第48話「クレーム大猿②」
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ダンの魔法により、オーガ軍団が一旦眠らされてから2時間後……
腹黒いタバサと「やらかした」ヴィオラもオーガの巣の清掃から戻り……
眠っていたオーガ達も次々と目を覚ましていた。
一番最初に目を覚ました『オーガリーダー』は、ダンへ食ってかかっている。
人間の貴様が、ヴィオラのバックに居る黒幕の『親分』だろうと。
俺達の巣を超臭くした責任を取れと!
オーガリーダーは興奮の極致に達していた。
説明するのも面倒だし、こうなっては聞く耳持たずの様子なので、
ダンはスオメタルを介し、淡々とやりとりをしている。
『うん、やらかした奴らに掃除はさせといた。お前等の巣の入り口はもう臭くないはずだぞ』
ごおおおおおん!
『掃除だけで済む話じゃないだろ、こら! と言ってるでございます』
『まあ、確かになぁ、ウチの身内がすまんねぇ。申しわけなかったよ』
ダンは詫び、頭を下げた。
しかしオーガリーダーは大きく咆哮する。
うがおおおおん!
『ごめ~ん、のひと言で済む話ではないとも言ってるでございます』
『まあ、道理だよなぁ。……で、どうするんだ?』
ごはあああっ!!
おおおおおおおん!!
『俺様と勝負しろ、そう言ってるでございます』
『勝負?』
『我々オーガ一族は力を信奉する。ひ弱な人間のお前が出来るもんなら、やってみろ! 俺様達をねじ伏せてみろや』
『ふんふん』
『それと、世界で一番美人の嫁を連れやがって生意気な、くそバカリア充野郎! と、言ってるでございます』
『おいおい、何か、凄い意訳が入ってる気もするが』
『いいええ、そのまま、マスターにお伝えしてるでございますよ』
『ええっと……そんな理由で戦うのはつまらんから、やめんかと言ってくれ』
『御意でございます。伝えるでございます』
ごはあああっ!!
おおおおおおおん!!
『やっぱり怒ったでございます。ふざけるな! てめぇ、死んで詫びるか、エサにしてやると、いきっておりますが』
『う~ん。聞き入れないか……まあ良いや。趣旨は理解した。勝負は受けてやると返してくれ』
『御意でございます』
おおおおおおおん?
『マスター、いつどこでどうやるのかと尋ねておりますが』
『はあ……これから考えるよ』
どっと疲れが出たダンが、大きなため息を吐き、脱力したように言うと、
ぐわおおおおおっ!!
オーガリーダーは、自分の手で胸を「どんどん」と叩き独特な音を出した。
どうやら威嚇しているらしい。
『ぐずぐずするな、びびったか! 今すぐここでやる! ぶち殺してやる! と、えらく、いきっておりますが』
『はあ? ダメダメ。自宅もろもろが壊れる、こんなとこでやるか、アホたれ! そう返してくれ』
『その言い方は、結構な挑発行為になるでございますが、御意でございます。そろそろスオメタルも我慢の限界でございますゆえ。タバサ! ヴィオラ!』
『何で私が先呼ばれる!?』
『愚か者! お前がヴィオラを影で操る黒幕だからでございます。無関係のマスターを引っ張り出した責任は、きっちり取って貰うでございますよ』
『うっわ、またお仕置き?』
『甘い! 髪もっさもさ、くらいで済むはずはないでございます!』
『きゃ~』
『可愛らしく悲鳴をあげても無駄でございます。それとヴィオラ!』
『は、はいっ!』
『タバサの浅知恵にあっさり騙されるようでは人狼族女王の資格なし! ペナルティーとして、今日から1か月、一兵卒として働くように! で、ございます』
『ひえ~、したっぱ~!』
こうして……
ダンとオーガリーダーは、サシで戦う事となったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
1時間後……
ダンとスオメタル、そして対戦相手たるオーガの群れ、
そしてタバサ、スパルトイ軍団、人狼族は、遠く離れた魔境の砂漠に居た。
自宅での戦いを嫌ったダンが転移魔法で、全員を運んだのである。
オーガリーダーは転移魔法にびっくりし、戸惑ったが、
ハッと記憶をよみがえらせ、ダンへ突っかかって来る。
ぐわおおおおおっ!!
『この前、こうやって地の彼方へ飛ばしたのもお前だな、エサ如き人間の黒幕め! ぶっ殺し、喰ってやる、そう、いきっているでございます』
『はは、憶えてたか。そこまで言うなら、無益な争いを回避させる為と、言っても無駄だろうなあ』
ぐおおん、お~!
オーガリーダーが吠えると、付き従っていた別の一体が進み出た。
『まず、ナンバーツーのコイツが相手をする。かかって来んかい! と言っております』
『ああ、良いよ。と返してやってくれ』
ダンが返事を戻すと、スオメタルが『はい!』と手を挙げる。
『マスター』
『何だい?』
『相手が二番手を出すのであれば、こちらも私が相手するでございますよ』
『え? スオメタルがやるの?』
『はい、最近暴れてなかったのと、タバサの暴走等でストレスが溜まってるでございます、いかがでしょう、マスター』
『ま、そういう事なら構わないけど……』
『OK……でございますね。ではいざ勝負!』
スオメタルが進み出ると、オーガナンバーツーは馬鹿にしたように吠える。
ぐおおん!
『ふっ、このスオメタルを完全に舐めてるでございますか? 小娘では俺様の相手にはならん言うでございますか?』
ぐおお~ん!
『では、相手にならないかどうか、実際にやってみるでございます』
スオメタルは、淡々と言い放ち、いきなり動いた。
オーガナンバーツーは拳を振り上げ、叩き潰そうとするが、
スオメタルは既に元の場所になど居ない。
身長5mはある、オーガナンバーツーが気が付けば、
スオメタルは目前に……浮かんでいた。
ぐお!?
戸惑うオーガナンバーツー。
『消えた?……そう見えたでございますか? うふふ、あんたが、とろすぎるでございますよ』
スオメタルが言葉を返した瞬間。
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱ~~ん!!!
火の出るようなスオメタルの平手往復打ちが、
以前、ダンが魔王を半死半生の目に遭わせた必殺の高速ビンタが、
オーガナンバーツーの両頬にさく裂した。
ぶぶぶっ!!
真っ黒な大量の血の塊を吐き、
どおおおおおおおん!!
オーガナンバーツーは、地響きを立て、倒れてしまった。
平手を打ち終わったスオメタルは「すとん」と地上に降りた。
ダンへ振り返り、にこっと笑う。
『ま、こんなものでございますよ、いかかでしょう? マスター』
『こわ! 必殺の平手往復100連発か?』
『……いえ、マスターほどではございませぬ。出力50%オフの省エネ往復100連発でございますが』
『分かった! じゃあ、俺も同じやり方でやらせて貰おう』
『御意でございます。同じく手加減を所望致します。また戦闘終了の際は、奴らへの治癒魔法も所望するでございますよ、マスター』
『了解!』
呆然としているオーガリーダーへ向かい、ダンは「すたすた」と歩いて行く。
ぐお!?
ハッと我へ返ったオーガリーダーに対し、ダンは「ぶわっ」と宙へ浮き、
目前で手を振りかざす。
『ほら、今度はお前の番だ。……行くぞ!』
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱ~~ん!!!
魔王討伐の時と同じである。
オーガリーダーの両頬に、ダンの平手往復打ちがさく裂していた。
ぱちぱちぱちぱち……
『マスター、お見事! 手加減モード出力95%オフ、平手往復打ち300連発でございます!』
スオメタルがにっこり笑い軽く拍手したその時。
どおおおおおおおおおおおおおおおお~~ん!!!
既に気絶していたオーガリーダーは、
朽木が倒れるように、地に伏していたのであった。
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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
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最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開しました!》
「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」
も何卒宜しくお願い致します。




