今からラルと飯食って来てくれる、俺はたぶん夜まで帰らないから。」
白刃は自分の言っている事を自覚して言っていた。昨晩のラルの食べっぷりを見て、ソラスに言ったのだ。つまり確信犯という事だ。
「あ、ああまぁいいけど、じゃあ明日お前の宿に行くから、じゃあな」
「おう、頑張れよ~」
白刃は大きく手を振ってソラスを送った。ソラスは疑問に思いながらも元来た道を退き帰して行った。