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勇者を利用する者たちの冒険 SPINOFF STORY  作者: とり飼ジン


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氷熱(ひょういき)のナギ ②


 リリネッドが勇者になる5年前。ナギが眠ってから786年後。

氷の中に包まれていた、氷が解けてナギは目覚めた。

村は無くなり自然が広がっていたが周囲は白い地面にへと変化して雪景色一色へとなっていた。

ナギは頭を押さえ、記憶整理する。


「う~~~ぅん。(そう言えば、体が凍り付いて…でもヒロマが氷で閉じ込めてくれて……。)そうだ」


 ナギは周りを見渡しながら走り出す。


「(村は? みんなは?)」


 戸惑いながら記憶とズレがある風景にわからず、脳が混乱してしまった。

そこに一人の男が近づき立つ。


「大丈夫かい、お嬢ちゃん?」


 髭ずらのおっさんが話しかけて来たそう思いながらナギは整理がつかないまま男に話しかける。


「誰だ貴様は?」


「ボクの名前は、ゴウダ。旅人で考古学者だ。君は?」


「ナギ…。だ」


「ナギ君。君に聞きたい事がある。なぜ、君は巨大な氷の中にいたんだい?」


「氷の…。いや……」


 ゴウダは胸ポケットからスキットルを取り出すと同時にメモ帳が落ちた。

メモ量は風で靡きパラパラとめくれて行く。

ナギはそれに目が行き、書かれていたその内容に驚く。


「おい…おい!! ここに掛かれている事は真実か!?」


「あ、ああ。そうだよ。そこに掛かれているのは数百年前、詳しくは約800年前に起きたであろうことだ」


「800年前!!」


 メモ帳にはその村で起きた悲惨な事件や、新たに土地が制作されるも工事中にモンスターが襲ってきてその制作もなくなったりと同じようなことを繰り返した事。

ヒグマの様なモンスターがなんどもこの土地を訪れ襲う事。

そのモンスターを勇者が倒してその後、モンスターは襲ってこなくなったこと。などが書かれていた。

すべて読む前にゴウダにメモ帳は取られてしまう。


「(モンスターを勇者が倒したことで体の凍りが消えたのか? ヒロマに感謝だな)」


「で、君はなんであんな中に?」


「アンタに取っては大昔になるがそこに掛かれているモンスターに襲われた時に」


「襲われた? 大昔? それを詳しく。ボクはこの土地に隠されてい……謎を解きたくって」


「謎?」


「いろいろと謎がある土地なんだここは。モンスターは近づかなくなったとはいえそれは魔物が寄ってくるからだ。アイツらが居なくなったらモンスターは多分、寄ってくる。その理由が知りたい。多分、どこかにモンスターが好む臭いとか近づきたくなる物があるはずなんだ」


「そんなものが? 知らんぞ!」


「そうかあ……。ボクはもう少しここを調べたら離れるよ」


「その前に、魔物ってなんだ?」


「魔物っていうのはアレだ!」


 ゴウダが指を差した先には魔物がウロついていた。

その中の一匹がこちらに向かって来た。


「モンスターとは多少違うんだな」


「ボクの調べではモンスターは本能のまま生きる生き物でレアリティが高いほど凶暴で危険だという事。魔物は多少知恵がある生き物だ。あとはほとんどモンスターと変わらんがね。それでも危険なのも変わらない」


 ナギは向かってくる魔物に構えるが、どうしたらいいのか迷った。

ナギを守るようにゴウダが前に立つ。


「下がってなさい。君の状況は理解した。ここはボクがやろう」


 ゴウダは拳銃を取り出し魔物に発砲する。

魔力が込められた弾丸は魔物に直撃して倒された。


「コイツは弱い方の魔物だからこれぐらいで倒せる。だが、これ以上のレベル高いとこれでは勝てない。俺は戦闘の職種じゃないからな」


「職種?」


「職種というより役職……なんていえば。まあ、自分に合った仕事をするって事だな」


「自分に会う」


「まあー、まだ君は若い…いや違うなもうそんな時代じゃないか。戦いたいならこれを君にやる」


 ゴウダは一本の剣をナギに渡した。


「ボクは剣術はあまりなんだ。君なら使いこなせるかもしれない。才能が有れば」


 ナギは剣を受け取る。

剣を見てナギは、チサ、ヒロマを思い出す。動き、戦術、そして心へ。すべてを叩き込まれたことを。


「ゴウダさんだっけ、もう少しこの世界の事を知りたい。アンタの命は自分が守るからまだ当分はここにいてくれないか?」


「フッ。いいだろう。まだこの辺の事を完璧に調べ終えてないからいいよ。 (この子供からは不思議な感じがする。もしかしたらこの子は贈り物持ちなのか?)」


 ナギはゴウダと握手を交わす。



 ●●●



 数ヶ月後、ナギはこの世界の事を知った。怪物の王はある冒険者によって倒され、勇者と呼ばれることになった事その数十年後、魔帝界からの王が世界は支配している事。

そんな話を魔物の巣の様な場所の洞窟に入って話していた。


「幹部が、定期的に着てこの世界を見回りしている。どうやら勇者を探しているらしい。いや、勇者になりえる脅威が現れないようにかな」


「まあ~脅威は早めに潰すのが得策だからなあ」


「それにしても君がここまで強くなっていくとは思わなかったよ」


「誰だとっ思っているんだ?」


「フッん」


 洞窟の中に入って数時間、下へと降りていき光る結晶の場所を通り過ぎて、さらに奥へと進む。

移動中も魔物が襲ってきたがナギがサクッと倒す。

進むに連れ薄暗くなる中、広い場所にたどり着いた。ゴウダはたいまつをあっちこっちに付け、ナギは剣の刃を光らせてその場所をみる。

そこには小さな石に祠が置かれていた。


 ゴウダは祠を調べる為に小さなドアを開ける。と同時に天井に張り付いていた大きなモンスターが襲って来た。

祠の中に箱が入っていた。箱には封印術が掛けられていたが禍々しいオーラを放っていた。


「これが原因か? 祠の扉にも封印術が掛けられていたが……。兎に角、これが手に入れば」


 ゴウダが祠の中の箱ごと鞄にしまい込む。


「ナギ、奴らが集まる原因を手に入れたここを去ろう」


「いや、コイツを倒さないと追ってきてしまう」


 ナギが魔力で光を強くしてモンスターの姿の全体が見えた。

ムカデの様な姿をして大きな体のモンスターがそこにいた。


「(こんな大きな生き物が大人しくいたのはこの箱の中の物があったから。封印術が解けたことで暴れだしてしまったという事か) ナギ!!」


「ゴウダ、お前は先に出るんだ。囮になる」


「そ、そんなことをできるか!!」


「君との契約だろう。君の命を守るのが仕事だ」


 ナギは、ゴウダが動かないのを見て、剣を振る風でゴウダを入り口へと吹き飛ばす。


「さぁ、行け!!」


「ナギ」


 ゴウダは何も言わずのそこから離れた。

ナギは巨大なムカデのモンスターと戦うも体は硬く剣の魔術をでも傷一つ付ける事が出来なかった。


「コイツ、斬れない。どうしたら? せっかく助かった命だあ!! こんなところで…。こんなところで!!」


 ナギは魔力を剣に込めたその時、ナギの魔力に耐えられなくなった剣がバキバキに割れて砕けた。


「な!!」


 驚き動けなくなったナギは巨大なムカデの様なモンスターに攻撃され吹き飛ばされた、お手玉の様に何度か弾かれたあと、入口の奥の方へと飛ばされた。

ナギは深傷を負う。ムカデの様なモンスターはこちらに来ていないのを確認してから洞窟に出ていった。


 洞窟に出て少し歩いた先に自分が生まれ育った村が目に入った。

村は魔物に襲われていた。村はボロボロとなり黒い煙がたっていた。

ナギは深傷を抑えながら村へと走り出して落ちているボロイ剣を拾って魔物と戦う。



 ●●●



 真っ暗の中、聞いたことがある声が耳に入る。


「なんだ、死んだのか? 本当に大事な時に負けてしまう奴だな。さっさと目を覚ませ。怪物の王はまd……」


 聞こえたことがある声は少しつづ声が聞こえなくなってきた。


「いいか………お前………この刀を渡s……」


だが、ハッキリと聞こえてきた。


「師匠の形見だ。形は多少変えたが、君が扱いやすくしといた。精々、生き残る事だね」



 ●●●



 ナギは目を覚ます。魔物は村を襲い続けていた。

仰向けで倒れていたナギは青く広がる空を見る。その状態でどこか懐かしく感じる刀を握っていた。


「時代が違うハズなのに、空の色は変わらないのだな」


 ナギは起き上がり刀を握り締める。

その瞬間、全魔力が吸われる感覚に襲われる。物凄い勢いで魔力を吸われ自分の中の魔力がゼロになった。


「な、なんだ! これでは魔物と戦えない。どうしたら」



 ●●●



 ナギは、どこか懐かしい場所に座っていた。

畳の上で正座し、そこから見える外は池と鹿威し(ししおどし)がある。

ふと、前に同じように座る人がいた。その者は着物を着て、口元を袖で隠して目の前に座っていた。


「お前さんがナギだな」


「(なんだ、この女は?) そうだ、俺がナギだ」


「俺? 女子なのに俺かあ~。まあ別に差別とかではないよ。これは一般的なマナーとしての指摘だ。私の前では、その口調は気に入らぬ。そうだな、チサと同じような口調で喋れ」


「ん?、え…?」


「そうすれば私の力を貸してもいいよ」


「貸す。誰なんだ?」


「私は魔烈刀(まれっとう)。お前さんが握りしめている刀の……まあ~人の形としてあらわした姿の様な物だと思ってくれたまえよ」


「あの刀の姿? 余りにも信じられない。さっきまで俺は」


「お・れ! いやや~その俺というの」


 ナギは考え込み、渋々、仕方がなく、真似してみた。


「わ、わ、ワシに力を貸してく…だじゃい」


「ん…まあ~いいよ、それで。常にそれで喋る事、いいね。そうしたらこの魔力を吸い続けるこn」


「ちょっと待て、魔力を吸い続けるって? というかどんな力を持ってんだよ」


「だよう?」


「うっ! ……。じゃあ」


「簡単に言うと、私の力は『魔力を吸う』代わりに『お主は魔力に関わる魔法を一切、効かなくなる』。それだけではなく、私の魔力は底知れぬものなのでなあ~、魔力を使いたいときは私に許可してからだな」


「魔力を使いたいときは、許可というか承諾を得たうえで使えるようになる」


「お主と私は一心同体ということだよ」


「なるほど、面白い」


「ん?」


「チサも同じように奪っていたという事じゃな」


「ああ、彼女は私を雑に扱ってはいたが嫌いにならなかった者だった。まあ~、チサはまだ私の力の半分も使いこなせなかったけど」


「チサが!?」


「お主は私をうまく使ってくれよ。その分、魔力はいただくがなあ」


 魔烈刀まれっとうは口角を上げて言った。




 ●●●



 ナギがハっとして周りを見渡すと元の場所に戻っていた。

魔物達はナギに向かって来ていた。


 目を瞑り、刀におでこに当てる。


「(チサ、ヒロマ。あなた達の想い受け継ぐ。精々、あの世で見守っていてくれ) お主達はおr……いや、ワシが相手じゃあ!!」


 それからナギは生まれ故郷を守り、そして城に積みつくようになった魔物と戦い。そして、その戦闘している所をみた者から『鬼』と呼ばれるようになった。


 そして5年後、ナギの元に勇者が現れる事になる。


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