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第56話「銀髪美少女VS妖精猫美少女」

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 ダンとスオメタルが遺跡から戻った数日後……

 以前に約束した通り……

 情報屋稼業を営む妖精猫ケット・シーの王、ファザーガットのジャンがダンの城へやって来た。


 ジャンは転移魔法が使えない。

 しかし同じ機能を持つ稀少な魔道具『転移石』を使い、ダンが指定した場所へ、王都から跳んで来たのである。

 ちなみに、帰りも同様にするらしい。


 ジャンは先日会った時同様、人間の姿に擬態しており……

 同じく人間に擬態したひとりの少女を連れていた。

 この少女がジャンの愛娘なのであろう。


 少女は父の面影を宿す、漆黒の髪、金茶色の瞳を持っていた。

 やはり妖精猫、しなやかな肢体でスタイルも抜群だ。


 ジャン曰はく少女、愛娘はダンに憧れている……らしいのだが。


『おう、ダン、スオメタルちゃん、いやスオメタル殿。来たぜぇ』

『こんにちはぁ、勇者様。そしてついでにおばさま、こんにちはー』


 ジャンと少女はフレンドリーに挨拶をしたが……

 少女の物言いに対し、スオメタルのチェックが入る。


『はあ? ついで? おばさま? それ、もしや私の事でございますか?』


 スオメタルの問いかけに、少女は平然と肯定し、にっこりと笑う。


『そうよぉ、だってぇ、おばさまは勇者様の配下で、更に私より年上でしょ?』


『それはそうでございますが……』


『うふふっ、私より年上の女子は、み~んな、おばさまなんですも~ん!』 


 暴言を吐く少女にスオメタルは、「いらっ」と来たらしい。

 返す言葉も過激となる。


『ふっ、何がおばさまでございますか。小便臭い小娘の癖に生意気でございますね。ま、いつの世もガキは口だけが達者でございますよ』


『何ですって!』


 少女が何故かスオメタルを挑発したので、一触即発の状態になりかけた。

 ダンが制止の言葉を告げる。


『スタップ! どうどうどう! まずは挨拶、挨拶。ジャンの娘さん、はじめまして。俺はダン、ダン・シリウスだ。ほら、スオメタルも挨拶してくれ』


『そうでございました。先に名乗るのは癪でございますが、根拠のない自信を振りかざす小娘相手にむきになるのも大人げないでございますものね』


『うるさいわ、おばさん!』


『シャラップ、小娘!』


 またも険悪な雰囲気になりかけたので、ダンが再び制止。


『どうどうどう! スオメタル、名乗って名乗って』


『……ダンの妻、スオメタルでございますよ』


 仕方なく名乗るという感じで、しかめっ面のスオメタルが挨拶すると、

 ジャンの娘はしなを作った。


『偉大なるファザーガット、ジャンの愛娘、ピチピチしなやかな肉体のキャスリンで~す。勇者様には愛称のケイティで呼んで欲しいわっ』


 自分とはあまりに違う対応。

 スオメタルはまたも「いらっ」とした。


『はん! ずうずうしく且つ慣れ慣れしい小娘でございますこと』


『何ですって! おばさん!』


 ダンがまたも止めに入り、雰囲気を和らげる為、ケイティへ笑顔を向ける。


『まあまあまあ。ケイティちゃんか、宜しくな』


『は~いっ 宜しく、勇者様ぁ』


 と、ここでスオメタルがまたもチクリ。


『ふん、この子はダブスタ、腹黒、二枚舌と三拍子揃っているでございますよ』


 案の定、ケイティは激高。


『何だって~!!』


 こうなると、娘に大甘らしいジャンも注意せざるをえない。


『こらこら、ケイティ。お前、いい加減にしろ!』


『何よぉ! パパはこんなおばさんの味方なのぉ?』


 とまあ、そんなこんなで……

 ジャンとケイティの訪問は波乱の幕開けとなったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 美味い食べ物は、心身に良い。

 怒りも鎮めるらしいとは、誰かが言っていたらしいが……

 ダンはこの場の雰囲気を変える為、ジャンが希望していた鱒料理をランチで振る舞う事にした。


 妖精猫……なので、敢えて言わなかったが、塩分ゼロの焼き魚を出した。

 それもしっかり火を通した焼き魚である。

 また小骨をひっかけると宜しくないので丹念に骨抜きもしてあった。


 また猫は本来肉食が中心である。

 さりげなくジャンに聞けば、鳥肉を希望した。

 なので、ダンは先日食べた魔境の鳥をささみにし、火に良く通して、出してやる。

 当然、塩分は皆無である。


 山積みになった焼き鱒と焼き鳥を見て……

 ジャンとケイティは歓声をあげる。


「うおおおおお!」

「わあおおおっ!」


「どうぞ、どうぞ、遠慮なく」

「ガンガン食べるでございます」


 ばくばくもりもり、ジャンとケイティは本当に良く食べた。

 

 ダンとスオメタルも同じ料理の塩味付きのものを食べる。

 やはり……美味い!


 4人はあっという間に料理を間食してしまった。


 ダンとジャンが見やれば……

 スオメタルもケイティも満ち足りた表情をしていた。

 仲直りのチャンスである。


 まずはジャンが、ケイティに謝罪を促す。


「ケイティ、さっきは言葉が過ぎていて、態度も悪かったぞ。スオメタル殿に、ちゃんと謝らないと」


 さすがにジャンも愛娘の前では、気安くスオメタルちゃんとは呼べないようだ。


「パパ……」


 いまだ、ためらうケイティを前に、ジャンは深々とスオメタルに頭を下げる。


「スオメタル殿、今後は改めさせます。申しわけない、ウチの娘を許してやって欲しい」


 父だけに謝らせるわけにはいかない。

 ケイティも深く頭を下げた。


「ご、ごめんなさい! ケイティが生意気でした!」


 こうなると……

 スオメタルも、自然に謝罪する事が可能となる。


「いえいえ、こちらこそ、少し大人げなかったでございます。申しわけなかったでございます」


「ああ、俺もフォローが足りなかった」


 結局、4人が謝り合うという形となり……

 最後は全員が、笑顔となったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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