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【第13話】目が覚めると、そこは知らない天井が見えました。

ゆっくりと瞼を開くと、見慣れない天井の装飾が目に飛び込んできた。


「……頭重っ。首も痛いし……何があった…?」


体を起こした途端、頭にズキンと痛みが走る。

あの液体を飲んでから、その後の記憶がすっぽり抜けている。……まさか、睡眠薬だったのか?


「……誰もいない? ていうか、広っ!!」


寝室を見渡して、思わず声が漏れた。

一人の人間が横たわるにはあまりにも豪華すぎる空間。壁には金色の装飾が施され、シルクのカーテンが風に揺れている。この広さ……私の家全体の延べ面積を軽く超えるレベルだ。


「……てか、この抱き心地……?」


妙に触り心地が良くて、昔飼っていた大きな犬を思い出す。誰が用意したんだろうと、横にあった抱き枕を確認する。


「うわっ、きっしょ!!」


反射的にベッドから抱き枕を掴み、正面へ投げつけた。投げた先で、仰向けに転がる抱き枕にはウエスタの全身が描かれていた。


「アントンとキレネもいますよ」


「需要ないだろ!!!」


声を張り上げて横を見ると、確かに右側にはアントン、左側にはキレネの等身大抱き枕が並んでいた。しかもクオリティが異常に高い。


「技術、すご……」


呆然としたまま枕元を見つめていた。


「お目覚めですか。お元気そうで何よりです」


トレーを手に持ったウエスタが、突然何もない場所から現れた。ワープか……!?


「面倒だったのでワープしました」


「そんなに手軽に使えるの!? そのワープって!!」


信じられない顔で問い詰めるが、ウエスタはさらりと受け流す。


「あの……ここって……?」


「我がギルドの敷地内です。貴方様は最高位ランカーですので、このような待遇になりました。」


「ランク……?」


『ランクとは――』


「いいから説明しないで!」


反射的にヘッドギアを止める。

……ランク制度? 12神とか100傑みたいなもの?


「ウエスタ、私ってそんなに高いの?」


「はい。私に次いで7番目です。評価基準は日々更新されますが、今のところ貴方‘私に次いで’7番目です。」


「主張すんな厚かましい」


7位……。確かに縁起のいい数字だけど、私よりも強い人が目の前のこいつ含めて6人もいるってこと?


「……セレスは?!」


急に胸騒ぎがして問いかけると、ウエスタがすぐに答えた。


「現在は王立シュレイド第1病院で管理しています。体の腐敗を防ぐため、特殊な装置で冷凍保存されています。」


「大丈夫なの?」


「大丈夫です組織の損傷がないよう厳重に保管されていますので安全です。」


「良かった……」


ウエスタの答えに、張り詰めていた胸が少しだけ和らいだ。安堵のため息をついたところで、ウエスタがベッド横に透明なテーブルを具現化した。まるでガラス細工のように滑らかな素材だ。その上にトレーを置き、私と視線を合わせて微笑む。


「これは?」


「『オニギリ』という食べ物だそうです。およそ6000年前に存在した『ジャパン』という国で作られたものだとか。」


「このぶよぶよしたのは?」


「『ライス』と呼ばれるものです。それを粘度を使って一つにまとめたものが『オニギリ』です。」


三角形の小さな白い塊……これが『オニギリ』?

恐る恐る手に取って一口かじる。


口に入れると、ふわりとほどける柔らかさ。

優しい味が口に広がっていく。


「あ、意外といけるかも……」


「昔はこれに魚や鳥を入れて『シーウィード』と呼ばれるものを巻いて食べていたそうです。 現在は詳細が不明で研究が進められています。」


「……へえ……」


なんだか文明のロマンを感じる話だ。


「お気に召されたようで何よりです」


「特に体に異変は?」


「全然?」


「それは良かったです」


「……もしかしてさ、これ食べるのって私が最初?」


「ええ、試作品第1号です。」


「毒味に私を利用するな!!」


瞬間、横にあったアントンの抱き枕をウエスタの頭に叩きつける。


「いてっ」


「てか、なんで私の等身大抱き枕まで作ってるの!?」


「安心してください。需要はあります。」


「どこに!!」


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