第33話 ぺナルティ=弟子!?
一向はギルドの演習場へ来ていた。
「得物は持ってるな!、じゃあ先に気絶させるか、降参させた方が勝ちだ!」
「おいおい、それじゃあ出発できないだろうが。」
白刃が呆れ顔で言った、勝ちを確信しているのではなく、負けは認めないという気持ちを白刃は心に刻んでいた。
だがそんなことはソラスが知るわけない。
「ほざくな!!」
ソラスが絶叫して戦闘が始まる。
ソラスの得物は銀の長剣、片方の手だけで剣を持ち白刃へと特攻していく。
「速さは認めてやるよ!!だけどな!!力の差はそれだけじゃ詰められねぇんだよ!!」
ソラスの特攻を避ける白刃、手に持つのは重量100㎏の大剣その破壊力は軽いものではない。それをソラスに向けて叩きつける。
「舐めんなよ!!テメェ動きは見えてんだよ!」
重量100㎏となれば速さもそれなりにある、それをソラスは避けたのだ。
「なに!?」
白刃の顔に驚きが覆った、さっきの戦闘では見えていないはずの攻撃が今は見えていた。
そのままソラスは白刃へと攻撃をしようとする。だが、ガキンッ!!という音が聞こえた。その正体はソラスの剣を白刃の大剣が防いだのだ。
普通なら攻撃を避けられた100㎏の大剣はそのまま力の向きに従い何もない空間を切る、だが白刃はその100㎏の大剣を一瞬で胸へと近づけソラスの攻撃を防いだのだ。
「おいおいそりゃないだろ、大剣を一瞬で動かすなんて、あんた化け物かよ?」
「化け物はひでぇな、このまま吹っ飛ばしてもいいけど、それじゃいつまで経っても出発できないしなぁ、さてどうするか?」
白刃はもう答えを出している質問をした。
「くそッ!わかったよ俺の負けだ。」
白刃はその言葉を聞き大剣を収めた。ソラスもまた剣を下げた。
「いやー見事じゃった、ソラスとやら以外にやりおるわ。」
ラルが近づいて来た、端っこで2人の闘いを見ていたラルは楽しそうに言った。
「きょ、恐縮です。」
「・・・・なぁなんでラルには敬語なのに俺にはため口なの?」
白刃が疲れた口調で言った。
「あん!!なんでテメェに敬語使わなきゃいけないいんだよ!」
「勝負に負けておいてそりゃねえだろ、それにペナルティがないのもつまらないしなぁ。じゃあこうしようソラスは今から俺の弟子。」
「なに言ってんだお前なんで俺がお前の弟子になんなきゃいけないんだよ!!」
白刃の提案にさっそく拒否するソラス。
「だってよぉ、お前ほっといたら絶対早死するだろ、それにお前はなんか俺に似てるところがあるから危なっかしいんだよ。」
ソラスは白刃の言葉に唖然としていた、それは呆れているわけではない、ただ驚いているのだ。
「俺はいつかテメェを倒す、それでもいいのか?」
「問題ないね、倒せるもんなら倒してみやがれ!」
「うむ、なんか面白そうじゃのう、ほれ握手でもせんか!」
ラルは初めてみた光景をただ楽しんでいた、2人の手と手を繋がせて握手させそれを楽しそうに笑っていたラルであった。