第32話 ラルには親切ですね・・・
白刃はギルドの受付でモンスターの資料を貸してもらい、素材集めと同時に行う予定のモンスターの大量狩猟の事について調べていた。
ギルドマスターによると、アグロナイト鉱石がある北の山にはゴブリン、オーク等のモンスターが大量発生しているとのことで、主に全滅しないように、だが多すぎないように討伐してくれとの事だった。
「しっかしまさかギルドに登録した翌日にこんな面倒な依頼をされるとは・・・」
「よいではないか、それだけ信頼されているということじゃろ。」
「でもよう、ゴブリンやオークならまだしも、ドラゴンまで居るとなると面倒そうじゃん。」
ドラゴン、と言っても色々いる、白刃達が倒すドラゴンはソーンドラゴン、ドラゴンの中では比較的弱い種でそれほど攻撃能力はない。だが素材の中にあるレッドドラゴンは炎を吐く事で有名なドラゴンだ。地震が起きる前には絶滅保護対象とされていたが、今はそのドラゴンまで大量発生している始末で危険な状態なのだ。
「ソーンドラゴンは他のドラゴンより小さいから倒すのは楽じゃぞ、だが集団で行動することがあるからあ注意せねばならんがな。」
あああ~また面倒なの来たー、と白刃は嘆いていた。
「また会ったな!!このやろー!」
突然怒鳴り声が響いた。
「なんじゃ??」
ラルが首を傾げた。見ると大量の荷物を背負った青年が真っ直ぐ白刃を睨んでいた。
「あ~ん、なんだお前か、はぁ~また面倒なのが来たよーーー」
また自分の現実を見つめる白刃。またラルがフォローに入った。
「よい、ほっとけばそのうちもとに戻る。」
「お、お初にお目にかかります!自分このたびガイド兼荷物持ちをさせていただきます!ソラスです!」
なぜかラルにはとても丁寧な言葉使いになった、
「そうか、よろしく頼むのう。さっそくじゃが出発したいのじゃが、そのまえに北の山までどうやって行くのじゃ?」
「はい、北の山までの道のりは20㎞までですが、主に歩きを基本としていきます、時間的な余裕もあると聞いていますので、のんびりとしていきましょう。」
ソラスの口調は白刃とはまるでちがっていた。そこになんとか回復した白刃が口を挟んだ。
「んで、ソラスお前ギルドに登録はしてあるんだよな?」
「黙れクソが!聞いて驚くな!俺のランクC-だ!」
「なぁラル、俺爺さんの話まったく聞いていなかったんだけど、ランクの説明頼めるか?」
爺さんとはギルドマスターのことだろう。説明の時白刃は爆睡しておりなにも聞いていなかったのだ。
「ランクとは最低ランクがF-ランク、最高ランクがSSランクと全部で22のランクがあってそやつのC-ランクは白刃のC+ランクの2つ下になるの。」
「らしいぞソラス、お前と俺を比べたら俺の方が上らしい。」
「ちっくしょう!!どこまでもバカにしやがって!もう切れた出発する前にもう一回決闘しろ!」
ソラスは真っ直ぐ白刃を睨んだ。
「ん~まぁいいか、んじゃさっき聞いたギルドの演習場に行こうか、もう一回お前の実力を試してやる。」
ランクはF-、F、F+、Eー、E、E+、Dー、D、D+、Cー、C、C+、Bー、B、B+、Aー、A、A+、Sー、S、S+、SSになっています。
見にくいかもしれませんが勘弁してください。