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【第5話】常識が覆る。

主人公・・・12神序列7番

魔法少女であり、ヘリオスのサポート全般を行い、国にあるほぼ全ての魔法が使える。メルヘンにも関わらず口が荒い。


ヘリオス(死亡)・・・12神序列3番

国内最強の魔法少女、博識で常に知識を欲している。最近は女性同士の恋愛(禁書)についての研究を行う。


シュレイドの番人・・ヘリオスを殺したミサを殺した。

敵でありながらヘリオスを生き返らせたい謎の人物

「どうすれば、ヘリオスを生き返らせることができる?」


「同価値の魂の奉納だよ。肉体の蘇生はすぐ終わるが、一度冥界に落ちたものは、その魂と同価値……12神なら、君くらいの人間じゃないと。」


「他に助ける方法は?」


「ないね。始祖龍クラスなら、お釣りが返ってくるだろうけど。」


——殺す前にそれが確認できたら、どれほど良かったことか。

もう殺してしまっては後の祭りだ。


「私もこの子が必要だ。一緒に手伝ってほしい。」


「……なぜ。」


「終焉龍の討伐と国の統一だよ。」


「あぁ……」


さすがに情報量が多すぎて、頭がついていかない。

始祖龍なんて半年前に聞いたばかりなのに、今度は終焉龍って……


「簡単に言えば、始祖龍のつがいだよ。始祖龍は世界を作り直す存在。終焉龍は世界を滅ぼす存在。どちらも我々からすれば"死"と同義なんだけどね。」


国を終わらせることが大好きな龍ばかりだそうで、そろそろ頭が痛くなってくる。


「この子はこちらで預かっとく。」


まだこの人を信用しきるには、出会ってからの時間が短すぎる。

ヘリオスの亡骸を抱き、羽を広げて宙を舞った。


「待て。君がこの亡骸を持って帰ってどうする? 肉体の修復すらできないのに。」


「国が知っているんだろ? その禁忌魔法ってやつを。」


国のために魔法少女となって、19年も人生を捧げてきた。

あんな情報を聞いたとしても、私は確かめる義務がある。


「私だって禁忌魔法は使える。国に報告したりするなんて、死にたいのか?」


「それでも……この目で確かめたい。」


「ならば外傷だけでも直させてくれ。」


「……治せるのか?」


「魔力だけでは時間がかかるが、そこに死体があるだろう。それを使えば容易に治せる。」


皮膚が溶け、誰かも分からない黒く焼き爛れた体を集める。見たことのない円陣が開き、再生が始まった。その黒い体を液状に溶かし、その部位を当て、形成が始まる。まるで再生成物のように赤子の小さな手が生え、徐々に体に合うように伸び始める。


皮膚の再生や特殊異常の回復はヒーラーも行えるが、骨や臓器までは再生できない。

世界はどうやら狭いようで、知らないことが多いらしい。


「君は必ず戻ってくるよ。」


「ありがとうございます。……綺麗になったね、ヘリオス。」


傷跡もなく、腕も骨感のある人の形に戻り、肋骨も怪我したのかすら分からないほど完璧に治癒されていた。

けれど、その肌は、彼女が死んでいるとわかるほど冷たかった。


「ところで君、名前は?」


「セレス。」


「セレスか。いい名前だ。」


「それはどうも。」


冷たい体を持ち上げ、背中に生えた黒い翼を広げ、レグルスの開けた地上へ繋がる大穴を通り、地上へと上がる。


「なにか来るぞ! 備えろ!」


憲兵の指示で、外に集められていた弓士と魔法使いが私を囲み、いつでも攻撃できるように備えている。


「待て!!!」


「構え止め!」


聞き覚えのある声が響いた。

よく居酒屋で絡まれた百傑の一人だった。むさ苦しいほど清潔感のない髭と髪を剃り、今日ばかりはきちんと決めている。


「セレス……お前か?」


「始祖龍は倒したが、つがいがいるらしい。事情は後で話す。国王は?」


「宮殿にいる。」


「そうか。わかった。」


黒い翼を広げ、その場を飛び立とうとすると、響く声が足を止めた。


「セレス! 抱えているのはヘリオスか?」


「そうだ。ヘリオスは死んだ……そして、生き返らせる。」


「何を言っているんだ。死んだ者は生き返らない。」


「その常識が覆ったらどうする?」

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