【第8話】元12神VS12神+国王
「魔力は使わない方がいいぜ、セラフィットのおっさん。使えば使うだけ中にめり込む」
ア・ガマ・セヌカ、禁忌魔法のうちの1つであり、魔力が槍の本数に比例して多く消費される。
「防御貫通に加えて回復無効とは、なんという魔力タンクじゃ、」
人を辞めた今、3と言わず4つ同時に魔法を発動できる。私の場合、詠唱を唱えずに使用出来るため、何を使うのか相手がその技を見るまで分からない。
「大人しく来てもらおうか。長老の国王さんよ」
「こんなもの生ぬるいは、我が真価を」
「何やってんだセレス!!」
先程壊した扉からソビアが中に入ってきた。12神序列8番 ソビア 12神特急魔法を複数使用でき、ワンオンワンが非常に長けている。
「何って、こいつの大罪を償わせて、セレスを生き返らせるんだよ」
「今すぐ国王にかけた魔法を解除しろ、出ないとわかるな」
「嫌だね、こいつは私達を騙したんだ、私が禁忌魔法を知ってればシリウスは生き返ったはずなのに」
「シリウスは生き返らねぇ、お前は誰かに洗脳されているのか」
「違う!こいつが蘇生魔法を周囲に知らせていれば、こいつが禁忌魔法の事実を周囲に知らせていれば、こいつは何もかも知っていたのに、私たちに教えなかったらだから私は」
「アビス・チェーン」
対人専用技。鎖の先端には人間に耐性のないミラーウイルスが含まれた毒が塗布され、これに感染したものは急速な老化と免疫不全で確実に殺すことが出来る。
「お前たち、そいつはもう俺らの知っているセレスはない。」
だが今の私は人では無いわけで、その毒で殺せるかと言われれば大変怪しい。ただ反乱が起きた際に見た光景はマギ紛れもない事実。避けながらもソビアと対峙を続け、杖に戻すため長老に刺さっていた槍を変形させる。
「戦いたくない、シリウスを、シリウスをただ生き返らせたいだけなんだ。」
共に魔術の研究までした仲だ、そんな奴に攻撃ができようか。自分を守りながらソビアに攻撃はせず、王城内を駆け巡る。
「受け入れろ、もう死んだものは帰らない。仮に生き返ったとしてそいつは本当にそいつなのか。」
「違う!ア・タロク:オン」
時間を止め、ソビアを関わらせないよう空間魔法を使い遠い所に移動させようとしたが、時間魔法を使えるものは2人いた。
「ア・タロク:解除」
時は動き出し、ソビアの鎖が私の左手をかすねて、その瞬間に自らの左腕を切り落とした。
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