表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/60

第48話「クレーム大猿②」

☆スクウェア・エニックス様の刊行雑誌、月刊「Gファンタジー」1月号が発売中です!

『魔法女子学園の助っ人教師』コミカライズ版最新話が掲載されております。

ぜひ読んでみてください。


東導 号 書籍化作品⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》

第1巻~7巻大好評発売中。


◎コミカライズ版《藤本桜先生作画》

スクウェア・エニックス様の雑誌月刊「Gファンタジー」に大好評連載中!

Gファンタジーコミックス

☆第4巻1/27発売予定! ※予約受付中です。ぜひご購入を!

第1巻~3巻大好評発売中!

※第1巻、第3巻は『重版』


☆書籍小説版、コミカライズ版ともども、書店様、通販サイト様でぜひお取り寄せください。

何卒宜しくお願い致します。

 ダンの魔法により、オーガ軍団が一旦眠らされてから2時間後……


 腹黒いタバサと「やらかした」ヴィオラもオーガの巣の清掃から戻り……

 眠っていたオーガ達も次々と目を覚ましていた。


 一番最初に目を覚ました『オーガリーダー』は、ダンへ食ってかかっている。


 人間の貴様が、ヴィオラのバックに居る黒幕の『親分』だろうと。

 俺達の巣を超臭くした責任を取れと!


 オーガリーダーは興奮の極致に達していた。

 説明するのも面倒だし、こうなっては聞く耳持たずの様子なので、

 ダンはスオメタルを介し、淡々とやりとりをしている。


『うん、やらかした奴らに掃除はさせといた。お前等の巣の入り口はもう臭くないはずだぞ』


 ごおおおおおん!


『掃除だけで済む話じゃないだろ、こら! と言ってるでございます』


『まあ、確かになぁ、ウチの身内がすまんねぇ。申しわけなかったよ』


 ダンは詫び、頭を下げた。

 

 しかしオーガリーダーは大きく咆哮する。


 うがおおおおん!


『ごめ~ん、のひと言で済む話ではないとも言ってるでございます』


『まあ、道理だよなぁ。……で、どうするんだ?』


 ごはあああっ!!

 おおおおおおおん!!


『俺様と勝負しろ、そう言ってるでございます』


『勝負?』


『我々オーガ一族は力を信奉する。ひ弱な人間のお前が出来るもんなら、やってみろ! 俺様達をねじ伏せてみろや』


『ふんふん』


『それと、世界で一番美人の嫁を連れやがって生意気な、くそバカリア充野郎! と、言ってるでございます』


『おいおい、何か、凄い意訳が入ってる気もするが』


『いいええ、そのまま、マスターにお伝えしてるでございますよ』


『ええっと……そんな理由で戦うのはつまらんから、やめんかと言ってくれ』


『御意でございます。伝えるでございます』


 ごはあああっ!!

 おおおおおおおん!!


『やっぱり怒ったでございます。ふざけるな! てめぇ、死んで詫びるか、エサにしてやると、いきっておりますが』


『う~ん。聞き入れないか……まあ良いや。趣旨は理解した。勝負は受けてやると返してくれ』


『御意でございます』


 おおおおおおおん?


『マスター、いつどこでどうやるのかと尋ねておりますが』


『はあ……これから考えるよ』


 どっと疲れが出たダンが、大きなため息を吐き、脱力したように言うと、

 

 ぐわおおおおおっ!!


 オーガリーダーは、自分の手で胸を「どんどん」と叩き独特な音を出した。

 どうやら威嚇しているらしい。


『ぐずぐずするな、びびったか! 今すぐここでやる! ぶち殺してやる! と、えらく、いきっておりますが』


『はあ? ダメダメ。自宅もろもろが壊れる、こんなとこでやるか、アホたれ! そう返してくれ』


『その言い方は、結構な挑発行為になるでございますが、御意でございます。そろそろスオメタルも我慢の限界でございますゆえ。タバサ! ヴィオラ!』


『何で私が先呼ばれる!?』


『愚か者! お前がヴィオラを影で操る黒幕だからでございます。無関係のマスターを引っ張り出した責任は、きっちり取って貰うでございますよ』


『うっわ、またお仕置き?』


『甘い! 髪もっさもさ、くらいで済むはずはないでございます!』


『きゃ~』


『可愛らしく悲鳴をあげても無駄でございます。それとヴィオラ!』


『は、はいっ!』


『タバサの浅知恵にあっさり騙されるようでは人狼族女王の資格なし! ペナルティーとして、今日から1か月、一兵卒として働くように! で、ございます』


『ひえ~、したっぱ~!』 


 こうして……

 ダンとオーガリーダーは、サシで戦う事となったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 1時間後……


 ダンとスオメタル、そして対戦相手たるオーガの群れ、

 そしてタバサ、スパルトイ軍団、人狼族は、遠く離れた魔境の砂漠に居た。

 

 自宅での戦いを嫌ったダンが転移魔法で、全員を運んだのである。


 オーガリーダーは転移魔法にびっくりし、戸惑ったが、

 ハッと記憶をよみがえらせ、ダンへ突っかかって来る。


 ぐわおおおおおっ!!


『この前、こうやって地の彼方へ飛ばしたのもお前だな、エサ如き人間の黒幕め! ぶっ殺し、喰ってやる、そう、いきっているでございます』


『はは、憶えてたか。そこまで言うなら、無益な争いを回避させる為と、言っても無駄だろうなあ』


 ぐおおん、お~!


 オーガリーダーが吠えると、付き従っていた別の一体が進み出た。


『まず、ナンバーツーのコイツが相手をする。かかって来んかい! と言っております』


『ああ、良いよ。と返してやってくれ』


 ダンが返事を戻すと、スオメタルが『はい!』と手を挙げる。


『マスター』


『何だい?』


『相手が二番手を出すのであれば、こちらも私が相手するでございますよ』


『え? スオメタルがやるの?』


『はい、最近暴れてなかったのと、タバサの暴走等でストレスが溜まってるでございます、いかがでしょう、マスター』


『ま、そういう事なら構わないけど……』


『OK……でございますね。ではいざ勝負!』


 スオメタルが進み出ると、オーガナンバーツーは馬鹿にしたように吠える。


 ぐおおん!


『ふっ、このスオメタルを完全に舐めてるでございますか? 小娘では俺様の相手にはならん言うでございますか?』


 ぐおお~ん!


『では、相手にならないかどうか、実際にやってみるでございます』


 スオメタルは、淡々と言い放ち、いきなり動いた。


 オーガナンバーツーは拳を振り上げ、叩き潰そうとするが、

 スオメタルは既に元の場所になど居ない。


 身長5mはある、オーガナンバーツーが気が付けば、

 スオメタルは目前に……浮かんでいた。


 ぐお!?


 戸惑うオーガナンバーツー。


『消えた?……そう見えたでございますか? うふふ、あんたが、とろすぎるでございますよ』


 スオメタルが言葉を返した瞬間。


 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱ~~ん!!!


 火の出るようなスオメタルの平手往復打ちが、

 以前、ダンが魔王を半死半生の目に遭わせた必殺の高速ビンタが、

 オーガナンバーツーの両頬にさく裂した。


 ぶぶぶっ!!


 真っ黒な大量の血の塊を吐き、


 どおおおおおおおん!!


 オーガナンバーツーは、地響きを立て、倒れてしまった。


 平手を打ち終わったスオメタルは「すとん」と地上に降りた。

 

 ダンへ振り返り、にこっと笑う。


『ま、こんなものでございますよ、いかかでしょう? マスター』


『こわ! 必殺の平手往復100連発か?』


『……いえ、マスターほどではございませぬ。出力50%オフの省エネ往復100連発でございますが』


『分かった! じゃあ、俺も同じやり方でやらせて貰おう』


『御意でございます。同じく手加減を所望致します。また戦闘終了の際は、奴らへの治癒魔法も所望するでございますよ、マスター』


『了解!』


 呆然としているオーガリーダーへ向かい、ダンは「すたすた」と歩いて行く。


 ぐお!?


 ハッと我へ返ったオーガリーダーに対し、ダンは「ぶわっ」と宙へ浮き、

 目前で手を振りかざす。


『ほら、今度はお前の番だ。……行くぞ!』


 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱ~~ん!!!


 魔王討伐の時と同じである。

 オーガリーダーの両頬に、ダンの平手往復打ちがさく裂していた。


 ぱちぱちぱちぱち……


『マスター、お見事! 手加減モード出力95%オフ、平手往復打ち300連発でございます!』


 スオメタルがにっこり笑い軽く拍手したその時。


 どおおおおおおおおおおおおおおおお~~ん!!!


 既に気絶していたオーガリーダーは、

 朽木が倒れるように、地に伏していたのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆第4巻発売決定! 2021年1月27日発売予定! ※予約受付中! 何卒宜しくお願い致します。

第1巻、第3巻重版!

※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

12月18日発売の月刊Gファンタジー1月号に『最新話』が掲載されております。

一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開しました!》

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」


も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ