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渡るものたち(仮)

人魚

作者: 襾犲 邑

なんてことない短編。


こちらはpixivで載せた落書き四コマを文字にしました。

よくある同人ネタに近いテイストのものになるかと思われます。

そういうのが苦手でなければどうぞ。



「夏といえば海」ってことで、みんなで海に出かけました。

そんなどこにでもある風景。


「あっち見てくるー」

早々に泳ぎに飽き、磯の生き物を見に行こうと岩場へ向かうエリー(仮)


「あまり遠くに行くなよー」

注意するガルヴァートの声を他所に、エリー(仮)は磯部を探索しだした。



「……」


散策し始めて少し奥まったところ,人のあまり来ない岩場にくると,何やら動くものを見つけた。

ゆっくり近づき、じっと見ていると、それは動いた。



ザザァ……


ピチ...ピ...


どうやら磯部に打ち上がっていた半身の魚を見つけたようです。

人並みに大きく、上半身はおよそ魚とは言い難い肌色をしていて人間のようです。

しかしその下半身は二本足ではなく、魚独特の鱗があり、太陽光を反射して光ってました。

まるで物語にあるようないわゆる『人魚』です。

まだ息はあるようで、首のところに開いたエラがヒクヒクしていました。


じゅるり……


(刺身にしたらみんなで食べれるかな?)


どうやらバーベキューみたいな網で焼いて……とか思ってるんでしょうか。


このままでは人魚のピンチです。

というか食べてもお腹壊しそうです。



-------------------------------------


「エリー(仮)、何かいたか?」

そんな中、エリー(仮)の後ろから声をかけたのは保護者のガルヴァートだ。

泳いでいたのか,これから泳ぐのか,大きめの浮き輪を抱えている。



「ああ、今日のおかずを見つけたんだけど,なんのメニューがいいかなって」

思って。

と指さす先には,息も絶え絶えの人魚。


「いや違うだろ。」

思わずツッコミをするガルヴァート。


「まだ生きてるじゃないか」

「鮮度抜群……」

そういう問題じゃないと叱る。


「う……ん……」

人魚は目を開けました。

「気が付いたか?」

「―?!ここはもしや?」

ぼんやりとした目でガルヴァートを見てきた人魚の質問に

「うん、天国だぜ」

しれっと冗談を言うガルヴァート。

「おい」




「助けて頂いてありがとうございました」

ぺこりと会釈をする人魚。

「どーいたしまして」

「じゃあな。今度は気をつけろよ、人魚サン」

少し目線を逸らしてぶーたれるエリー(仮)に持ってきた浮き輪をつけ,ガルヴァートは手をあげて返答する。


「はい、ご機嫌よう」


ぽちゃん


そう言ってうっかり食材になるところだった人魚は海に帰っていった。




-------------------------------------


そうして別れた彼女だったが、現在は職場にいる。

「おはようございます」

「おはよう」

エリー(仮)やガルヴァートのいる建物の受付嬢として。





人魚はローリンといった。

いつだったか,ガルヴァートが彼女に聞いたことがあった。

人魚のヒレはどうしたのか?と―


ローリン曰く,

「魔女に足をつけてもらいました」

とのこと。


このあたりで聞く魔女に心当たりはあったが,まさか黒氏(アイツ)のことだろうか?


こーゆーことやるのって魔術に詳しい黒氏か精霊に詳しいドゥエスぐらいだろーし、頼まれたってドゥエスはそんな可愛いことしないし。


「なぁ、黒氏」

たまたま歩いてた黒氏に声をかけるガルヴァート。

「何?」

なぜかエリー(仮)や女子には優しいのに,ガルヴァートにはツン様である黒氏。


「受付嬢のローリン…だっけか?あの子の足ってあんたが付けたのか?呼吸法と―」

「教えてあげない」


相変わらずつっけんどんに返された。

「敢えて言うなら、そうね、恋の力かしら」

「え、お前そんなキャラだっけか?」


ドスンッ


「ぐふぅ」


腹筋に強烈な亜空間パンチをくらった。

黒氏は手を動かしてないのに,見えないところからパンチが届いたのだ。

腹筋を鍛えてて良かったと思うガルヴァートだった。


「この鈍感め」

ぽつりとつぶやいた黒氏の声は本人の耳には入ってなかった。



閲覧ありがとうございます。

時間はすこし間を置いて、8/9頃に載せようと思っています

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