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甲州八珍果と農家と宇宙人

作者: 山本 誠司

いただきます

第一章:星の果実を求めて

宇宙の果て、味覚のない星から一人の宇宙人が旅立った。

彼の名は**ミトゥル**。

栄養は足りていたが、心が満たされる「味」を知らなかった。

星々を巡る中、彼は青い星・地球に辿り着く。

そして、山々に囲まれた盆地に降り立った——**山梨県甲州市**。


第二章:八つの果実との出会い

農家の**誠一さん**は、代々続く果樹園を守っていた。

その畑には、**甲州八珍果**が揃っていた。


- ブドウ:星のように輝く粒

- モモ:柔らかく、香り高い

- ナシ:水のように澄んだ甘さ

- カキ:干してもなお、深い味わい

- クリ:秋の記憶を包む実

- リンゴ:酸味と甘みのバランス

- ザクロ:宇宙の構造に似た果肉

- クルミ:知恵の実と呼ばれる核


ミトゥルは一口食べて、言葉を失った。

「これは…心が震える…」


第三章:農家と宇宙人の共鳴


誠一さんは笑って言った。

「これは縄文の頃から続く味だよ。君の星にも、伝えてくれ」

ミトゥルは果実の種を持ち帰ることを願った。

だが誠一さんはこう答えた。

「種だけじゃダメだ。**土と水と風と人の手**が揃ってこそ、味になる」


そこでミトゥルは決意する。

地球に残り、農業を学ぶことにしたのだ。


第四章:宇宙農業の始まり


ミトゥルは農作業に励み、出汁の取り方を覚え、干し柿の作り方を習った。

やがて彼は、宇宙人向けの果樹園を開き、星間観光客に**「地球の味」**を提供するようになる。


第五章:八珍果外交条約


数年後、宇宙評議会は地球との友好条約を結ぶ。

その名も——**「甲州八珍果条約」**。

条項にはこう記されていた:


- 第1条:果実は文化であり、外交手段である

- 第2条:農家の知恵は星間共有資産とする

- 第3条:毎年、甲州市で「銀河果実祭」を開催する


終章:味覚は宇宙をつなぐ


一粒のブドウが、星々を結ぶ

一口のモモが、言葉を超える

甲州八珍果は、地球の心

—そして、宇宙の共通語—

```



ごちそうさま

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