表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/14

タイトル未定2024/11/18 10:44

コルセットの調整はなかなかに難しく、

きついと患者さんに負担をかけるし

反対に緩いと、保護の意味がなくなる。

経験の浅い堀は加減が判らないのか、ぎゅうぎゅうに締め付けるので

だんだん青木さんの顔が紅潮してきた。

マリーアントワネットじゃないんだから、そんなにきつくしなくても・・・

流石にマズイかも と思った刹那 いきなり


「おろろろろ~おげぇ」


という異音とともに、 青木さんの口から朝ごはんが噴射された。

シン・ゴジラ登場! ゴジラVS越後屋!


「いーーーやあーーーーーー!」


ゴジラの攻撃をもろに頭にくらった堀は

女みたいな悲鳴を上げながら、汚れた白衣を脱ぎ棄て

患者をほっぽらかし 病室から逃走してしまった。

青木さんはとみると、吐いたせいでスッキリしたのか

さわやかな笑顔で、堀に向かって


「いってらっしゃぁ~い」


と手を振っていた。

あまりの展開に驚いたが、先日のしゃぶしゃぶ事件で学習した私は

患者様ファースト、青木さんの清拭を手早く済ませ、

床の掃除に取り掛かった。


私達 看護師にとっては吐しゃ物の清掃なんて、

汚さレベルで言ったら ほんの序の口。

下の世話だっていちいち汚いなんて思っていたら務まらない。

前に佐藤さんと休憩時間にそんな話になり、

今までで最悪はどんな患者さんでしたか?と聞いたら


「そうねぇ、全く通院せず糖尿を悪化させて足が化膿しちゃった男性患者かな。

見た目も相当だったけど、一番きつかったのが臭いよね」


足の指を怪我したので、自分で適当な薬を塗り包帯を巻いていたのだが、

あまりの悪臭に本人も耐えかね、来院。

その時点でふくらはぎまで変色していて、

百戦錬磨の担当医師も流石に厳しい顔になったそうだ。

そしてぐるぐる巻きになった包帯を取った瞬間、

診察室は凍り付いた。

くるぶしから先の足は半分溶けかかり、

指先は既に白っぽく骨が見えていて

そこを無数のウ〇虫が這っていたという。

(近年 マゴットセラピーと言って

ウ〇虫の力を借りて傷を治す治療法が注目されたが

あくまでもあれは医療用の虫)

というわけで どうか皆さん、血糖値にはくれぐれもお気をつけください。

そうなのだ。 こういう汚めの作業を行うコツは、

他の事を考えるのが一番。

私はせっせと床をふきまくった。

が、これが裏目に出た。

青木老人は既に覚醒していたのであった。

研修医が目覚めさせてしまった青木さん

大騒動が 今 始まる・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ