第26話 ソラス
店の裏へ来た白刃は少し開けた広場みたいなところに居た。
「なあ、おっさんどこに居るんだその浮かれとんちきの奴?」
「どこだろうなぁ、おーいソラスどこだ―!!お前に挑戦者だぞー!!」
そう言うと上の方から声がした
「なんだー親父、ついにボケたか?俺に勝てる奴がいるなんて、笑えない事言ってんじゃねーよ。」
白刃が上を見ると、木の枝らしき物に腰を掛けている歳が10代後半の青年がいた。
「ボケじゃねーよアホたれ、ついにテメェの鼻へし折る時が来たんだよ。そんなとこにいないでこっち来てよく見てみろ、なりはひょろひょろだが剣は相当できるらしいぞ。」
白刃の額あたりの血管がピクッ、と動いた。
「あん、おいおいまさかそこにいるひょろひょろのガキじゃねェだろうな?おいおい勘弁してくれよ、いつからここはガキの遊び場になったんだ?」
ピクピク、と白刃の血管は動き続ける。
「そう言うな。ほらさっさと降りてこい、このひょろひょろがどんだけ強いのか自分の目で確かめてみろ。」
ブチンッ!!、と遂に白刃の血管が切れる音がした。
「おらッ!!テメェー等、なにさっきから人の事をひょろひょろ、ひょろひょろ、おい!!だいたいなそこのガキ!!テメェは俺とそこまで歳は離れてないだろ!!つべこべ言ってねェーでさっさと降りてこい、このチキン野郎!!」
ブチンッ!!、という音が今度はソラスと呼ばれた青年の額から聞こえた。
「あぁ?どこのだれだか知らねぇが、ザケた事言ってんじゃねーよ、ひょろ男ぉ!!」
そう言ってソラスは木の上から飛び降りた。よく見ると手には木刀らしき物が握られている。
着地すると、1本の木刀を白刃に投げ渡す。
「ボコボコにしてやるから、覚悟しろよ、ひょろ男!」
次の瞬間、合図もなしにソラスが動いた。